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人材マネジメント

挑戦と創造を促す環境づくり

三井物産は、社員一人ひとりが生産性を高め、自らの能力を最大限発揮する環境を整えることで、会社全体の競争力を高めていくこと、新たな価値を社会に提供していくことを目指しています。また社員一人ひとりが活き活きと働き、社員と会社が共に成長し続ける環境をつくるために、さまざまな施策に取り組んでいます。

長期業態ビジョンが示す、当社の新たな働き方を具現化—Work-X

当社は、2020年5月に新本社への移転を完了しました。2017年に策定した「長期業態ビジョン2030」を踏まえ、新本社を、当社の多様な「個」が社内外の多くのプロ人材と「知的化学反応」を巻き起こして新たな価値を創造し、未来の三井物産をつくる場所と定義。移転を単なる引っ越しでなく、2030年のビジョン実現に向けた変革加速の機会と位置付けました。

2019年夏には、新本社での「職場体験のあり姿」や具現化施策としてWorkplace Experience 1.0(以下、Work-X)を定め、社員の意識・行動変革をテーマに、全社プロジェクトを推進してきました。Work-Xが掲げる二大テーマは、機動的に進化し続ける"Agile & Evolving"と、"より「人」を重視した「Human Centric」"です。

移転後の現在は、データによる効果検証を繰り返しながら、オフィス環境を日々進化させ、さらなる生産性向上に向けた取り組みを行っています。

新本社の執務フロアにおける取り組み施策

(1)グループアドレス制:
組織ごとのフリーアドレス制を導入。部署ごとのエリアを概ね特定することで、社員は自組織の生産性を担保しながら他部署連携のための機動性も確保できるよう、目的に応じて働く場所を選択する、目的指向型の働き方が可能になりました(Activity Based Working)。

(2)事業シナジーを促すスタッキング:
部署のフロア配置は、経営戦略に従い機動的かつ柔軟に対応・変更が可能です。シナジー創出を期待する組織を上下・隣に配置しています。

(3)コミュニケーションスペース(キャンプ):
自然と人が集まり、会話やアイデアが生まれやすい共有スペース(キャンプ)を全執務フロアに設置。
スペース内には上下階をつなぐ内階段があり、カフェカウンターを設置する等さまざまな仕掛けや工夫を施すことで、社内外の多様なプロ人材が集い、コラボレーション機会を創出し、新たな価値創造の場となることを目指しています。

これら施策の組み合わせにより、組織の生産性を維持しつつ、組織の枠を超えた連携や、社外とのコラボレーションも強化することで、当社のさらなる成長加速を目指しています。

Our Stories:新たな価値を生む人をつくる


社員の意識や行動の変革を促す「Work-X」

Our Stories:新たな価値を生む人をつくる

働き方改革

当社は2015年より、従来の働き方を見直し、時間や場所に捉われない柔軟でメリハリある働き方を実現する「働き方改革」を推進しています。

働き方改革アクションプラン

働き方改革への具体的な行動計画として、1.長時間労働の是正、2.年休の取得促進、3.柔軟な働き方の促進の3つの視点でKPIとアクションプランを策定し、日本経済団体連合会のウェブサイトにも掲載しています。

1. 長時間労働の是正(KPI) 社員一人 ひとりがメリハリある働き方を通じて生産性・効率性を追求した結果、2021年3月期までに年間の時間外労働時間数(法定換算)が620時間を超える社員をゼロにする。
2. 年休の取得促進(KPI) 社員一人 ひとりがメリハリある働き方を通じて生産性・効率性を追求した結果、2021年3月期までに、年休(半日、時間単位の取得も含む)の年間平均取得率を70%までに向上させる。
なお、このKPIはすでに達成済みですが、引き続きこのレベルを維持すべく継続課題としています(2020年3月期73.1%)。
3. 柔軟な働き方の促進(KPI) 2024年3月期までに社内調査において、「職場で、生産性をできるだけ高めるための環境が整っているか」、「職場で仕事を進める上での阻害要因がない」など働き方を問う質問に対して肯定的な回答をする社員の割合を全社員の60%~70%にする。

働き方改革アクションプラン

Mitsui Engagement Survey 結果(FY2019より実施)および働き方に関する社員意識調査結果(FY2016-2018)

有給休暇年間平均取得率・取得日数(単体)star

有給休暇年間平均取得率・取得日数(単体)

対象者:本店および国内支社勤務の従業員(嘱託社員は含まず)。

 

働き方改革諸施策

当社は、「働き方改革」を実現するための施策として「時間単位の年次有給休暇」「モバイルワーク」、および「個人単位の時差出勤制度」を導入し、2019年4月には全社服装ガイドラインを大幅改定するとともに、MBKテレワーク(在宅勤務)の全社運用を開始しました。2020年5月の新本社への移転をきっかけとしてテレワークを含めた働き方改革を今後一層加速していきます。

2015年から開始した全社の取り組み

施策名 施策の内容 特記事項
時間単位の年次有給休暇 年次有給休暇のうち年間5日分を上限に、1時間単位から自由に取得可(看護休暇・介護休暇は全日数(それぞれ10日/年)について同様)。 必要なときに必要な分だけ取得でき、有給休暇の利便性が向上することでよりメリハリが効いた働き方を実現。
モバイルワーク 就業時間外、および客先訪問前後の空いた時間に社外(就業時間外は自宅を含む)で就業可。 移動時間の無駄を省き、より効率性・生産性高く仕事をすることを可能とする。
個人単位の時差出勤制度 1日当たりの所定労働時間数を維持したまま、通常の勤務時間帯を起点に前後90分の範囲で個人ごとにずらすことが可能。 自身の業務内容や予定に応じて個々の社員が主体的に最適な時間帯を自らの責任において選択でき、効率性・生産性の向上およびメリハリの効いた働き方を実現。
全社服装ガイドライン 組織ごとに異なる業界慣習やニーズに合わせ、本部ごとに個別に服装ガイドラインを設定。 社員のプロフェッショナルとしての自律性を尊重し、業務生産性や効率性の向上とともに、自由な発想の喚起を促進。
MBKテレワーク 就業時間中の在宅勤務を可能とする施策で、過去2期にわたるトライアルを経て対象を全社員に拡大(災害時在宅勤務対応も追加)。
2020年5月新本社への移転をきっかけに一部見直しを予定。
オフィスでの「Face to Face」のコミュニケーションを基本としながらも、社員は目的に応じて「時間」と「場所」を選択し、課題指向型の働き方をすることで、個人と組織の双方の生産性・効率性を追求する。
2020年5月の新本社への移転を受け、多様な働き方が可能な各種スペースを擁する新本社での勤務を基本とするも、会社が認める場合にはより柔軟に在宅勤務が可能となるよう一部見直しを予定。

ワークライフマネジメント

当社は、社員一人 ひとりが生活(ライフ)上の責任を確り果たしつつ、仕事(ワーク)で最大限の力を発揮して活躍するという「ワークライフマネジメント」を支援しています。その一環として、仕事と育児・介護の両立を支援するために、法定基準を上回る各種制度を導入しているほか、各自の両立の選択肢を広げるための各種支援策を用意しています。これらの制度・支援策は性別に関わらず利用可能であり、また働き方改革で全社員向けに導入している「モバイルワーク」や「個人単位の時差出勤制度」等と組み合わせて利用することで、女性社員のみならず、男性社員の育児・介護への参加を促し、時間的に制約があってもより効率的に最大限のパフォーマンスを生み出すことができる環境を整えています。

育児との両立支援

仕事と育児の両立支援策

当社は、社員が出産・育児のライフステージにおいて、各自の考え方や選択に基づいて最適な仕事との両立体制を整えることのできる制度・支援策を用意しています。

妊娠から子ども成長段階に応じて取得できる制度・支援策(総合職)

妊娠から子ども成長段階に応じて取得できる制度・支援策(総合職)

休職前オリエンテーション

育児休業に入る社員に対し、出産休暇・育児休業取得に関する不安を払しょくし、スムーズな復職を支援するために、2020年3月期より本人と上司が一緒に参加する休職前オリエンテーションを開始しました。休職前オリエンテーションは、より早い段階から休職期間中の過ごし方や自分自身の復職後の両立の在り方を本人に考えてもらうのと同時に、上司が本人の考え方を確りと理解して今後のキャリア形成ならびにワークライフマネジメントを支援する環境について考える場となっています。これにより本人の意識改革と職場での理解醸成につながり、男性の育児休業取得促進も支える取り組みとなっています。

契約保育施設

契約保育施設

当社は、社員の事情に応じた柔軟な保育体制を支援するために、ベビーシッター代や延長保育代のほか家事代行サービス利用料の一部補助を行っています。また2020年5月にオープンした新本社ビル内の外部保育施設と契約して月極保育、一時保育利用を可能とする等、社員一人 ひとりのワークライフマネジメントの考え方を尊重した支援策の整備に努めています。

ワークライフマネジメント—男性管理職の育休取得

産褥期の妻のサポートを目的に、2週間の育休を取得、料理・洗濯・掃除等の家事全般のほか、おむつ替え、ミルク、沐浴等の育児を行いました。育休取得前から、ICT活用による部下の情報・ノウハウの共有等、組織全体のパフォーマンスの維持・向上と環境づくりに努めていましたが、育休経験を通じて、多様で自律的な働き方が求められる状況において個々人の仕事ぶりに丁寧に目を向けることの大切さを学びました。

望月 信孝 望月 信孝
法務部 機械・インフラ法務室
室長

介護との両立支援

当社は、社員一人ひとりの介護に対する考え方や選択に基づいて最適な仕事との両立体制を整えることを目的として、介護制度の拡充のほか、介護に関する情報提供、相談体制の強化を柱とする各種支援策を用意しています。また介護制度の取得には該当しないものの、一定の支援が必要な障がいのある家族を有する社員の両立支援として「特定支援休暇」を設けています。

介護との両立のために取得できる制度・支援策(総合職)

介護との両立のために取得できる制度・支援策(総合職)

仕事と介護の両立セミナー

介護の準備段階や介護中に必要な情報を収集する場として、昼休みを利用した介護セミナーを定期的に開催しています。セミナーでは仕事と介護の両立についての意識醸成のほか、介護保険制度や介護施設、会社の制度説明等、具体的なテーマも取り上げ、2020年3月期は延べ約200名の社員が参加しました。また「仕事と介護の両立支援ハンドブック」をイントラに掲載する等、必要な情報をさまざまな形で提供できる環境を整えています。

介護相談窓口

社員の個別事情に応じた介護の悩み・不安を解消する場として、社外NPO法人と契約し介護アドバイザーとの対面による「介護個別相談会」を毎月1回会議室で開催しています。相談会は国内支社勤務者や海外転勤時にも利用できるようにテレビ会議での参加も可能としているほか、緊急時や相談会に参加できない場合に備え、メール・電話等でも相談できる体制を用意しています。また社内制度や支援策等の利用方法や、両立の体制づくりに関して社員が人事総務部に直接相談できる社内相談体制も整備しています。

両立支援に関する社会からの評価

配偶者の転勤による退職者の再雇用制度

家族の在り方等、社員のワークライフマネジメントの考え方を尊重し、配偶者の転勤というライフステージの変化に対応するための「配偶者の転勤による退職者の再雇用制度」を2007年から導入しています。配偶者の転勤により退職を余儀なくされる社員に対し、再雇用の門⼾を開く制度であり、多くの社員がこの制度を利用し再び当社で活躍しています。再雇用後の活躍を促すために、退職期間中の過ごし方や再雇用後のキャリア等を共に考える場として退職前には人事総務部と面談を行っています。


配偶者の転勤による退職者の再雇用制度(単体)

社内コミュニケーション推進

ダイバーシティ・カフェ

第26回ダイバーシティ・カフェ(2019年6月) 第26回ダイバーシティ・カフェ(2019年6月)

価値観の多様化、共働き世帯の増加、高齢化社会等、社会環境の変化に伴って、従来と違う形でキャリア形成や仕事と私生活の両立を目指す社員が増える中、年齢・職責等を超えた情報交換や対話を促進する場として、2009年から「ダイバーシティ・カフェ」を開催しています。関心のあるテーマについて社員同士で経験談を共有し、共に考え、新たな意識を生み出す場となっています。2020年3月期では実践編として男性社員を対象とした「お子様の食育・料理体験教室」や、介護を抱える社員による「両立を成功させる方法」の内容で計4回開催しました。

コミュニケーション機会の創出

当社では中期経営計画2023で謳う「変革と成長」の実現に向け、より「強い個」が「共創」できる環境づくりのため、社員間および経営層と社員の対話機会を積極的に設けています。社内コミュニケーション活性化を目的とする社員集会「アクティブ・トーク・ウェンズデー(ATW)」を定期的に実施し、2020年3月期は本店において、経営層と社員のコミュニケーション活性化に重点を置いた着席形式の夕食会を計3回、社員同⼠のネットワーキング強化を目的としたランチ会を計4回行いました。これらに加え10月には当社取り扱い飲食材やビジネススキームの紹介を通じて社員同士が気軽に交流しあえる社内イベント「三井物産を知ろう~食~」を開催しました。国内支社では関係会社社員を含む対話集会を計10回開催しました。

また、社長が社員と対話する車座を、2020年3月期は本店で計29回、国内支社では5回、海外拠点では58回実施しました。Face to Faceでのやりとりを通じ、経営層の考えや思いをさまざまな角度から共有するとともに、社員の意見や考えを汲み上げることで、風通しの良い組織を目指します。

2021年3月期は、新本社ビルにおけるコミュニケーション促進のさまざまな仕掛けやWork-Xの取り組みにより、これまで以上にコミュニケーションの活発化が図られることも踏まえ、さらなる社内外コミュニケーションの促進を目指すべく、新たな取り組みを進めていきます。

アクティブトークランチ(2019年5月) アクティブトークランチ(2019年5月)
三井物産を知ろう~食~(2019年10月) 三井物産を知ろう~食~(2019年10月)

労使関係

基本方針

当社は、従業員の団体交渉権と結社の自由を尊重しています。

1962年に設立された三井物産労働組合とは、会社と組合が当社の社会的使命を共に認識し、双方の立場を尊重して会社と社会の健全なる発展と組合員の社会的・経済的・文化的地位の向上を図ることを目的とし、2015年5月にユニオン・ショップ協定を締結しています。

従業員組合員数は2021年3月末時点で4,209名(加入率81.1%)です。

労働組合との協議

当社は、社員一人ひとりが活き活きと働き、社員と会社が共に成長し続けるための環境づくりを目的に、労働組合とさまざまな課題を共有し積極的な協議を行っています。2020年3月期も組合とさまざまなレベルで、人事制度、給与・賞与、働き方改革や研修、労働安全衛生等多岐にわたる議題を協議し、労使で合意を得た上で制度や施策を導入しています。給与・賞与の決定に当たっては、事業を展開する国・地域の法令遵守はもとより、最低賃金を超えた生活賃金の確保を行い、従業員の働きやすい環境づくりを推進しています。

労働安全衛生に関しては、労働基準法に準拠した時間外労働の目標限度時間、ならびに特別延長の最大限度時間を改定するとともに、労使で定めた時間外労働の目標限度時間の管理に向けて、組合役員への従業員の労働時間データの共有を通じた労働時間管理の徹底に努めています。2020年3月期は組合の提案を受けて、中期経営計画2023に関する労使協議を開催しました。また、評価者・被評価者双方に人事評価制度を正しく理解して貰うための説明会や、評価の納得感向上に向けた労使協議を開催し、新任ラインマネージャー向けの研修の拡充・見直しを実施しました。

報酬面では、社員一人ひとりのモチベーションを高め、成果へのこだわりと健全な緊張感を醸成することを目的として、個人の能力発揮や組織への貢献度合いを適切に評価し、賞与に反映させる報酬体系へと改定しました。

FY2018 6月:拡大事務折衝(研修制度等の組合提案)
9月:紹介団交
4月・11月:事務折衝(新本社ビルでの職場環境に関する協議)
FY2019 4月:団交(2019年3月期賃金交渉)
6月:拡大事務折衝(人事制度の一部改定、人事関連諸制度)
12月:団交(36協定改定)
2月:拡大事務折衝(2020年3月期賞与フォーミュラ、人事制度の一部改定)
FY2020 5月:団交(人事関連全般)
9月:紹介団交・評価に関する労使協議会
1月:新・中期経営計画に関わる労使協議会

経営幹部・組織長と労働組合との対談

経営概況や方針、および人事制度の運用や人材育成に関する経営幹部との対談、各部門内での組織長との意見交換の場(2020年3月期 計19回)を積極的に設ける等、健全な関係を維持しつつ各種の課題に労使協働で取り組んでいます。

2019年6月 パフォーマンスマテリアルズ本部長、鉄鋼製品本部長、モビリティ第一本部長、流通事業本部長、ICT事業本部長、ニュートリション・アグリカルチャー本部長、コーポレート・ディベロップメント本部長、食料本部長、法務部長、エネルギー第一本部長
2019年7月 モビリティ第二本部長、CFO統括部長、ヘルスケア・サービス事業本部長、プロジェクト本部長、金属資源本部長、エネルギー第二本部長、ベーシックマテリアルズ本部長、社長