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[豊かな暮らしをつくる]

ヘルスケアエコシステムの構築を通じ、さまざまな医療問題の解決に貢献

国連の世界人口予測によると、世界の人口は2050年には97億人に達するといわれており、とりわけアジアでは、経済成長と平均寿命の伸びによる人口増加と高齢化の進行、疾病構造の変化を主因に医療費が急増しています。一方で、アジアは病院自体が不足している地域も多く、また、医療レベルが国際水準に達している病院数も十分ではありません。

三井物産は、2008年に医療・医薬関連の事業・部署を集約してメディカル・ヘルスケア事業部を立ち上げました。現在は、医療施設が不足している地域に病院をつくり、その病院を中核に専門クリニック等の病院周辺事業、医薬品の製造・販売や新薬開発、医療人材紹介サービス、施設管理や病院給食事業等のヘルスケア関連事業を取り込み、それらをつなぐことで、さまざまな医療問題の解決に貢献する「ヘルスケアエコシステム」の構築に取り組んでいます。ヘルスケアエコシステムの中核に据えているのが、2011年に出資・参画し、2019年に当社が筆頭株主となったアジア最大手の民間病院グループで、世界12か国で約15,000床を運営しているIHH Healthcare Bhd.(以下、IHH)です。

各国・地域における医療へのアクセスおよび質と効率の向上を実現し、当社のヘルスケアエコシステムを強化・拡大することで、必要なところに最適な医療を届けられる社会の構築に貢献していきます。

医療問題解消に向け、アジア最大手の民間病院を経営

医療問題解消に向け、アジア最大手の民間病院を経営

当社がアジアでのヘルスケア事業の展開を開始した頃、アジアでは逼迫する医療需給が深刻化しつつあり、経済成長による生活水準の向上により、感染性疾患が減少する一方、生活習慣病が増加する傾向にありました。高齢化の進行や中間層の増加により医療の需要が急増し、より高度な医療が求められるにもかかわらず、先進国に比べ圧倒的に病床数が足りず、質の面でも十分とはいえない環境が多く、医療を受けたい人に適切なサービスが届いていないという状況でした。

IHHは、高度先進医療等の質の高い医療サービスを提供し、アジアでは稀有な、多国展開を行っている病院グループで、シンガポール、マレーシアにおいて圧倒的なマーケットシェアを誇っていました。このマーケットシェアに加え、高度な医療環境・技術が同社の信用やブランド力となり多くの患者の信頼・期待に応え、またそのブランド力によりアジアで不足している優秀な医療従事者を確保し、医療サービスの質的・量的拡大を達成する仕組みがあったことから、当社はIHHを通じて、医療の需給ギャップという課題解決に取り組みたいと考え、出資・参画を決定しました。

2011年の出資・参画以降、当社は、取締役の差入や出向者の派遣により、IHHの経営に内部から貢献し、株式上場や病院新設・買収等を支援するとともに、展開地域の拡大に向け、特にインドや中国の当社現地パートナーの紹介を積極的に行ってきました。そういった支援の結実もあって、現在では、IHHの病床数は約4倍、企業価値は当時の約3倍強になっています。またこれまでのIHHを含む当社ヘルスケア事業での経験を踏まえ、2019年にはIHHへの追加出資も実行し、より主体的にIHHの経営に参画しています。

IHHの今後の課題としてまず取り組むべきは、既存病院のバリューアップと横断的取り組みの推進です。サービスの高度化等を通じた売上の向上や、医薬品の集中購買等によるコスト最適化、M&Aや既存病院の増床を進めることで、より効率的な医療の提供を目指していきます。

また、各病院のノウハウやベストプラクティスの共有等他国の情報や症例を共有することで、アジア各国で、より高度でより効率的な医療サービスを提供できる機会を増やしていきたいと思っています。

ビッグデータを活用し、一人ひとりに最適な医療を提供

当社が目指すゴールは、ヘルスケアエコシステムの構築および強化・拡大です。世の中ではそれぞれのヘルスケア事業者がそれぞれの専門分野を中心に役割を担うことが多い中で、当社は病院を中核に据えて、「場」「人」「モノ」「サービス」「情報」の5つの要素をつなぎ合わせた大きな医療インフラをつくろうと試みています。そこで重要となるのはデータの活用です。IHHだけでも年間600万人を超える外来患者と、年間60万人もの入院患者を抱えていますが、この膨大な患者データにとどまらず、周辺事業も含めたヘルスケアシステム全体でデータの活用を行うことができれば、非常に大きな価値の創出につながると考えています。

データのプラットフォーム化が進めば、患者の病歴等のデータを基に、疾病管理・遠隔診断・個別化医療等の患者ニーズに根差した医療が提供できます。これらのサービス創出に向け、まずは、匿名性の担保はもちろんのこと、セキュリティ強化を図りながらデータを取得、保存、活用できる基盤をつくることに最優先で取り組み、その後、データを活用し、効率化を進めると同時に医療ニーズの適切な把握を進めます。最終形として、前述の集積したデータを周辺事業と絡めることでより高度な医療サービスを提供し、収益化していきます。5~10年はかかると思いますが、目指す医療サービスの実現に取り組んでいきたいと思います。

持続可能な医療を世界中に届ける

アジアでは引き続き、医療・ヘルスケアの大きな需給ギャップが存在し、その医療を提供する要素である、病院・医療従事者・医療情報等が必ずしも効率的に連携しているとは言えません。ヘルスケアエコシステムの構築を通じ、偏在している一つ一つのリソースを効率的につなぎ再配分することで、需給ギャップ解消を目指し、医療・ヘルスケアを持続可能なものとする。そして社会全体がより豊かに成長するための一助になりたいと考えています。

将来的にはこれらの医療をグローバルに展開し、世界中のあらゆる人々の医療へのアクセスを向上させる事業に育てていきたいと思っています。