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[インテグリティのある組織をつくる]

インテグリティの浸透を通じた価値観の共有

三井物産では、ビジネスにおいては「信用」こそが重要であり、その信用を守り、一層高めていくためには「コンプライアンス」に加えて、企業人としての良識や品格、すなわち「インテグリティ」を意識することが肝要であると考えています。

そこで、グループ全体でインテグリティやコンプライアンスに関する価値観を共有するため、当社は2018年11月に「三井物産グループ行動指針“With Integrity”」を策定しました。

当社グループが真に社会から信頼される企業グループであり続けるために、社員一人ひとりがインテグリティを持って行動する、インテグリティのある組織づくりにグローバル・グループベースで取り組んでいます。

インテグリティとは何か、社員の思考を促す

法務部コンプライアンス室は、各組織のコンプライアンス担当者と連携しながら、コンプライアンス体制やコンプライアンス・プログラムの整備、実際に発生したコンプライアンス関連事案への対応等に当たっています。中でも、私たちの重要なミッションの一つが、グループ全体に「インテグリティ」を浸透させることです。

当社は2017年4月からインテグリティという言葉を積極的に用いて社員のコンプライアンス意識の向上に取り組んでいますが、当初、社員の間では「インテグリティって何?」という声もありました。そもそも定義しにくく、日本語に訳すのも難しい言葉であるため、会社がインテグリティという考え方をどういう意図で使い、コンプライアンスとどう違うのか、分かりやすく示す必要性を感じていました。そこで、多くの関係者と協力しながら取りまとめたのが“With Integrity”です。

“With Integrity”では、当社グループにおけるインテグリティを「企業人の良識と品格」、すなわち自分の良識や品格に照らして何が適切か、自分で考えて行動することと定義しています。加えて、インテグリティの具体例として、法令の遵守はもちろん、人権や多様性の尊重、差別の排除、自由闊達な風土の涵養等をあげた上で、最も高い倫理水準により誠実に行動することを挙げています。

コンプライアンスが法令やルールの遵守等の他律的な意味合いがあるのに対し、インテグリティは自律的なアプローチといえます。コンプライアンスという視点だけでは、法令やルールを守るという受け身の姿勢になり、ルールに明示されていない事態が発生すると戸惑ってしまいがちですし、ルールで禁止されていないから良いやと考えてしまう人も出て来ないとは限りません。当社では、そうした場面において、インテグリティに照らしてどうなのかを自ら考えて行動することを提案しています。“With Integrity”には、それを考える一助として、「誇りを持てるか?」、「人はどう思うか?」、「法令、ルール、社会規範に沿ったものか?」の3つの質問を示しています。自分の良識と品格に照らし、また、人としてどうなのだろうと自ら考えることが大切です。

従来、コンプライアンス意識の啓発活動は、法令や会社のルールを守ってください、とお願いする活動でしたが、インテグリティは自律的なものなので、やるべきことを会社が強制するという性質のものではないと考えています。そのため、インテグリティの浸透活動においても、社員が自分で考え、社員同士が議論するきっかけをつくることを意識した取り組みを展開しています。例えば、経営幹部からの情報発信もその一つです。イントラネット上のCCO(Chief Compliance Officer)ブログでは、CCOが業務だけでなく日々の生活で感じたことを起点にしてインテグリティについてさまざまな切り口から語っています。月2回程度のペースで全社員向けに発信しており、社員がインテグリティについて考えるきっかけになっていると感じます。実際、ブログの内容について社員同士で話している姿を見かけることも少なくないですし、ブログを読んだ社員からCCO宛てに、その社員が考えるインテグリティとは何なのか、メッセージが届くこともあります。今後も、会社から押し付けるのではなく、社員が自ら考え、他者と議論することで、自分にとってのインテグリティとは何なのか考えを深めていけるような取り組みを展開したいと思います。“With Integrity”についても、読んでみて「違う」と思うことがあれば、ぜひ社員同士で意見を交わして欲しいと思っています。そうした過程を経ることで初めて、一人ひとりの社員が共感を覚える内容になるのではないかと考えています。

スピークアップすることもインテグリティ

スピークアップすることもインテグリティ

インテグリティと並行して浸透活動を行っているのが「スピークアップ」です。おかしいと思ったことに声を上げる文化を醸成し、内部通報制度を積極的に活用してもらう取り組みです。内部通報には後ろめたい等、あまり良くないイメージがあるかもしれませんが、当社の場合は、問題を早期に発見して芽を摘むために非常に有効な手段だと考えており、おかしいと感じたことがあれば見て見ぬふりをせずに積極的に声を上げることを奨励しています。こうした取り組みの甲斐もあってか、内部通報の件数は増えており、通報しやすいオープンな社内環境がこれまで以上に醸成されつつあるのではないかと見ています。これまで見過ごされていた問題、放置されていた問題に対して社員が声を上げることで、問題の解決につなげられればと考えています。

会社の信用を高めるのは社員のインテグリティ

企業は社会からの信用がなければ持続的に成長していくことができません。その信用をつくるのは、社員一人ひとりの信用―コンプライアンスであり、インテグリティだと思います。一人ひとりが常にインテグリティを持って行動し、おかしいと思ったことにはためらわずに声を上げることを通じ、より良い会社をつくっていければと思います。