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Our Stories

[新たな価値を生む人をつくる]

社員の意識や行動の変革を促す「Work-X」

三井物産は、将来の当社のあり姿を示した長期業態ビジョン2030で、企業や人を「つなぐ」から自らビジネスを「つくる」への進化を掲げています。強い「個」と「個」のコラボレーションによる知的化学反応創出で、世の中にない新たな価値やビジネスを、自らつくる集団となることを目指しています。

2020年5月、当社は新本社へ移転しました。この移転を、当社の新たな働き方を具現化する契機とし、職場体験のあり姿を全社でつくり上げるために2018年に開始したのが「Work-X」(Workplace Experience)です。新本社の職場環境を整えることにとどまらず、社員一人ひとりの意識や行動様式の変革も促していくことを目指す、組織横断型のプロジェクトです。

当社の多様な「個」を活かして新たな価値を創造し続けるためには、社員の働き方をより柔軟で機動的な形に変えていく必要があります。当社は、本プロジェクト以前から働く「時間」の多様化を進めていますが、Work-Xでは、「場」の多様化を通じ、部門の枠を超えたコミュニケーション・コラボレーションの促進をメイン施策としました。社員が仕事の状況や内容に応じて働く場所を主体的に選択することで、より生産性と創造性の高い働き方実現を目指したものです。

Work-Xの本質は物理的なオフィス環境の変化ではなく、社員一人ひとりの意識・行動変革、それによる「中期経営計画2023—変革と成長—」の実現です。意識・行動変革をグローバル・グループにも浸透させ、さらなる挑戦と創造を続けていきます。

Work-Xを支えたのは、アンバサダーの主体的な姿勢

Work-X室がこの1年間取り組んできたのは、長期業態ビジョン2030から、新たな働き方のあり姿を提示し、実現していくことです。ビジョンの内容を実行施策に落とし込んでいくことも決して簡単なことではありませんでしたが、最も苦労したのは、こうしたあり姿を約6,000人の社員に理解・納得してもらい、自ら行動を起こしてもらうことです。その最も大きな推進役になったのが、各部門から選出されたアンバサダーでした。

当初、アンバサダーにはWork-Xの施策や取り組みを各部門に展開してもらう役割を期待していましたが、活動を開始すると、現場目線でさまざまな助言や提言を行い、積極的に議論を交わす場面が多々生まれました。各部門から意見を持ち寄ってつくった形になるわけですから、自ずと説得力も増します。それが、現場への浸透力が高まった要因だと感じています。

新たな環境で、新たなビジネスをつくる

Work-Xでの議論を経て、コミュニケーションとコラボレーションの促進を目的に、新本社ではいくつかの施策を取り入れています。一つ目はグループアドレス(組織ごとのフリーアドレス)の導入です。これにより、業務やプロジェクトニーズに応じた機動的なチーミングが可能になりました。二つ目はコミュニケーションエリア、キャンプの設置です。社員が部門の枠を超えてコラボレーションできる場とし、自由にアイデアを生み出せるようカジュアルな演出をしています。三つ目はスタッキング、戦略的な組織配置で、経営戦略に基づき、事業シナジーがありそうな部門を同一フロアーや上下フロアーに配置、今後も柔軟に入れ替え可能としています。これらの施策は、すべてが揃うことで効果を発揮する、三位一体の取り組みです。グループアドレス導入に際しては、その効果検証や課題点を洗い出すためのトライアルを実施しました。当初は参加に慎重な部署が多かったのですが、目的や意義、会社の方向性について丁寧な説明を繰り返し行い、先行トライアル部署の評判も良かったので、その後、実施希望部門も増えました。グループアドレス導入により、ペーパーレス化も大きく進みました。本施策は社員の理解と主体的な関わりが、大きな成果につながっていると考えています。

さらに、Work-Xが実現した大きな変革は、積極的なデジタル活用です。コミュニケーションのリアルタイム化や業務プロセス効率化手段として、固定電話からiPhoneへの移行、TeamsやDocuSign等のデジタル技術活用を推奨してきました。新型コロナウイルスにより、突然全社員がテレワークになりましたが、新本社での新しい働き方準備を進めていたことで滞りなく対応できましたし、結果的にデジタル化がさらに促進されました。出社が再開された今も、新しいコミュニケーションの形が社員に受け入れられ、生産性向上に大きく貢献しています。

グローバル・グループを巻き込み、さらなる進化へ

Work-X 室 室員とアンバサダー(2020年2月) Work-X 室 室員とアンバサダー(2020年2月)

Work-X室のミッションは、継続的にオフィス環境を改善していくことのみならず、社内の風土 や雰囲気を改善し、さらなるコラボレーションを促し、社員の意識・行動変革により、当社生産性・企業価値の向上に寄与することです。世の中の変化は速く、多様化も進んでいますから、従来の組織の枠に捉われていては、事業機会に対応しきれなくなってしまいます。現在ある縦組織の生産性は維持・継続しながら、今後は横や斜めにもつながって、総合力を発揮していくことが当社の目指していることです。

今後取り組みたいのは、グローバル・グループへのWork-Xの展開です。Work-Xは新本社移転を機に始動しましたが、本来の目的は、物理的な拠点に関係なく、自発的なコラボレーションを通じて社内外の多くの人材と知的化学反応を巻き起こし、新たなビジネス価値を生み出すことです。新本社で行った施策をそのまま適用するのではなく、拠点にあった施策・活動を、社員一人ひとりが行えば、当社グループとしてのパフォーマンスが大きく変わる予感がしています。物理的なオフィス環境は拠点により異なりますので、各拠点の特性を踏まえた、オリジナルのWork-Xが生まれることに期待しています。

私たちはWork-Xを通じて、不確実で変化の速い時代だからこそ、これまでの常識を見直し、時代変化に柔軟に対応できることを習い性にしておくべきであると、社員に繰り返し発信してきました。それが浸透してきたからこそ、今回のコロナ禍にも柔軟に対応できたといえます。折しも、コロナ禍がもたらす「ニュー・ノーマル」に社会の関心が集まっていますが、新たな常識・状況に対しても、私たちが変化対応力を持ち続けることが、当社の成長そのものに、きっと活きるはずです。

2020年8月掲載