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Environment

クリーンテックビジネス

方針・基本的な考え方


三井物産は、中期経営計画2023において、気候変動をサステナビリティ経営における重点課題の一つに特定し、「三井物産グループ行動指針」において「地球環境を大切にし、豊かで住み良い社会の実現のため積極的に貢献します」と定める等、三井物産グループとして総合力を発揮しグローバルな幅広い事業活動を通じた社会課題の解決に積極的に取り組んでいます。
また、当社は昨年、2050年の「あり姿」としてNet-zero emissions を掲げ、その道筋として2030年に2020年比GHGインパクト半減を目指すことを表明しており、当該目標を達成するためにも、環境・クリーンテック分野の技術革新を事業機会とすることを戦略上の重点分野として位置づけ、2020年4月には当社ならではの複合的且つ機動的な取り組みを加速すべくエネルギーソリューション本部を設立し、既存の取り組み推進と新規案件の組成や、当該分野における投資機会の追求・拡充に取り組んでいます。

目標


  • 当社持分発電容量に占める水力を含む再生可能エネルギー比率を2030年までに30%に引き上げる。
  • 水素・アンモニア・次世代エタノール等の代替燃料関連事業、EVを起点としたEV関連事業・電池関連事業やエネルギーマネジメント事業、鉄鋼業の低炭素化や各種リサイクル事業、CCS・CCU事業等クリーンテック分野の事業やR&Dへの取り組みを加速し、その実現と拡充により技術革新と環境負荷低減に貢献する。

体制・システム


サステナビリティ経営推進

サステナビリティ委員会は、経営会議の下部組織として、サステナビリティならびにESG(環境・社会・ガバナンス)に関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略に関し、企画・立案・提言を行っています。
サステナビリティ委員会の活動については、取締役会による監督が適切に図られる体制となっており、サステナビリティ委員会における審議事項は、定期的に経営会議および取締役会に付議・報告されます。

管掌役員 大間知 慎一郎(代表取締役副社長執行役員、CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)、サステナビリティ委員会 委員長)
審議機関 サステナビリティ委員会
位置付け
  • 意思決定機関である経営会議の下部委員会
  • 委員会で審議されたサステナビリティならびにESG(環境・社会・ガバナンス)に関わる重要事項は、経営会議、取締役会等に付議・報告されます
事務局 サステナビリティ経営推進部

当社サステナビリティ経営の推進体制図やサステナビリティ委員会の活動に関する詳細はリンク先をご参照ください。


サステナビリティへの考え方・推進体制:体制・システム

サステナビリティへの考え方・推進体制:サステナビリティ委員会

ESG関連リスクマネジメント

当社が事業に取り組むに当たっては、新規に開始する段階に加え、操業時、および撤退時においても環境・社会に対する最大限の配慮に努める仕組みを整えています。


環境マネジメント:環境マネジメントシステム

ESG関連リスクマネジメント:環境・社会面におけるリスク管理

社内カーボンプライシング制度

当社は、GHGを多く排出する事業の中長期的なレジリエンスを高めるため、またGHG排出削減に効果のある事業の取り組みを促進するため、2020年4月から社内カーボンプライシング制度を導入しています。新規事業案件については、GHG規制等がリスクあるいは機会となり得る案件につき、2℃シナリオに進んだ場合に生じる影響の分析、ならびにリスクとなる場合には対策等の妥当性が、案件審査の一要素として追加されました。また、既存事業のリスク評価も社内カーボンプライシング制度を使って実施しています。

気候変動:社内カーボンプライシング制度導入

グリーン案件評価連絡会

2050 年の「あり姿」としてNet-zero emissions を掲げ、2030 年迄に 2020 年比 GHG インパクトの半減を目指す中、GHG排出型案件への対応のみならず、GHG 削減型案件に取り組む必要性も増しています。かかる状況を踏まえ、再生可能エネルギー等の気候変動対応を機会とする新規案件の審査において、ESG 視点から取り組みを戦略的意義等の定性面含めて総合的に評価するグリーン案件評価連絡会を設置し、2021年4月1日より運用を開始しました。

ステークホルダーとの協働


イニシアティブへの参画

イニシアティブへの参画を通じたクリーンテックビジネスへの取り組みを推進、拡大させています。各イニシアティブへの参画においては当社のクリーンテックビジネスに対する基本方針、取り組みと合致しているか確認の上、参画を決定しています。

TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)

当社は2018年12月、気候変動がもたらすリスクおよび機会の財務的影響を把握し、開示することを狙いとした提言“Task Force on Climate-related Financial Disclosures”に賛同しました。TCFD最終報告書に基づく開示フレームワークに則った情報開示については、気候変動ページをご覧ください。


気候変動

水素バリューチェン推進協議会

「水素バリューチェーン推進協議会」は水素社会の構築・拡大を目指し、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進するため2020年12月に設立された団体です。当社は同団体の準備委員会設立時から参加しており、理事会員として、水素社会の実現に向けて他会員企業と共に取り組んでいきます。

FSC®(FOREST STEWARDSHIP COUNCIL®、森林管理協議会)

環境NGO、民間企業や先住民団体等による会員制の非営利組織FSC®(FOREST STEWARDSHIP COUNCIL®、森林管理協議会)は、環境保全の点からみて適切で、人権尊重等、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を世界に広めるための国際的な非営利組織です。
当社は、全国74か所、約44,000ヘクタールすべての社有林「三井物産の森」で、森林管理を対象とするFM認証(FOREST MANAGEMENT )を取得し、切り出した木材の加工・流通を対象とするCOC認証(CHAIN OF CUSTODY)を子会社である三井物産フォレスト株式会社が取得しています(FSC®-C031328)。日本国内最大の国産のFSC®認証材の供給者である当社は、国内におけるFSC®の普及・推進、日本版の原則基準の検討・作成にも協力しています。なお、当社では、植林事業においてもFSC®認証を取得し、責任ある森林資源管理を推進しています。

クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)

CLOMAは、地球規模の新たな課題である海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、プラスチック製品の持続可能な使用や代替素材の開発・導入を推進し、イノベーションを加速するため2019年1月に設立され、当社は幹事会社26社の一社になっています。CLOMAには、当社および子会社の三井物産プラスチック株式会社、三井物産ケミカル株式会社、三井物産パッケージング株式会社、ベンダーサービス株式会社を含めた419社・団体(2021年5月現在)が参画しています。
当社は、用途に応じた最適な代替素材の選択を容易にするために技術情報の共有を行う普及促進部会、最新の開発成果に関する技術交流・技術セミナーの開催を行う技術部会、国際機関・研究機関等との連携による情報収集・発展途上国等への情報発信・技術コンサルティングを行う国際連携部会に参加し、国際連携部会傘下に組成されたインドネシア協力Working Groupでは座長を務め、特定国にフォーカスした貢献も企図しています。今後も海洋プラスチックごみ問題の解決に向け引き続き必要なアクションを取っていきます。

CEFLEX(Circular economy for flexible packaging)

CEFLEXは、軟包装材のバリューチェーン全体を代表する企業や団体など、プラスチック包装材料のバリューチェーンに関わる200社以上から構成される欧州の共同コンソーシアムで、プラスチック製軟包装材を回収・分別・再資源化するインフラシステムの構築を検討しています。当社は2018年から参画し、様々なワーキンググループで積極的な役割を果たしています。今後もCEFLEXへの参画を通じて、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に貢献していきます。

ASI(Aluminium Stewardship Initiative)

ASIは、持続可能な社会へのアルミニウムの貢献の最大化をビジョンに掲げ、2012年に発足、アルミニウム生産者や需要家、国際アルミニウム協会等、さまざまなステークホルダー約175社・団体が参加(2021年6月現在)しています。国際基準の策定および認証システム確立を通じ、アルミニウムサプライチェーンにおける、サステナビリティ向上とESGへの貢献に取り組んでいます。当社は2020年1月に参画し、メンバーの一員としてこうした取り組みをサポートしていきます。

International Iron Metallics Association

International Iron Metallics AssociationはOre-Based Metallics(銑鉄、還元鉄等の鉄鉱石を原料とする鉄鋼原料)の業界団体であり、当社を含めた加盟メンバーの生産/取扱高は世界シェアの8割を超えます。 当社は従来よりこれら商品を含む冷鉄源商内を物流・投資の両面から推進しており、鉄鋼業の脱炭素化に関連しこれら商材が注目を集める中、引続き本領域での事業展開を通じ鉄鋼業の脱炭素化に貢献していきます。

一般社団法人 カーボンリサイクルファンド

CO2を資源として捉え、カーボンリサイクルイノベーションを推進するというカーボンリサイクル政策が日本のエネルギー政策の重要な要素となってきています。一般社団法人カーボンリサイクルファンドは、カーボンリサイクルイノベーション創出による地球温暖化問題と世界のエネルギーアクセス改善の同時解決を目的として、2019年8月に設立され、当社は2020年1月から加盟しています。低炭素化に有用なCCUSに関する最新情報へのアクセスや会員各社とのネットワーキング強化を通じ、事業機会の追求および気候変動問題の解決への貢献を目指します。

一般社団法人エネルギー総合工学研究所 ACC技術研究会

CCS技術は大量のCO2処理が可能であり、CO2削減のための有効な手法と考えられますが、昨今CCU技術においても大量のCO2処理が可能な技術、システムの構築が求められています。CO2の有効利用技術に関する調査、研究、情報発信を行い、その早期実現と社会実装に寄与することを目的として、2018年10月に発足したACC技術研究会に当社は2020年7月から加盟しています。

電池サプライチェーン協議会(Battery Association for Supply Chain; BASC)

一般社団法人電池サプライチェーン協議会(Battery Association for Supply Chain; BASC)は、脱炭素社会実現に向け、電池の原材料や部品に関わるサプライチェーンの国際競争力強化を推進する団体で、2021年4月に設立され、当社も設立時から会員として参加しています。他会員企業と共にリチウムの国際標準化、電池エコシステム構築に向けたルールメイキングなどの課題に対応していきます。

クリーン燃料アンモニア協会

アンモニアエネルギーの利用技術の社会実装に加え、CO2フリーアンモニアの供給から利用までのバリューチェーン構築を目指し、技術開発・評価、経済性評価、政策提言、国際連携などの産学官のプラットホームである一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に、2019年4月から理事会員として参画しています。

取り組み


再生可能エネルギー

  • プロジェクト本部
  • エネルギーソリューション本部
  • ウェルネス事業本部

発電事業として、持分発電容量における石炭火力の比率は段階的に引き下げ、水力を含む再生可能エネルギー比率を2030年までに30%に引き上げる方針です。2021年3月末現在、当社持分発電容量は11.0GWで、そのうち水力を含む再生可能エネルギー比率は約15%を占めており、2030年までにこの比率を30%に引き上げる目標を掲げています。

再生可能エネルギー事業

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

(2021年3月末現在)

燃料・種別 国・地域 持分(MW) 比率 目標
再生可能エネルギー 計 1,621 15% 30%以上
太陽光 日本 152
米国 170
メキシコ 104
ヨルダン 34
インド 17
中国 16
ブラジル 7
UAE 2
タイ 1
水力 ブラジル 750
ラオス 42
スペイン 24
風力 メキシコ 162
モロッコ 35
アルゼンチン 33
日本 27
オーストラリア 21
太陽熱 スペイン 15
バイオマス 日本 6
地熱 日本 3
ガス 7,341 67% 70%未満
石炭 2,002 18%
石油 42 0.4%
合計 8,862 100% 100%

*:建設中を含む

代替燃料

水素関連

  • エネルギーソリューション本部

水素は、利用時に温室効果ガスや環境有害物質を排出せず、環境負荷のないクリーン燃料として世界中で注目されています。当社においては、エネルギーソリューション本部を核とし、各事業セグメントが持つネットワーク・知見を活用し、社内横断的な協業により総合力を発揮した水素事業に取り組んでいます。当社は、水素事業をNet-zero emissionsを達成する為に有効なアプローチの一つと捉え、ステークホルダーと共に必要な社会基盤作りを進め、収益力のある事業創出に向け尽力していきます。

水素関連

米国カリフォルニア州における水素ステーション事業

  • エネルギーソリューション本部
  • パフォーマンスマテリアルズ本部

当社は、環境先進地域として知られ、2020年時点では、水素で走る燃料電池自動車(FCEV)が日本の約2倍の9,000台以上走る米国カリフォルニア州に早くから着目し、同州における最大手の水素ステーション開発・運営事業者であるファースト・エレメント・フューエル(FEF:FirstElement Fuel)と協業を進めています。FEFは現在23か所の水素ステーションを展開していますが、今後も開発を進め、FCEVのさらなる普及を推進していきます。また、同州では乗用車に続き、2024年からバス・トラック等商用車でもゼロ・エミッション車(ZEV)の導入が義務づけられており、十分な航続距離と貨物積載量を確保することが重要な商用車向けにも、水素ステーションを含む給水素システムを構築していく計画です。
また、FCEV関連事業では2016年に出資した世界最大の軽量圧力タンクメーカーであるノルウェーのHexagon Composites ASA と圧力タンクを活用した水素輸送用トレーラーを開発しています。このトレーラーを利用して、より低コストで各地の水素ステーションに水素を届ける仕組みづくりをFEFとともに開始しています。

水素サプライチェーン事業

  • エネルギーソリューション本部

当社は、次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)に参画し、水素をメチルシクロヘキサン(MCH)を用いてブルネイから日本(川崎市)まで輸送、ガス発電設備での混焼に利用する世界初の大規模水素輸送実証を2020年に実施しました。このMCHを用いた水素輸送方法は有機ケミカルハイドライド法と呼ばれ、水素を常温常圧で液体の物質に変換し、扱い易く、また安全に貯蔵輸送することが可能です。また、MCHでの貯蔵には既存の石油インフラ活用が可能であるという利点もあります。 本実証事業により、新しいエネルギー供給の形である水素サプライチェーンの構築に目途が立ちました。

モビリティ用電池システム

  • エネルギーソリューション本部

環境意識の高まり、大気汚染対策の必要性を背景に、欧州・中国を中心にモビリティの電動化が本格化し、乗用車のみならず、路線バス・スクーター・船舶・産業機械に至るまで、今後幅広い分野において電動化が進むことが予想されています。当社関連会社のForsee Power SASでは、モビリティの電動化に不可欠な電池システムの製造・販売に加え、将来の電池リユース・リサイクルを見据えた電池リースサービス(Battery as a Service)を提供するほか、電動モビリティに使用した電池を定置型蓄電池にリユースするエコシステム構築に取り組んでいます。

モビリティ用電池システム 出典:FORSEE POWER

次世代エタノール

  • エネルギーソリューション本部

当社が出資・参画するLanzaTech は、CO2やCOを含む産業排ガスを、エタノール等の燃料・化学品に転換する、世界で唯一のガス発酵技術を有し、既に中国では同技術を使用した商業プラントも稼働しています。製鉄所や製油所からの排ガスを大規模に有効活用できることから、食と競合しない製品をつくり出せる点が大きな特長です。さらに、同じく当社が出資・参画するLanzaJetでは、環境付加価値の高い航空燃料・石油代替ジェット燃料(Sustainable Aviation Fuel)製造の事業化にも取り組んでおり、輸送燃料の一層の低炭素化に貢献しています。

次世代エタノール

燃料アンモニア

  • ベーシックマテリアルズ本部


ホスト国とのパートナーシップや長年培ってきた既存の顧客基盤・マーケティングノウハウ、クリーン燃料アンモニア協会への参画等、多数の産業へのリーチがある総合商社の強みを活かしたValue chainの構築に取り組んでいきます。

電源開発・エネルギーマネジメント

スマートグリッド・分散型電源

  • プロジェクト本部

経済成長を続けるアジア・アフリカを中心に世界のエネルギー需要が増加する中、特に電力業界ではDecarbonization(脱炭素化)、Decentralization(分散化)、Digitalization(デジタル化)がメガトレンドとなっており、環境負荷の低い再生可能エネルギー(再エネ)へのシフトが急激に進んでいます。当社は、これら「3つのD」への対応として、集中電源としての太陽光発電や、風力発電に加え、より最終消費者に近いところでサービスを提供する分散型電源についても世界に広がる形で展開を進めています。
世界には電力へアクセスできない人々がアジアやアフリカを中心に約10億人存在し、非電化が解消されたインドにおいても依然として長時間の停電の頻発が大きな社会課題になっています。一方で、これらの地域においても携帯電話の普及率は非常に高まっており、データ通信用に安定的な電力供給が重要になっています。そこで「地産地消型」分散型電源事業を通じて、携帯基地局を基盤顧客とし、さらに周辺の事業者や住民にも、主に太陽光発電や蓄電池を組み合わせた電力を安定供給するべく、当社は2017年にOMC Power Private Limited(以下、OMC)に出資・参画しました。現在OMCが保有する発電拠点は196か所あり、同拠点から209の携帯電話基地局、約5,000の地域施設と銀行や学校等の事業所、約 15,000世帯・10万の地域住民を支えています。当社はOMCと共に、少しでも多くの人々に環境にやさしい電力を届け、地域の生活・経済の向上へ貢献する取り組みをすすめていきます。
また、サハラ以南のアフリカでは、住宅や小規模商店の屋根上にソーラーパネルを設置し、太陽光発電により照明、携帯充電器、家電(ラジオ、TV)等を稼働させるSolar Home System(以下、SHS)事業を展開する、M-KOPA Holdings Ltd(. 以下、M-KOPA)への出資・参画を通じ、同地域へ電力供給を行っています。同地域では、送配電網整備の遅れによっていまだに6億人以上が照明や炊事に灯油を使用していましたが、SHSによって化石燃料である灯油の使用量を削減、環境負荷の低減にも貢献しています。アフリカでは今後も急速な経済成長を背景とした生活レベルの向上や生活様式の変化により電力需要の大幅な需要が見込まれることから、M-KOPAの提供するサービスの強化・拡大を加速することで、アフリカの人々の便利で快適な暮らしを支援していきます。

*:Our World in Data 「Access to Energy」より

蓄電ICTシステムを用いたエネルギーマネジメントサービス

  • エネルギーソリューション本部

再生可能エネルギー導入量がグローバルに増加している一方で、送配電系統への負荷増加、電力料金負担の不均衡、煩雑な需給調整などが課題となっています。当社はこうした問題に対応するため、蓄電ICTシステムを用いたエネルギーマネジメントサービスを提供するStem社、Sunverge社へ出資・参画しています。また、Stem社の蓄電システムと、北米で産業・商業需要家や公共機関向け分散太陽光事業に取り組む当社100%子会社のForefront Power社の分散太陽光をパッケージにしたソリューションを提供する等、多様化するニーズに応えるべく、新たなビジネスモデル開発にも取り組んでいます。さらに、再生可能エネルギーの急速な普及による電力市場のボラティリティの増加も課題となっており、当社では価格ヘッジや需給調整機能といったソリューションを提供するなど、構造変化による新たなニーズにも応えています。欧州ではアイルランドのErova Energy社への出資などを通じて、電力物流分野での事業拡大や機能向上にも貢献しています。

天然ガス発電

  • エネルギー第二本部
  • プロジェクト本部

当社が29%出資する福島ガス発電株式会社の福島ガス発電所は福島県相馬郡に2基の天然ガス火力発電設備を保有しており、その発電容量は118万KWです。発電設備はガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた、発電効率の高いガスタービン・コンバインドサイクル方式を採用しており、従来の火力発電方式と比較してCO2の排出量を削減することが可能です。
本事業は、福島県がイノベーション・コースト構想で目指している「環境負荷の低いエネルギーの導入」や「新たなまちづくり」などに沿うものです。当社は本事業の推進を通じ、震災からの復興を目指す福島県浜通り地域の経済の活性化に寄与すると共に、今後も社会の発展に不可欠な資源の持続可能な安定供給と、環境と調和した社会づくりに取り組んでいきます。

EV(Electric Vehicles)

  • モビリティ第一本部
  • エネルソリューション本部

当社が新たな成長分野と定めるモビリティ(移動手段)分野のなかでも、「電動(EV)化」は、成長が見込める分野です。当社は、EV導入が加速している欧州でインフラを含め総合的にEV化を支援するビジネスモデルを構築し、他地域でも展開していきます。
当社は、これまで出資したEVメーカー(Lucid Group, Inc.、CaetanoBus-Fabricação De Carroçarias S.A、Letenda Inc.)、電池パックメーカー(Forsee Power SAS.)、EV用電池を利用したエネルギーマネジメント会社(The Mobility House社)などを有機的に結びつけ、包括的なソリューションを提供する新たなビジネスモデルの構築を目指しています。たとえば、ある街で路線バスのEV化が検討された場合、当社は街のEV化を加速させる役割を担いたいと考えています。具体的には、EVバスの供給、電池リース機能提供、エネルギーマネジメントを含めた包括的なサービスを提案することです。さらに、将来的には使用済み電池の再利用・再リースに関わるビジネスも視野に入れています。当社はこれらの取り組みを、まずは欧米において開始し、そこからアジアへと広げていきます。

欧州他におけるZEV(Zero Emission Vehicle)バス事業

  • モビリティ第一本部

2017年12月、当社はポルトガルのCaetanoBus(以下、カエタノバス)に出資参画しました。同社は2010年よりEVバスの開発に取り組んでおり、2016年には空港内乗客輸送のランプバスを販売開始、2017年にはEV路線バスの商業生産・販売を欧州でスタートさせています。当社のグローバルネットワークを活用して同社製バスの拡販を支援しています。カエタノバスの世界展開の一例として、2020年春にはロンドン2路線に合計34両のシングルデッカー電動バスを納入。また、FC(燃料電池)路線バスは2020年末に開発完了し、ドイツやサウジアラビアを皮切りにトヨタ製燃料電池を搭載したFCバスの販売を開始しています。引続きカエタノバスと共に、脱炭素社会に向けたオペレーションに合った最適なソリューションの提供を検討していきます。

欧州他におけるZEV(Zero Emission Vehicle)バス事業

360° BUSINESS INNOVATION: 電動バスの先に、暮らしや街づくりまで見据える。

産業オペレーション・オートメーション

  • コーポレートディベロップメント本部

プラスオートメーション株式会社(以下、+A)は、国内有数の物流子会社を有し海外を含めたロボット調達に幅広いネットワークを有する当社と、先進的物流施設のリーディングプロバイダーである日本GLP株式会社の出資を受け2019年6月に設立、2020年9月には物流ソリューションプロバイダーの株式会社豊田自動織機への第三者割当増資も実施し、2021年6月現在では累計ロボット導入台数が1,000台を超える等サービス展開を加速しています。2020年11月には顧客課題解決、+A人材とサービスの開発、物流業界全体の高度化への貢献という3点を目的に開設した東京都品川区のデモ兼R&Dスペース「cube」で日々多様なロボット導入と連携を実施しサービスの向上に努めています。
eコマース需要増大、販売のオムニチャネル化、人手不足、職場環境の変化等により、物流現場では自動化のニーズがますます高まっています。+Aでは「テクノロジーで次代のロジスティクスを共に創る。」のビジョンの下、高い機動力と柔軟性を維持しながらも初期投資不要のサブスクリプション型の一貫サービス「RaaS(Robotics as a Service)」を通じ、ロボットを始めとする自動化機器を物流業界全体で融通しながら活用する物流ロボティクスシェアリングネットワークを構築することで、 業界全体を繋げ物流高度化を目指します。

産業オペレーション・オートメーション

サーキュラーエコノミー/リユース・リサイクル

サーキュラーエコノミー:取り組み

エア・クオリティ

CCS事業への参画

  • エネルギー第一本部

当社は、CO2の回収・貯留(Carbon Capture and Storage、以下、CCS)の事業会社である在英国のStoregga Geotechnologies Limited(以下、SG社)に出資参画しています。SG社は同社100%子会社のPale Blue Dot Energy Limitedを通じて、英国政府が掲げるCO2排出量削減と2050年までのCO2 Net-zero emissions達成に向けて、英国ならびに周辺諸国から排出されるCO2の回収・輸送・貯留を行うAcorn CCSプロジェクトを開発中です。Acorn CCSプロジェクトは有望なCO2貯留層として、生産が減退した油田やガス田を活用し、既存インフラを転用することでコスト競争力を実現します。また、SG社は大気中から直接CO2を回収するDirect Air Capture技術の事業化などにも取り組んでいます。
当社は石油・ガス上流事業の知見と広範なビジネスネットワークを活用し、SG社への経営参画および業務提携を通じて同社の事業基盤の強化を支援します。また、当社はCO2の回収・利用・貯留(Carbon Capture, Utilization and Storage(以下、CCUS))事業に関する制度設計が先行しつつある英国や欧州で得た知見および当社の総合力を活用して、アジアを含めたグローバルなCCUS事業を展開し、世界にCO2削減ソリューションを提供することを目指します。

CCU-米国でのCO2を有効活用したメタノールの製造

  • ベーシックマテリアルズ本部

当社関係会社のFairway Methanol LLCでは、周辺プラントで副生される二酸化炭素(CO2)を原料として購入(最大で年間約18万トン)、有効利用してメタノールを製造(年間約13万トン)する設備の増設を2021年3月に決定しました。今回の設備の増強は、既存の工場能力を最大限に有効活用したもので、増設分の原料には周辺工場で副生されている二酸化炭素を使用します。二酸化炭素を分離・有効利用するCCU(Carbon Capture and Utilization)の取り組みの一つで、二酸化炭素を資源と捉え素材や燃料に再利用することで、大気中への排出を抑制するカーボンリサイクルを実現するものです。
メタノールは住宅建材、自動車・エレクトロニクス用高機能樹脂、医薬品用途など、さまざまな産業の基礎原料として今後も安定的な需要の伸長が見込まれています。また、昨今では、二酸化炭素を原料とした基幹化学物質としても注目が高まっています。当社は、メタノールのトレーディング事業にも長く従事しており、製造面でも今回増設を行う北米での事業に加え、サウジアラビアでも製造事業へ参画しています。
当社はメタノールの安定供給を通じて幅広い産業の発展、持続可能な社会の実現、また、中期経営計画で目標に掲げた2050年のNet-zero emissionsの達成に向けて、既存事業と、そこで培ったノウハウを活かして脱炭素社会実現に向けた取り組みを進めていきます。

上下水インフラ事業

  • プロジェクト本部

(2021年3月末現在)

種類 処理能力(総容量)
上水供給事業 タイ 1,028千m3/日
上水供給事業 メキシコ 130千m3/日
下水処理事業 メキシコ(4件) 4,620千m3/日
発電・造水事業 カタール 290千m3/日
銅鉱山向け海水淡水化・揚水事業 チリ 90千m3/日

素材

金属リサイクル事業

  • 金属資源本部

循環型社会に対応すべくリサイクル事業を一早く推進しています。子会社の三井物産メタルズでは、アルミ・銅・チタン等の各種非鉄スクラップや電化製品に含まれる廃基板等のリサイクルビジネスを推進し、また、当社出資先であり世界有数の総合リサイクラーのSimsでは、金属リサイクルのみならずニューヨーク市の市中ごみの処理や、ごみ埋立地から発生するメタンガスを活用した発電事業等に取り組んでいます。当社関連会社の共英リサイクルでは、自動車粉砕ダスト等をガス化溶融炉に投入し、発生ガスを隣接する共英製鋼山口事業所に燃料として供給すると共に、同時生成される溶熱スラグを製錬メーカー等に販売しています。

FSC®、PEFC、SGEC等認証材の取り扱い

  • パフォーマンスマテリアルズ本部
  • エネルギー第一本部

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

取得認証 対象(国) 取得対象/取扱内容・規模 
FSC®認証
国際的な森林認証制度を運営する非営利国際会員制組織FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)が定めた国際基準による認証

FSC

FM認証*1および
CoC認証*2
社有林「三井物産の森」(日本) 三井物産(認証番号FSC®-C057355)/全国に保有する74か所(約44,000ヘクタール)の「三井物産の森」すべてで認証を取得
CoC認証 三井物産フォレスト(当社子会社、認証番号:FSC®-C031328)/約50,000m3/年(主に「三井物産の森」から生産される丸太ほかを販売)
森林資源事業(オーストラリア) 当社住生活マテリアル事業部森林資源マーケティング室(認証ライセンス番号FSC®-C104107)/ ウッドチップ66.1万t /年 (FSC Mix:38.5万t、FSC Controlled Wood、27.6万t)
Mitsui Bussan Woodchip Oceania Pty. Ltd.(当社子会社、認証ライセンス番号FSC®-C107463)/ ウッドチップ60.6万t/年(FSC Mix:40万t、FSC Controlled Wood:20.6万t)
パルプ・紙・板紙・紙加工製品の調達・販売(全世界) 三井物産パッケージング(当社子会社、認証ライセンス番号FSC®-C009939)/パルプ、紙、板紙、段ボール等紙製包装資材、家庭紙、紙製文具で認証を取得
バイオマス燃料取引 当社エネルギー第一本部燃料部バイオマス燃料室(ライセンス番号:FSC®-C140620)/輸入木質ペレット(認証材)の取り扱いに際して取得
PEFC/CoC認証
国際的NGOのPEFC評議会が各国の森林認証制度を相互承認する認証プログラム(Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes)
森林資源事業(オーストラリア) 当社住生活マテリアル事業部森林資源マーケティング室/ ウッドチップ26万t/年
バイオマス燃料取引 当社エネルギー第一本部燃料部バイオマス燃料営業室(認証番号:SGSJP-PCOC-2026)/輸入木質ペレット(認証材)の取り扱いに際して取得
SGEC認証
世界的に推進されている持続可能な森林管理の考え方(モントリオール・プロセス)を基本に、一般社団法人「緑の循環認証会議」(Sustainable Green Ecosystem Council)が日本の現状に合わせてつくった認証。2016年PEFCと相互承認

SGEC

FM認証 社有林「三井物産の森」(日本) 三井物産(認証番号SGSJP-031)/全国に保有する74か所(約44,000ヘクタール)の社有林「三井物産の森」すべてで認証を取得
CoC認証 三井物産フォレスト(認証番号SGSJP-W088)/約40,000m3/年(主に「三井物産の森」から生産される丸太ほかを販売)

*1:森林管理(Forest Management)に関する認証。
*2:加工・流通過程(Chain of Custody)に関する認証。

グリーンビルディング

  • コーポレートディベロップメント本部

当社は、低環境負荷物件への投資と、保有物件の運用における環境・省エネルギー対策等を通じたエネルギー利用の効率化に取り組み、低環境負荷ポートフォリオの構築を目指しています。

日本ロジスティクスファンド投資法人

当社子会社の三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社が運用する上場REIT・日本ロジスティクスファンド投資法人(以下、日本ロジ)では、DBJ Green Building認証※1を15物件で取得しているほか、BELS評価※2、CASBEE評価※3を取得しています。
また、さらなる推進をはかるべく、資金調達拡充の一つとして、2021年4月にグリーンボンドを発行しました。なお、本グリーンボンド発行の仕組みに対する第三者評価として、株式会社日本格付研究所(以下、JCR)より、「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green1(F)」の評価を取得しています。

  • ※1:環境・社会への配慮がなされた不動産(“Green Building”)を支援するために、2011 年4 月に株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJといいます。)が創設した認証制度です。
  • ※2:建築物の省エネルギー性能を表示する第三者認証制度です。
  • ※3:建物の環境性能を評価し格付けするもので、省エネや省資源・リサイクル性能といった環境負荷削減の側面に加え、室内の快適性や景観への配慮も含めた建築物の環境性能を総合的に評価するシステムです。
外部認証の取得

不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価及びそれを運営するGRESBに参画しています。日本ロジは2020年GRESBリアルエステイト評価において、サステナビリティに係る「マネジメントと方針」及び「実行と計測」の両面での取り組みが評価され、「Green Star」の評価を取得しました。保有物件のグリーン認証取得割合(賃貸可能面積ベース)について、以下を目指します。

  • 2025年度までに50%まで向上
  • 2030年度までに70%まで向上

*:不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価およびそれを運営する組織の名称。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

グリーンビル認証取得割合(2021年7月31日時点)

認証種別 物件数 賃貸可能面積
(㎡)
ポートフォリオ
面積割合
DBJ Green Building 15 572,847 44.0%
BELS 3 153,067 11.8%
DBJグリーンビルディング認証取得物件一覧
評価 取得年 物件名
4つ星 2018年 M-6 船橋西浦物流センター
M-12 横浜福浦物流センター
M-13 八千代物流センターⅡ
M-19 草加物流センター
M-26 相模原物流センター
M-31 新木場物流センターⅡ
M-32 横浜町田物流センター
2019年 M-11 八千代物流センター
M-24 新子安物流センター
3つ星 2018年 M-5 浦安千鳥物流センター
M-22 武蔵村山物流センター
2019年 M-28 千葉北物流センターⅡ
M-25 三郷物流センター
M-39 埼玉騎西物流センター
M-40 加須物流センター

BELS認証取得物件一覧

評価 取得年 物件名
5つ星 2020年 M-11 八千代物流センター
2021年 M-19 草加物流センター
M-22 武蔵村山物流センター

CASBEE

再開発後の八千代物流センター及び市川物流センターII、横浜町田物流センターにおいて、CASBEE-建築(新築)Aランクを取得しました。

日本ロジスティクスファンド投資法人:外部認証

投資法人みらい

当社関連会社の三井物産・イデラパートナーズ株式会社が運用する上場REIT・投資法人みらいにおいて、DBJ Green Building 認証を6物件で取得しています。

ポートフォリオにおける環境認証の取得率は以下のとおりです。(2021年4月30日時点)

取得価格ベース 延床面積ベース
55.0% 62.0%
評価 取得年 物件名
4つ星 2019年 新宿イーストサイドスクエア
3つ星 2018年 品川シーサイドパークタワー
2019年 六甲アイランドDC
2020年 東京フロントテラス
1つ星 2020年 MIテラス名古屋伏見
川崎テックセンター

投資法人みらい:外部認証