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本講座は、ポーランドのワルシャワ大学東洋学部日本学科の学生を中心に、日本の社会・文化への理解を深め、日波友好のさらなる発展と交流拡大に貢献する人材を育成することを目的として2011年に開始されました。第12回目となる今回は井上康生・東海大学体育学部武道学科准教授、全日本柔道男子監督が「私の柔道哲学」のテーマで講演しました。
ロンドン五輪での惨敗直後に34歳の若さで監督に就任した後、失敗や挫折をチャンスと捉えエネルギーに変える思考で柔道界の再建に臨んだ結果、リオ五輪での全7階級メダル獲得に至った経験を「覚悟」という言葉で表現し、腹をくくって全力で取り組む姿勢の大切さを、柔道の精神と自らの体験に基づき語りました。また、グローバル化した世界基準の「JUDO」で勝ち抜くためには、日本の持つ技術的な優位性、緻密な情報分析とともに、多様多角的な視点による柔軟性と、日本人としての誇りを持つことも重要と説きました。200人を超える聴衆で満席となった会場では、講演後も学生たちから流ちょうな日本語で熱心な質問が続き、井上准教授もユーモアを交えて答えました。
また、井上氏来波の機会をとらえ、在ポーランド日本国大使館・ポーランド柔道連盟共催による柔道教室での指導や、在ワルシャワ日本人学校での児童生徒への講話も行われました。柔道教室では、子どもから大人まで幅広い世代の柔道経験者が一堂に会し、シドニーオリンピック金メダリストである井上氏から直接指導を受ける大変貴重な体験となりました。
三井物産は、ポーランドの若い世代が冠講座を通して第一線で活躍するさまざまな分野の講師による講義に触れ、日本に対する理解をさらに深め、将来にわたって両国の友好発展に貢献する人材となるよう、中長期的な取り組みとして、本プログラムを継続していきます。



