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活動報告2018

地球環境の保全

環境関連法規・各種協定の遵守、環境汚染の発生の防止、温室効果ガス発生の抑制、気候変動への適応、生物多様性の維持など地球環境への影響を認識し、その緩和に向けて取り組むとともに、当社総合力の活用ならびにパートナーの協力をもって、各種環境課題の合理的で永続的な産業的解決を推進していきます。また、「三井物産環境基金」を活用し各種環境課題の解決、資源の効率的活用、生態系の保護と人間の共生などに資する大学の研究やNPO・NGOの活動への助成を継続していきます。

SDGsに貢献する当社活動実績

SDGsの17目標169ターゲットに注力して取り組んでいくために、三井物産のマテリアリティごとに設定している取り組みテーマとSDGsを関連付けた上で、2017年度の具体的な活動をそれぞれ紹介しています。

事業分野

  •  
    金属
  •  
    機械・インフラ
  •  
    化学品
  •  
    エネルギー
  •  
    生活産業
  •  
    次世代・機能推進
  •  
    コーポレート・その他

[取り組みテーマ] 環境マネジメント

三井物産の取り組み

森林認証のFSC®や水産認証のASCなどを積極的に取得し、持続可能な調達を推進しています。また、環境に配慮した事業活動の推進や、役職員の環境意識向上のための定期的なセミナー、環境法令研修などを行っています。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

関連するSDGs(カッコ内はターゲット番号) 事業分野 2017年度活動実績
  • つくる責任つかう責任
    持続可能な消費と生産のパターンを確保する(12.2、12.8)
  • 気候変動に具体的な対策を
    気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る(13.3)
  • 海の豊かさを守ろう
    海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用 する(14.7)
 
生活産業
  • Salmones Multiexport S.A.(チリ)への出資・参画を通じ、2か所のサーモン養殖サイトでASC認証を取得( 12.2、14.7)
 
コーポレート・その他
  • 全国に保有する74か所(約44,000ヘクタール)の全山林でFSC®およびSGEC森林認証を取得し、責任ある森林管理を継続推進(12.2)
  • 本店での働き方改革における時差出勤制度導入に伴う空調運転の最適化が評価され、ISO14001外部審査Good Point評価を獲得(12.8)
  • ISO14001:2015年版を踏まえ、事業活動と環境活動の効率的かつ効果的な一体運営を継続推進 (13.3)
  • 案件審議においてカーボンプライシング影響試算などの気候変動リスク手法を導入(13.3)
  • 当社・関係会社役職員を対象に、環境法令研修(2回、約130名参加)、産業廃棄物に関する環境セミナー(2回、約100名参加)、「三井物産環境月間」講演会(約540名参加)を実施(13.3)

[取り組みテーマ] 環境価値創造に向けた事業の推進

三井物産の取り組み

環境問題への産業的解決による貢献を「環境方針」の行動指針に組み込み、環境関連ビジネスを展開しています。再生可能エネルギー分野では、事業の推進および対応強化を行っており、当社持分発電容量に占める水力を含む再生可能エネルギー比率を2030年までに30%に引き上げる目標を設定しています。また、スマートシティやモーダルシフト、EVなどの新エネルギー車の普及に向けたさまざまな取り組みを推進しています。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

関連するSDGs(カッコ内はターゲット番号) 事業分野 2017年度活動実績
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに
    すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する(7.2、7.3、7.a)
  • 住み続けられるまちづくりを
    都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする(11.6)
  • つくる責任つかう責任
    持続可能な消費と生産のパターンを確保する(12.2、12.4、12.5)
 
金属
  • Gestamp Automoción, S.A(. スペイン)への出資・参画を通じ、全世界で高い環境性能を持つ自動車部品を供給(7.3)
  • チリ銅公社、チリ経済開発公社などと共に設立したファンドを通じ、銅の新規用途開拓および鉱山操業効率化に資する出資を推進。銅製養殖漁網を使用した養殖効率化技術、鉱山での廃タイヤリサイクル技術などに投資(12.2、12.4、12.5)
 
機械・インフラ
  • 再生可能エネルギー発電事業を展開(世界8か国・当社持分約1.5GW)(7.2)
  • 分散型太陽光発電開発を拡大するとともに、蓄電池を用いた次世代エネルギーマネジメントサービス事業を推進(米国内外)(7.2)
  • 省エネ・スマートシティ事業を推進(マレーシア)(7.3、11.6)
  • 燃費効率に優れたエコシップを販売/保有・運航(7.3)
  • EV用電池パック製造事業(フランス)、EVバス製造事業(ポルトガル)への出資・参画により、CO2排出削減に寄与(7.3、12.4)
  • 省燃費航空機・エンジンの開発を支援(7.a)
  • 鉄道車両リースを通じ、モーダルシフトを促進(11.6、12.4)
  • SoxおよびNoxの排出量を大幅に抑制できるメタノール焚き・メタノール運搬船を造船会社に発注(12.4)
  • 個人が出品できる中古車オークションシステムの導入を通じ、複雑化する中古車流通の透明性を高め、中古車の再利用を促進(12.5)
 
化学品
  • 天然油脂を原料とする油脂化学品領域において、グリーンケミカル事業を推進(12.4)
 
エネルギー
  • FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)と「三井物産の森」間伐材を活用した木質バイオマス発電事業所へ出資・参画(日本)(7.2)
  • 三井石油開発を通じ、地熱発電事業に向けた地質調査・掘削・開発を推進(日本)(7.2、7.a)
  • 微生物発酵技術により排ガスから次世代燃料・化学品を製造し新たなビジネスを創造、温室効果ガス削減に向けた事業を展開(米国)(7.a)
  • 次世代クリーンエネルギー有力候補として、水素製造・輸送バリューチェーンの構築に着手(12.2、12.4)
  • フレアガス削減プロジェクトへの出資・参画を通じ、LNG生産時のフレアガス削減に向けた生産設備改修を開始(カタール)(12.4)
 
生活産業
  • 三井物産フォーサイトは、太陽光発電所、バイオマス発電所の運転保守サービスを提供(7.2)
  • シン・エナジーは、再生可能エネルギーを中心とした電源開発と施工、および電力小売を実施、省エネソリューションも提供(7.2、7.3)
 
次世代・機能推進
  • 太陽光発電監視サービス(196か所)、クラウド型省エネマネジメントサービス(564か所)などで、エネルギーを安定供給(日本)(7.2、7.3)
  • 三井物産オルタナティブインベストメンツを通じ、太陽光ファンドを組成・販売(7.2)
  • Emerging Markets Infrastructure Fund によって再生可能エネルギー案件へ投資(7.2)
  • JA三井リースを通じ、全国の再生可能エネルギー発電事業を投資対象とした投資事業有限責任組合を組成(7.2)
  • ビル・工場など設備データ可視化でエネルギー効率を向上(米国)、IoTを活用した業務用空調の遠隔管理・予防保全を行い、従来の空調運用に比し概ね20%超の電力消費削減を実現(日本)( 7.3)
  • 農地の施肥量最適化でN2Oの発生を抑制、地球温暖化対策に貢献(カナダ、米国、ブラジルなど)(12.4)
  • スマートフォン向けフリーマーケットアプリ事業を通じ、シェアリングエコノミーを推進(日本、米国、英国)(12.5)
  • 小売店舗へのDigital Transformation導入によって、食品廃棄ロスの削減を目指すトライアルを実施(日本)(12.5)
  • 家庭での食料廃棄ロス削減を目的に、ミールキットの普及に向けたトライアルを実施(日本)(12.5)

[取り組みテーマ] 地球温暖化防止などの環境負荷軽減

三井物産の取り組み

当社および国内子会社において「エネルギー使用量を年平均1%以上低減」を目標に掲げ、使用エネルギーの効率化を図るなど、GHG排出量の削減を推進しています。また、「リサイクル率を2020年までに85%以上」を目標に掲げ、廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルを推進しています。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

関連するSDGs(カッコ内はターゲット番号) 事業分野 2017年度活動実績
  • 安全な水とトイレを世界中に
    すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する(6.4)
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに
    すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する(7.2、7.3)
  • つくる責任つかう責任
    持続可能な消費と生産のパターンを確保する(12.4、12.5)
 
生活産業
  • プライフーズは、細谷工場敷地内に太陽光発電を装備し、使用電力の一部に活用を開始(7.2)
  • 日本マイクロバイオファーマは、抗がん剤原薬の一貫製造・環境負荷低減を実現する新設備への投資を検討(7.3)
  • 三井物産アイ・ファッションは、排出される「廃プラスティック」の最終処分方法をセメントなどへ配合する残渣処理から化石燃料の代替として使用されるRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)処理に変え、CO2削減と地球温暖化防止へ対応(7.3、12.4)
  • プライフーズは、鶏糞を肥料および炭化による融雪剤として製品化。三井農林では、茶葉残渣を堆肥原料に利用し、廃棄物を有効利用(12.5)
  • 食品製造副産物などを原料に製造したリサイクル飼料を販売し、飼料自給率向上にもつながる未使用資源の有効利用を推進(12.5)
  • 物産ビル(東京都港区西新橋、当社100%子会社保有の賃貸オフィスビル)では、外壁断熱・ペアガラスの採用のほか、BEMSを導入、空調・照明用他電力の制御システムを使用し、エネルギー使用量の見える化を図ることで、省エネ性能を向上(7.3)
 
コーポレート・その他
  • 主要国内外の子会社で、継続的に水使用量の調査を実施(6.4)
  • 「エネルギー使用量を原単位で年平均1%以上低減」を目標に掲げ、使用エネルギーの効率化を図るなど、GHG排出量の削減を推進。建設中の本店を含む新ビルは、コージェネレーションシステムからの排熱を地域冷暖房施設で有効活用する等、エネルギー高効率化を計画(7.3)
  • グローバル・グループベースで、関係会社のGHG排出量に応じて管理レベルに濃淡を付け、排出量低減を推進。GHGの多量排出先は濃管理対象会社とし、排出量の経年変化を把握(海外関係会社)(7.3)
  • オフィス活動において、「リサイクル率を2020年までに85%以上」を目標に掲げ、廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルの徹底など、環境負 荷低減につながる活動を実施(12.5)

[取り組みテーマ] 生物多様性の保全

三井物産の取り組み

FSC®認証などを取得し、生物多様性に配慮した製紙資源事業、生物多様性を育む農法による食糧事業等を推進しています。また、当社が日本全国74か所(約44,000ヘクタール)に保有する「三井物産の森」では、全山林でFSC®とSGECを取得。管理区分内の10%を生物多様性保護林に指定し、維持・管理を行っています。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

関連するSDGs(カッコ内はターゲット番号) 事業分野 2017年度活動実績
  • 陸の豊かさを守ろう
    陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る(15.2、15.4)
 
エネルギー
  • 二国間クレジット制度を活用した森林保全活動を開始(カンボジア)(15.2)
 
生活産業
  • FSC®/CoC 認証( 当社生活事業開発部森林資源マーケティング室:FSC®C104107、Mitsui Bussan Woodchip Oceania Pty. Ltd.:FSC®C107463)、およびPEFC/CoC認証の保有によって、責任ある森林資源の管理・取り扱いを推進(15.2)
  • FSC®/CoC認証の保有(三井物産パッケージング:FSC®C009939)によって、認証紙のサプライチェーンをつなぎ、責任ある森林資源管理を推進(15.2)
  • 東邦物産は、生物多様性を育む農法による米の生産・販売を支援(日本)(15.4)
 
コーポレート・その他
  • すべての社有林「三井物産の森」でFSC®、SGECに基づき適切に管理・整備。また、「三井物産の森」では、年間約56万トンのCO2を蓄積・吸収(当社資産根拠:"IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories" Tier 1)(15.2)

[取り組みテーマ] 社会貢献を通じた環境課題の解決

三井物産の取り組み

環境問題の解決に向けた寄付や、大学の研究、NPO・NGOの活動を支援・促進する「三井物産環境基金」を運営しています。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

関連するSDGs(カッコ内はターゲット番号) 事業分野 2017年度活動実績
  • パートナーシップで目標を達成しよう
    持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する(17.16、17.17)
 
金属
  • Mitsui Iron Ore Developmentは、動植物や土に関する環境復元を中心にボランティア団体への寄付を実施(オーストラリア)(17.16)
 
コーポレート・その他
  • 三井物産環境基金を通じて、環境課題の解決に寄与する大学の研究やNPO・NGOの活動を助成(16件、助成額1億1,700万円)、助成先の 活動に社員が参加(10件・約180名)(17.16、17.17)
  • 「三井物産の森」を活用し、出前授業(小学生を対象、5回、約330名参加)や森林体験プログラム(小学生親子・社員家族などを対象、7回、約250名参加)を実施(17.17)
  • 新国立競技場の大屋根や軒庇に使用されるスギ材(SGEC認証材)の一部を「三井物産の森」から供給(17.17)

環境方針

基本理念

  1. 三井物産は、大切な地球と、そこに住む人びとの夢溢れる未来作りに貢献するため、グローバル・グループで環境問題への積極的な対応を経営上の最重要課題の一つとして位置づける。
  2. 三井物産は、グローバル・グループで経済と環境の調和を目指す「持続可能な発展」の実現に向けて最大限努力する。

そのために三井物産は、グローバル・グループで、以下の行動指針に沿って、地球規模で取り組んでいる多岐にわたる活動において、地球温暖化問題への対応、生物多様性に配慮した自然環境の保全および汚染の予防を含む適切なリスク管理体制を構築し、 定期的に評価し、継続的な改善を行うとともに、環境に優しい技術の開発と普及に努め、環境に対する一層の責任を担う。

行動指針

1. 環境関連法規の遵守

事業活動の推進にあたっては、環境関連法規、及びその他当社が合意した協定等を遵守する。

2. 資源・エネルギーの効率的活用

事務所内を始め事業活動の中で、資源・エネルギーの効率的活用(※)、廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルの徹底と適正処理を行い、環境への負荷を低減する。

※資源・エネルギーの効率的活用には、使用効率向上・発生抑制を含みます。

3. 商品・サービスの提供、既存・新規事業についての環境への配慮

関係取引先の理解と協力を得て適切な影響力を行使し、汚染の予防のみならず、地球温暖化や生物多様性保全等環境への影響を評価し、技術的・経済的に可能な範囲で、最大限の環境への配慮を行う。

4. 環境問題の産業的解決による貢献

個人の能力と組織の総合力を活かし、また世界のパートナーと協力して、合理的で永続的な産業的解決を目指した事業活動を展開し、「持続可能な発展」の実現に貢献する。

附則

  • 電力使用量年平均1%以上低減
  • 水資源使用の効率改善による貢献 (事業活動の中での水資源の削減・利用効率の改善・再利用・リサイクルの徹底のみならず、水力発電事業等の事業活動を展開し、環境への負荷を低減する。)

閉山・廃鉱に関する方針

閉山・廃鉱に当たっては、計画にのっとり適切な対応を実施し、周辺地域の環境・社会への影響を最小限にとどめるとともに、地域社会の発展に取り組みます。
なお、閉山計画については、環境影響評価を実施するなど、事業検討・操業期間中から計画策定・実施を進めています。

閉山時の取り組み

当社が取り組んでいる鉱山事業では、地域社会の発展・環境負荷の軽減を図るため、規制当局や関連する専門家のレビューも受けながら、将来的な閉山計画を含む事業計画を策定しています。Robe River Iron Associatesが保有する鉱山では法令遵守のみならず、地域の社会的・環境的な負荷を最小限にすることを目指し、リハビリテーションを含む閉山計画を策定しました。

環境マネジメント推進体制

環境マネジメント推進体制

環境マネジメントを確実に推進していくため、当社は、グローバル・グループでの「環境マネジメント推進体制」を構築しています。環境マネジメントを統括する責任者として「環境担当役員(代表取締役副社長執行役員)」を設置するとともに、サステナビリティ経営推進部長が気候変動を含む気候関連リスクへの対応を含む環境マネジメントの運営を担っています。取締役会の監督の下、営業本部をはじめとする各部署長がそれぞれの組織全体をマネジメントする体制を構築しています。
その上で、全社目標を設定、「サステナビリティ委員会」を含めた定期的なレビューを行うことで、環境・社会リスク管理体制の継続的改善を図っています。

環境マネジメント推進体制

環境・社会面におけるリスク管理および機会への対応

当社は、金属、機械・インフラ、化学品、エネルギー、生活産業、次世代・機能推進の6事業分野において、グローバルにビジネスを展開しています。これらの事業に取り組むに当たっては、「新規事業フェーズ」「既存事業フェーズ」に分け、事業活動の各段階で環境・社会面におけるリスク管理を徹底し、環境・社会に対する最大限の配慮に努めるための全社的な仕組みを整えています。気候関連リスクを含む環境・社会リスクについては、その対応方針や施策について、サステナビリティ委員会で討議し、経営会議および取締役会に報告の上、実行されています。
また当社は、SDGsターゲットに基づき、気候変動や生物多様性の保全など当社事業と関わりの深いプログラムを「機会」と捉え、同プログラムへの社内助成制度を2016年度から開始しています。「環境・社会課題の解決」と「事業価値向上」を同時に実現することにより、持続可能な社会構築を目指します。

新規事業における環境マネジメント

特定事業管理制度と環境・社会諮問委員会

新規事業フェーズにおいては、新規に開始する案件につき社内審査を行い、必要に応じて「サステナビリティ委員会」や、「環境・社会諮問委員会」を開催して、案件の推進可否と良質化に関する答申を受け、最終的に代表取締役による稟議決裁をもって推進可否を決定します。「環境・社会諮問委員会」の委員には、気候変動、環境修復、水・エネルギーなどの環境施策、技術動向、環境由来の人権などに関する幅広い知見を有する社外有識者や弁護士らを中心に選定しています。

環境・社会・ガバナンス(ESG)デューデリジェンスチェックリストの活用

新規事業投資案件のうち、環境への影響が大きい案件については、専門家による調査を実施しています。本調査実施に当たっては、環境・社会リスク項目の事前の洗い出しと同時に、専門家による調査項目の絞り込みに役立てるべく、環境・社会配慮に関する国際基準を参考に、事業ごとの環境・社会リスクをまとめた「環境・社会・ガバナンス(ESG)デューデリジェンスチェックリスト」を社内で共有、ESGの視点も考慮し、汚染の予防のみならず、気候変動、生態系、先住民、水ストレスなどのリスク分析の活用を図っています。水ストレス地域におけるリスク評価に関しては、WRI(世界資源研究所)のAqueductを活用し、水リスクモニタリングを実施しており、新規事業のみならず既存事業も対象としています。具体的には、中東地域における水力発電事業推進に当たっては、水ストレスのリスク分析を実施、水ストレス軽減を図っています。

既存事業における環境マネジメント

既存フェーズにおいては、事業が関わる環境・社会リスクを適切に把握・管理するため、環境への影響が大きい子会社には、国際規格であるISO14001または環境・社会配慮に関する国際ガイドラインにのっとった環境マネジメントシステムの構築により、子会社自身による環境マネジメントを促進しています。その上で、環境事故などの報告に基づく再発防止をフォローし、レビューしながら改善に取り組む体制を整えています。

ステークホルダー対応

NPO・NGO 、学際組織、政府機関との対話を通じて事業のリスクと機会を把握し、必要な対応を検討しています。2017年度には、国際NGOと取り組むカンボジアREDD+案件、JICAが日本・チリの産官学民体制で進めるチリ赤潮対策への協力を決定しました。トランスディシプリナリー*な協業を通じて課題解決にチャレンジし、事業の持続可能性につながる取り組みを積極的に進めています。

*:産官学民などの領域を超えた、分野横断的な取り組み。

子会社管理

国内・海外子会社は、業種、環境・生態系への影響、ステークホルダーからの要請などを統合的に勘案し、ISO14001取得対象会社を抽出しており、国際規格であるISO14001の取得あるいは国際ガイドラインにのっとった環境マネジメントシステム導入を推奨し、確実な管理体制の構築支援を進めています。
2018年3月末現在、ISO14001取得対象会社36社のうち、30社がISO14001を取得(取得割合は83.3%)、6社が国際ガイドラインにのっとった環境マネジメントシステムを導入しています。

環境事故対応

2017年度は、当社および国内・海外子会社ともに環境事故は発生しませんでした。今後も、環境事故防止に向けて環境事故事例集の共有により社員の気付きを促す一方、環境事故が発生した場合は関係部署への迅速な報告とともに、「事故の真因特定」「適切な是正処置・予防処置」の検討を行い、再発防止に向けた対策を徹底していきます。

環境関連認証の取得事例

当社は、全世界の多様なサプライヤーと共に、持続可能な調達を推進しています。自然資本の重要性を認識し、FSC®森林認証や水産認証のASC、MSCなどの環境関連認証を国内外で積極的に取得し、地球温暖化や生物多様性にも配慮した調達の仕組みを広げています。

社有林「三井物産の森」(国内)


三井物産の森

パーム油輸入事業

当社ならびに当社が出資・参画しているWangsa Mujur Sdn. Bhd.(マレーシア)では、持続可能なパーム油の生産と利用を促進する非営利組織であるRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油のための円卓会議)の認証*3を取得しています。RSPOは環境への影響に配慮するだけでなく、持続的なパーム油生産に求められる法的、経済的、環境・社会的要件を8つの原則と43の基準に定めており、当社、Wangsa Mujur共に同団体の方針にのっとった運営をしています。
RSPO認証のパーム油取り扱い比率は、2017年度2.8%であり、2023年までに持続可能なパーム油の調達を100%にすることを目標としています。

RSPO認証取得のパーム油取り扱い量・比率

  2017年度
認証を受けたパーム油の取り扱い量 14,500t
生産/使用/加工されたパーム油の総取り扱い量 520,000t
比率 2.8%

*3:生産国の環境や近隣コミュニティーへの影響・負荷の軽減を図り、持続可能なパーム油製品の生産、購買、利用の推進を目的としています。

サーモン養殖事業

当社が出資・参画しているチリの大手サーモン養殖・加工・販売事業会社Salmones Multiexport S.A.(チリ)は、「環境保全」「社会的責任」「動物保護」「食の安全」「トレーサビリティ」の5つを柱とする、持続可能な養殖事業者を認定するBAP認証*4を取得しています。このほか、2017年に2か所の養殖サイトでASC認証*5を取得しており、現在、同認証の追加取得に向けて準備中です。2017年度において、全水産品の販売総量のうち、BAP認証を受けたものの割合は57%です。

BAP認証取得のサーモン取り扱い量・比率

  2017年度
BAP認証を受けたサーモンの取り扱い量 42,924t
生産/使用/加工された魚介類の総取り扱い量 75,597t
比率 57%

*4:責任ある養殖手法の確立と普及をミッションとする米国NGO団体「Global Aquaculture Alliance(GAA)」によって、企画・運営されている認証制度。認証は孵化場、飼料工場、養殖場、加工施設を含む養殖のバリューチェーンの各工程を対象に行われており、BAPエコラベルによって表記された認証は特に北米において多くの小売・業務用食品事業者に支持されています。
*5:水産養殖管理協議会が実施する認証制度。環境に大きな負担をかけず、地域社会にも配慮した養殖業を認証し、「責任ある養殖水産物」であることが一目で分かるよう、エコラベルを貼付して、マーケットや消費者に届けることを目的としています。

食品輸入販売事業

米国の当社子会社Mitsui Foods, Inc.(MFI)では、水産物の供給を将来にわたり維持可能なものとするためにMSC認証*6を取得したツナ缶詰を輸入・販売しています。また、MFI個社としても流通段階での徹底した管理を行うことでMSC認証を取得しています。

*6:国際的非営利団体(NPO)の海洋管理協議会(Marine Stewardship Council, MSC)が、持続的な水産資源の利用を目指して、適切な漁業(漁獲量/時期/方法など)で獲られ、適切な加工・流通の過程を経た水産物にのみ認める認証です。MSCラベル(海のエコラベル、MSCエコラベル)とも呼ばれ、水産資源や海洋環境に配慮した製品であることが分かります。

政府当局、NPO・NGOとの協働による生物多様性保全

カンボジアプレイロング森林での森林保全活動(REDD+*)

カンボジア北東部、メコン川西岸に位置するプレイロング地域は、絶滅危惧種を含む多くの野生生物が生息するインドシナ半島最大級の熱帯低地常緑樹林で、同国の貴重な水源です。しかし、違法伐採や地域住民による農地開拓により森林減少が進み、野生動物の生息域が脅かされると同時に、森林に蓄積されるべき温室効果ガスの排出が増えています。
当社は、国際NGOであるコンサベーション・インターナショナルとのパートナーシップにより、カンボジア環境省と協働してパリ協定で定めるREDD+の仕組みを活用し、プレイロング地域における違法伐採取り締まりのための森林パトロールを強化しています。また、地域住民との対話を通じ、森林伐採に依拠しない代替生計手段の提供などを行うことで、森林の保全および生物多様性への貢献を目指しています。


サステナビリティレポートでは、より詳細な情報をご提供しています。

サステナビリティレポート2018

P.20–38 「地球環境の保全」(PDF 1.29MB)

  • SDGsに貢献する当社活動実績
  • 環境マネジメント
  • 環境価値創造に向けた事業の推進
  • 地球温暖化防止などの環境負荷軽減(環境データ含む)
  • 生物多様性の保全
  • 社会貢献を通じた環境課題の解決