
木にはいろんな力があるんだよ
わたしたちの身のまわりで、木でできたものにはどんなものがあるでしょうか?見まわすと、いろいろあります。机やいすなどの家具、それに柱や床…。
木でできた家具や家のよさを、「木のぬくもり」ということばで表すことがあります。木にはふしぎな力があって、木の表面に手をふれると人はフワッとした安らぎを感じたり、木目(年輪や節目)のおもしろさに目をうばわれたりします。また、木材には室内の湿気を調節する性質があって、快適な家づくりに役立っています。木の力って、すごいですよね。
ところで、日本で使われている木材の約70%は、海外からの輸入です。「あれ?」とふしぎに思う人も多いはず。日本は先進国の中で世界第3位の森林率をほこり、さらにその森林の約40%が木材を得るための「人工林」で、国産の木材が不足しているわけではないからです。でも、大量に木材を輸入していますよね。
これは、海外からの輸入材のほうが安いからです。そのため国産の木材は売れなくなり、森を育て、木材を売る仕事「林業」を続ける人も少なくなって、日本の人工林の多くはだんだん荒れてしまっています。人工林は、人が間伐などの手入れをしてこそわたしたちにたくさんのめぐみを与えてくれる豊かな森になっていきます。また、国産の木材の利用が進むと、人工林のある地域の林業生産と木材産業がが活性化するので、地域を元気にすることにもつながります。
そのためにも、わたしたちは、国産の木材への関心をもっと深め、使っていく工夫をしなければなりません。国産の木材を使うことは、人工林を元気で豊かにすることです。そして、人工林を豊かにすることは、わたしたちのまわりにある環境をよくすることです。いま日本全国にひろがっている「木づかい運動」も、そういう考えにそって進められています。
プラスチックや金属などの製品がたくさんある時代ですが、ぜひ日本の木材で作られた製品に興味をもって、使ってみてください。