
ムダをなくすことと、自然と仲良くなることが大切なんだよ。
三井物産は「林業」を行いながら、森を守り・育ててきました。三井物産は、「三井物産の森」において、「植える」→「育てる」→「切る・使う」というサイクルがきちんと成立する林業(持続可能な林業)を実現させ、健康な森を日本に増やすため、新たに2つのことに挑戦しています。

木材を家の柱や床、家具などだけでなく、いままで使われていなかった部分(枝や樹皮、切り株など)も捨てずにムダなく活用することを考えていかなければなりません。三井物産では、この使われていない部分を、エネルギーを生み出す燃料(木質バイオマス)として、火力発電所の燃料の一部や、ボイラーやストーブで活用するとりくみを進めています。
こうして木を余すことなく使い、そこから得た収益を森の手入れに効果的に活用することは、日本の林業の未来、そして環境問題を考えていく上で、とても大切なことです。

今、地球でおきている深刻な環境問題のひとつ、地球温暖化。その地球温暖化に一番大きな影響をおよぼしているのは二酸化炭素の増えすぎと言われています。 その二酸化炭素は、石油、石炭、天然ガスなど地中からほり出した化石燃料をもやす時、空気中に大量に出るので、燃やせば燃やすほど、二酸化炭素が大気中にふえて、地球をどんどんあたたかくしてしまいます。
その半面、木材を燃やすことにより出る二酸化炭素は、木が成長するために大気中の二酸化炭素をためたものだから、石油、石炭、天然ガスなどの代わりに、持続的に管理されている森林から伐採した間伐材や今まで使われていなかった小枝や樹皮、切り株などをペレットやチップにして利用することは、石油、石炭、天然ガスなどから出る二酸化炭素をへらすることにつながります。
木質ペレットもエネルギーとして燃やすのだから、もちろん二酸化炭素を大気中に出しています。 でも化石燃料と違って、木は成長するときにたくさんの二酸化炭素を空気中から吸収しています。吸った分を出しているということで、二酸化炭素の排出量は「プラスマイナスゼロ」とみなされるのです。

人工林の一部を、人が手入れしなくても、自然の力で木が次々と育つ森(天然生林)にしていくとりくみを進めています。森を育てていくには長い時間と、その間にたくさんのお金がかかるので、天然林・天然生林が増えていけば、その分、森を育てるのにかかるお金を減らすことができるのです。これも「持続可能な林業」を成立させるためにとても大切なことです。
2011年8月に、新たに「三井物産の森」に加わった、北海道十勝郡にある「石井山林」の人工林の一部は、ほぼ天然生林へと変わりつつあります。このような森は、現在、日本の中ではなかなか見ることができません。どのような森づくりを行ったら、年月を経てこのような森へと移行できるのかを研究しながら、これから100年先の森の環境を考えた新たな森づくりに挑戦しています。
自然の力で成り立っている森林のことを、天然林といいます。
また、災害や伐採などにより樹木が減少した後、主に自然の力で再生した森林のことを、天然生林といいます。
天然林や天然生林では木を植えたり手入れをしたりしなくても、主に自然の力を使って(天然更新)森が手入れされます。

「森が正しく管理されているか」を厳しく調べて、それを証明するために作られたのが「森林認証」です。森林認証はいくつかありますが、国際的な認証として「FSC®認証」というものがあります。三井物産の森も、このFSC®認証を取っているんですよ。
みなさんも、木材製品(えんぴつ、ノートなど)を買うときには、どんな森で切られた木を使って作られた商品かをよく考え、FSC®認証マークの付いた商品をえらぶようにしましょう。
それが世界の森を守ることにつながっていきます。
