

みなさんがすむ日本の土地の面積は、約3779万haです。そのうち森林をのぞいた、建物や道路、川、湖などの面積は全部で約1269万haです。
さて、日本の土地における森林の面積は、約何万haでしょうか?
※ha(ヘクタール)とは広さの単位で、1haは10000m2(平方メートル)を表します。
出典:総務省統計局「日本の統計2011」
日本の土地は、約7割が森だって聞いたらおどろくかな?国土面積の中で森林がどのくらいの割合を占めるか、ということを「森林率」というんだけど、日本の森林率は68.5%。これは世界の経済が発展している国の中では、ヨーロッパにあるフィンランド、スウェーデンについで3番目なんだ。日本は世界でも最高レベルの森林大国なんだよ!それから、日本は海に囲まれていることは知っているよね。日本の土地の広さが世界で61番目なのに対して、日本の漁師さんが魚をとることができる海の広さは世界で6番目、さらにここにすんでいる魚の種類の多さは世界で一番なんだ。
海に流れこむ川の水は森林を通ることで多くの栄養を含み、豊かな水になるんだ。日本に森林が多いおかげで、たくさんの種類の魚がすむことができるんだね。
みんながいろんな種類の魚を食べられるのも、森の恵みのおかげなんだよ!

森林は二酸化炭素(CO2)を吸収し、地球温暖化を防ぐために大切な役割をはたしています。日本の森林が1年間に吸収する二酸化炭素の量は、約87500000000kgでした。この数字を正しく表しているのは、次のうちどれでしょうか?
※CO2 とは、二酸化炭素の化学式のことです。
出典:独立行政法人 森林総合研究所「京都議定書報告の対象となる森林による炭素の吸収量」2005年度
木は空気中の二酸化炭素や水を吸収して光合成を行い、栄養として木の幹や枝などに蓄え成長しているんだよ。
例えば樹齢約80年のスギの木は、1年間に約14kgの二酸化炭素(CO2)を吸収するんだ。吸収量は木の種類や樹齢(若い木の方が吸収量が多くなるよ)、育つ場所によっても変わるよ。
三井物産の森では、年間約16万t(トン)の二酸化炭素を吸収しているんだよ。これはなんと、約7万人が1年間に出す二酸化炭素の量と同じなんだ!人は呼吸をしたり、生活するのに電気やガスを使ったり、車に乗ったりして二酸化炭素を出しているんだよ。
森は人が出す二酸化炭素も吸収してくれているんだね。
※t(トン)とは重さの単位で、1tは1000kgを表します。

ひとつの場所にたくさんの木が生えていると森は暗くなり、木が大きく育たないことがあります。
そこで光をたくさん取り入れ木の成長を助けるために、育ちのよくない木や、枯れた木、まがった木などをえらんで、適切な間隔で木を切ったりすることが必要になります。これを間伐といいます。
下の図では、A、B、Cの場所で木がたくさん生えています。そこで、A、B、Cの場所でそれぞれ3本の木を切ることにしました。さて、全部で何本の木を切ったでしょう?
手入れのされていない森では下草などが生えにくいから生きもののすみかやエサが少なくなって生きものが暮らしにくくなってしまうんだ。それだけでなく手入れされていない森の木は、木の根が弱くしっかり土をつかむことができないために、土砂くずれなどが起こりやすくなるなど、森が弱る原因になってしまうんだよ。
三井物産の森のうち、約4割が人の手によって植えて作られた森林(人工林)で、残りの6割は自然の力によってできた森林(天然林)と災害や伐採などで木が減ってしまったあと、おもに自然の力で再生した森林(天然生林)でできているんだ。
三井物産では林業を通じて人がしっかりと森の手入れをしていくことで、明るく豊かな森を増やしていくことを目指しているんだよ!

木には人間の歳と同じように「樹齢」という年齢の表し方があります。
さらに、林業では森林(その中でも人工林)を管理するために、「林齢」という表し方があり、植えた木を5年ごとに「齢級」と呼ばれるグループで区切って呼び、1~5年生は1齢級、6~10年生は2齢級というように表します。
では21~25年生の木は何齢級と呼ぶのでしょうか?
苗木を植えてから木材になるまで短いもので10年、通常50~60年もかかるんだよ。木って育つのにとっても時間がかかるんだ。

三井物産の森のトチノキ
しかも、三井物産の森には推定樹齢400年のトチノキがあるんだよ。これは環境省などが作る「巨樹・巨木林データリスト」にも登録されていて、幹の周りの長さは約6m、高さは約30mもある大きな木なんだよ!
日本で一番大きい木は、国の天然記念物に指定されている「蒲生の大楠(鹿児島県)」で、幹の周りの長さは約24m。みんなの小学校にあるプールの長さとほぼ同じ。大きいなあ。
出典:環境省「巨樹・巨木林データベース」

みなさんの身の回りには木でできたいろいろな製品があります。
机、バットなど家の中を見回すといろいろありますね。プロ野球選手のバットなどは、アオダモという木を使って職人さんが手で作ったりします。ここに、1ヶ月で4本のバットを作ることのできる職人さんがいます。この職人さんは1年(12ヶ月)で何本のバットを作ることができるでしょうか?
みんなの身の回りで作られている製品には、その目的に合わせてさまざまな種類の木が使われているよね。実際に家にある製品がどんな木でできているか知ってる?

丸太から家を建てるためなどの材料を切り取ったときに、余った木片は、わりばしなどにも加工されて使用されています。
<1>膳の重さを4gとすると、504gの余った木片から何膳のわりばしを作ることができるでしょうか?
1>
わりばしは、明治時代に奈良県の吉野というところで、スギから樽を作った時に出る木片を、有効に活用することから生まれたんだって。
わりばしは使い捨てのイメージが強いから、もったいないと思うかもしれないけれど、本来そのまま捨てられるはずの余りのった木片や、間伐材などを有効に活用することから考えられた、いわば「アイデア商品」なんだね。
みんながすむ日本の木を使って、日本の工場で作るわりばしがもっと増えれば、日本の森と林業を支えることができるんだ!
協力:NPO早稲田環境教育推進機構 http://we-npo.main.jp/