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ドイツ編! 森を管理する仕事「森林コンサルタント」

林業の先進国、ドイツから日本の森を見にやってきたレゲアさんのお仕事は「森林コンサルタント」。いったいどんな職業なの?お仕事のことやドイツと日本の森のことについてお話を聞いてみよう!

森林コンサルタント MICHAEL REGEHR(ミヒャエル・レゲア)さん

どんなお仕事?

森林コンサルタントのミッションは森林保全。一口に森林保全の仕事といっても、森林の管理かんり計画をつくることや、森林蓄積率ちくせきりつ(森林の面積に対して木の幹の体積たいせきなどから森林を評価したり、路網ろもう(林業の作業のための道)の計画、さらにシカなどの動物による森林被害ひがいの管理、丸太の品質ひんしつ管理まで、その内容ないようはさまざまです。わたしの仕事場はドイツ・バイエルン州の森。かつてのドイツの森は戦争や産業革命かくめい以降いこうに多くの木が切りたおされたことでれていた時代もありましたが、その後の300年にわたる努力によって、今ではとてもよく整備された森に生まれ変わっています。わたしはそんな長い歴史と伝統がある森で働くことにとてもほこりをもっています。

レゲアさん

この職業についたきっかけは

北ドイツに住む親せきが、広大な州有林を管理する仕事をしていました。13~15歳頃にそこを数回おとずれたのが大きなきっかけです。さまざまな経験けいけん知識ちしきに基づいて森林の管理計画をつくり、それを実せんすると、それが森に良い影響えいきょうとなって表れることを目の当たりにして、とても感めいをうけたのです。

この仕事の魅力は?

とにかくダイナミック! 自分の手一つで森が変わるんですから。「20年後、この森はどうなっているだろう」と想像そうぞう力を働かせて森に手を加えていくのがとても面白いです。ここに広葉樹を植えたら土や周りの自然はどう変化するだろう?とかね。林業は、ただ木を育てて売るだけではなく自然全体や生態系せいたいけいのこと、そして未来の森のこともきちんと考えながら行う仕事です。経済けいざい、科学、生物学と広い分野にわたることも魅力の一つです。

日本の森と林業

ドイツと比べると、日本の森は「人工林の比率ひりつが少ない」「自然に近い」「森の広さに対して路網ろもうが少ない」という印象。ドイツとの共通点は、品質の良い丸太が生産されているということです。とくに北海道のカラマツやトドマツは素晴すばらしいと思いました。これから日本全体で路網ろもうをさらに整備し、木材の自給率をあげていけるとよいと思います。そして、ヒノキはかおりがいいし、ヨーロッパの人たちにも好まれると思うので、ヒノキやスギの良さをもっと伝えて、使いやすい状態じょうたいに加工して、国際こくさい的な商品として輸出ゆしゅつすることを進めていけるとよいと思います。

まめちしき ドイツの森編
ほとんどが人工林!

人工林なのに天然林みたいに見えるのは、いろんな種類・高さの木が混ざって生えているからなんだって。ドイツでは天然更新こうしんといって、植林をしないで、自然に生えてきた木を育てる手法が中心なんだ。

狩猟は大切な副収入!

シカが角をといだり、新芽を食べたり、木の皮をはいでしまうと、木がよく育たなかったり、枯れてしまったりする。だから、シカなどの動物の数を森の広さに合わせてコントロールしているんだって。ヨーロッパでは昔から狩猟しゅりょうさかんで、今では森を守るために狩猟でシカをつかまえているんだ。ったシカやイノシシは食用のお肉として売れるので、林業の副収入にもなるんだって。

森と同時に道も育む!

ドイツでは「道のない森林は玄関がない家と同じ」と言うんだ。道がないと木が育っても収穫しゅうかくできないから道づくりはとても大切。だから道は30年くらい先の姿をイメージしながら計画的につくり上げることが重要なんだ。ドイツには路網ろもうを作る専門家もいるんだって。

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レゲアさんが住む バイエルン州・オーバーバイエルン地区って?ドイツ南部、オーストリアとの国境に位置する山岳地帯がオーバーバイエルン地区。中心都市はミュンヘンで、農業や工業、ハイテク産業、観光業が盛ん。バイエルン州は1970年代にドイツで最初に州の環境省ができたり、80年代には子ども向けに環境教育がはじまったり、環境への関心がとても高い州なんだ。だから林業関連の仕事はとても人気があるんだって!

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