Main

[ブッサンジンがゆく]
不屈の魂で創り出す地方活性化事業

株主通信 2018年夏号


山﨑 啓司

山﨑 啓司 Keiji YAMASAKI

北海道バイオマスエネルギー株式会社 エネルギー第一本部から代表取締役社長として出向

試練の日々から一転、挑戦の舞台は苫小牧へ

三井物産が北海道に保有する社有林(約35,000ヘクタール)の間伐材を活用し、約5メガワットの再生可能エネルギーを供給するバイオマス発電所がある。2017年に営業運転を開始した「苫小牧バイオマス発電所」だ。自らの新人社員時代を「不甲斐なさを感じる毎日だった」と振り返るのが、同事業を実現したキーパーソンの一人である山﨑啓司だ。
2009年に入社後、山﨑はエネルギー管理部やグループ会社での会計・経理業務に携わるが、当初は仕事も思うようにいかず、同僚の前で涙したこともあったという。そして入社4年目に環境事業部の所属となっても、なかなかビジネスを形にできない悔しさを感じていた。
そんな彼の転機となったのが、次に異動したバイオマス室での苫小牧を舞台にした発電プロジェクトへの取り組みだった。当時は再生可能エネルギーブームの最中ということもあり、北海道電力株式会社への接続許容量は限界に近づいていた。同社の送電線の利用が事業の前提となるにもかかわらず、そのための承認取得すら遅々として進まない。山﨑が異動した2014年は、社内でも同プロジェクトの継続が危ぶまれていたころであった。

バイオマス発電とは

バイオマス発電は、木屑や燃えるゴミなどを燃焼する際の熱を利用して電気を起こす発電方式です。発電した後の排熱は、周辺地域の暖房や温水として有効活用ができます。

バイオマス発電とは

地元の資源が確かな価値を生み出す事業に

しかし、苫小牧に足を運ぶうちに山﨑は同プロジェクトの社会的意義を確信し、北海道、苫小牧への愛情も芽生えるようになった。「プロジェクトが実現すれば、新たに年間6万トンの木材需要が生まれ、地域活性化にも役立つ。三井物産の社員というより、苫小牧バイオマス発電所の一員として地域に貢献したい」。そんな思いを抱えながら、プロジェクトを再構築する試みが始まった。建設予定地の見直しに始まり、事業の継続性確保のための社内外での交渉や資料作成に早朝から深夜まで奔走する日々が続いた。プロジェクト実現に向けて山﨑を支えたのは、これまでの挫折体験の悔しさと自らの手で事業を生み出したいという渇望感だった。
2017年4月、苫小牧バイオマス発電所は遂に営業運転を開始した。山﨑の元には、地元の人々からの励ましや感謝の声が寄せられた。「この事業は三井物産の他のエネルギー事業のようなスケールはありません。しかし、確かな価値を生み出す意義ある事業に関わったことは、今も私の誇りです」。

全国の地域活性化で日本の未来に貢献したい

苫小牧での経験は、山﨑に自信と誇りを与えただけでなく、“ブッサンジン”として今後取り組んでいくテーマも明確にした。その後、山﨑は再生可能エネルギーによる地域活性化のモデルとして世界的に知られるオーストリアのギュッシング市を視察に訪れた。60社もの企業誘致と1,000人以上の雇用、3倍の税収を生んだ市長やエンジニアたちの情熱と信念に触れ、大きな刺激を受けた山﨑は、「北海道で地域活性化モデルを創る」という大きな決意を持った。帰国後すぐさま北海道を駆け回り、最終的に地域全体で活性化を目指している下川町での事業投資にまでこぎつけた。
現在、山﨑は自ら設立した北海道バイオマスエネルギー株式会社に代表取締役社長として出向し、下川町で事業を牽引している。山﨑は語る。「エネルギーの地産地消を通じて地域内での資金循環が生まれれば、雇用創出や人口流出の抑制につながります。これによって、地方の衰退という日本の課題解決に少しでも貢献したい」と。山﨑の不屈の魂は、全国そして日本の未来へと受け継がれていくだろう。

交換研修とブラジル留学
  • IR優良企業大賞
  • ディスクロージャー2021年度優良企業賞
  • Member of Dow Jones Sustainability Indices
  • FTSE4Good
  • FTSE Blossom Japan Index
  • MSCI日本株女性活躍指数
  • なでしこ銘柄
  • インターネットIR 優秀賞

本ウェブサイト上にて開示されているデータや将来予測は、それぞれの発表日現在の判断や入手可能な情報に基くもので、種々の要因により変化することがあり、これらの目標や予想の達成、及び将来の業績を保証するものではありません。また、これらの情報が、今後予告なしに変更されることがあります。従いまして、本情報および資料の利用は、他の方法により入手された情報とも照合確認し、利用者の判断によって行なって下さいますようお願いいたします。また、これらの情報は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。これらの情報は無償で提供されるものであり、内容には細心の注意を払っておりますが、情報の誤りやファイルの瑕疵、その他本資料利用の結果生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いません。