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Business Innovation

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三井物産の「変える力」

あらゆる事業領域でIoTの活用ニーズが高まっている今。三井物産は、産業向けIoTデータ管理ソフトウェアのグローバルリーディング企業OSIsoft, LLC.(以下OSIsoft社)と戦略提携。デジタルトランスフォーメーションをいち早く推進しています。


世界の情報環境が、急激に変化しています。ある統計によれば、世界中で流通するデータ量は、2000年から2020年の間に6,500倍に。2020年には530億個のモノがインターネットに接続され、IoTの時代がいよいよ本格化すると言われています。“商社のビジネス”そのものを進化させなければならない時代。その推進力のひとつとなるのが、米国OSIsoft社との戦略提携です。

産業IoTのデファクトスタンダード

世界中のビジネスでビッグデータが注目される今、一方で課題も見えてきています。 それは 膨大なデータがバラバラの形式で蓄積されているため、すぐに「使える状態」にないという点です。データは、ただ集めただけでは意味がありません。重要なのはそれを一元化し、活用しやすいかたちにすること。異なる設備・異なるメーカーのデータを集約することこそが最も困難で、最も大切なポイントです。

OSIsoft社の主力商品であるPI System(パイシステム)は、それを実現するデータプラットフォームです。450種類以上のデータインターフェースに対応、バラバラのデータをひとつの使いやすいかたちに。わかりやすく可視化することで、操業の遠隔監視や生産の効率化、品質の最適化、予知保全など、付加価値を生むさまざまな活用が可能。お客様の業務改善や戦略的な経営判断をサポートします。

PI Systemは、OSIsoft社の創業以来35年にわたり、プロセス製造業を中心に圧倒的な信頼を獲得してきました。現在127カ国19,000以上の拠点で約4,000の企業がPI Systemを使用。そこには世界トップ10の金属資源会社のすべて、世界トップ40の石油ガス企業の95%、米国の発電会社の90%など、名だたる企業が含まれます。いわば産業IoTのデファクトスタンダードです。

OSIsoft/PI System

~誰もが簡単に「利用できる状態」を提供するデータプラットフォームインフラ~

OSI soft/PI System

戦略提携で共に成長する

戦略提携で共に成長する

2016年3月、三井物産はOSIsoft社に出資参画。戦略提携契約を結びました。米カリフォルニア州にある同社の本社には2名の社員が常駐。さまざまな取り組みを推進しています。

例えば、三井物産のネットワークを活かしPI Systemをさらに広げていくこと。OSIsoft社は巨大な市場シェアを誇る一方で、それは米国中心であり、電力・石油・ガスなどのプロセス製造業中心。例えばアジアや欧州へ、また自動車などの組み立て製造業へ。三井物産がサポートし、新しい市場を切り拓きます。

また、PI Systemと連携したアプリケーション開発により、さらなる付加価値を生み出すこと。三井物産は、システムを開発する会社やデータ解析を行う会社をグループ内に持つと同時に、多種多様なパートナーと戦略提携しています。その力をフル活用し、お客様のためのアプリケーションを私たちが開発。現場のニーズを深く捉えた発想でソリューションを提供していきます。

現場に分け入り、現場で一番必要な答えを出す。それが私たちの変わらぬ仕事の仕方であり、私たちの強み。シリコンバレーでも、日々、そのための努力が続けられています。

三井物産のデジタルトランスフォーメーション戦略

金属資源、エネルギー、鉄鋼、機械、化学品、さらには食料、医薬品など。世界に類を見ないほど幅広い事業アセットを持つ私たちが、そのすべてをデジタルの力で効率化し、シナジーを生むことができれば、お客様・社会に大きな価値を提供することができる。私たちはそう信じています。

この考えのもと、三井物産自身も全社的なデジタルトランスフォーメーションを推進。事業モデルの変革やさらなる生産効率改善に取り組んでいます。OSIsoft社との戦略提携は、三井物産グループ内でのPI Systemを活用した事業効率化やコスト削減にも、大きな成果が期待されています。既存事業の収益力向上を図ることはもちろん、協業で得る知見をもとに、あらたな事業機会を発掘。私たちは、データを活用した新しいソリューションビジネスを創っていきます。

次世代の事業モデルへの第一歩

東京・大手町、三井物産本社の一室。ここで両社の戦略提携が生むイノベーションの一端を見ることができます。遠く1万km以上離れたメキシコにある発電所の操業状態をリアルタイムで遠隔チェックしているのです。

これは2017年8月にスタートしたPI Systemの実証実験。東京-メキシコをつなぎ、さらなるオペレーション効率化を目指しています。この実験が成果をあげれば、三井物産が保有する世界中の工場・施設に同システムを拡張することも現実味を帯びてきます。さまざまな事業の知見を活用しあうことで、かぎりないシナジーが期待されます。

「モノを売る事業」から「モノを入口に集めたデータでサービスを提供する事業」へ。産業のメガトレンドが変化する今、あらゆる事業の“現場”を持つ三井物産は、その強みを活かし次の時代の価値創造へ。

ビジネスの現場、デジタル技術、そして両者をつなぐ人の力。その全てでビジネスを進化させていく。それが、三井物産の「変える力」です。

2018年2月掲載