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株式会社三井物産戦略研究所

ルール形成戦略-新興国と新産業の市場獲得のために-

2017年9月27日


三井物産戦略研究所
アジア・中国・大洋州室
新谷大輔


Main Contents

要約

Ⅰ. ルール形成の最新動向

  • 新興国が成長、新産業も次々と勃興し、ルール形成の対象が拡大。企業がルール形成によって産業の囲い込みを行い得る機会が増大している。
  • ルールが環境や社会的な課題、人権、安全といった「規範」の領域に拡大。CSRやESGは社会的な規範がルールとなったその典型。SDGsは大きな事業機会に。
  • 企業にとってのルール形成「戦略」とは、多様なルールを企業自ら創り出したり、改定させるべくロビイングを仕掛けたりするなどして、自社にとって有利な事業環境を構築し、時には新たな市場を生み出すための戦略。

Ⅱ. 欧米のルール形成戦略と新興国での展開

  • 米国のルール形成戦略は、米国内でデファクト化とそのレギュレーション化を進め、そしてそれを世界各国に「輸出」することで国際化を図るもの。近年、米国が進める安全保障分野のルール化にそのアプローチが強く反映されている。
  • EUはルールを加盟国間で統合させることが優先事項。EUのアプローチは自身のルールをデジュール(原則)として、グローバルスタンダード化させるもの。RoHSやREACHはその代表例。
  • 新興国では突然、強制規格が設けられるなど、ルール変更に伴う事業遂行上のリスクがたびたび生じる。企業は各国・地域の取り組みを把握し、各国市場での事業展開を円滑化するための自社に有利なルール形成を働きかける戦略が不可欠。

Ⅲ. 企業にとってのルール形成戦略とは

  • 企業がルール形成のプロセスに関与する際に、最も重要な手段がロビイング。米国やEUの場合は企業や商工会議所がその役割を担う。
  • 日本でも政府主導での取り組みが開始。アベノミクスの「第3の矢」の一つとして、ルールを武器とする「Standards×Regulations戦略」の推進が掲げられている。
  • ルールの重要性を認識、行動しなければ、市場機会すら失いかねない。新興国と新産業の市場獲得のために、政府は企業が関与しやすいルール形成に向けた道筋をつけ、企業もより積極的に政府と連携し、ルール形成に関与していくべき。

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