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マテリアリティごとの活動報告

地球環境の保全

三井物産のアプローチ

環境関連法規・各種協定の遵守、環境汚染の発生の防止、温室効果ガス発生の抑制、気候変動への適応、生物多様性の維持など地球環境への影響を認識し、その緩和に向けて取り組むとともに、当社総合力の活用ならびにパートナーの協力をもって、各種環境課題の合理的で永続的な産業的解決を推進していきます。また、「三井物産環境基金」を活用し各種環境課題の解決、資源の効率的活用、生態系の保護と人間の共生などに資する大学の研究やNPO・NGOの活動への助成を継続していきます。

Strategic Focus

  • 関係商品セグメント:機械・インフラ

カーシェアリングを通じて、低コスト・低環境負荷の移動の選択肢を提供

自動車の利用形態が多様になり、中でも1台の自動車を複数の会員で共同利用する「カーシェアリング」が、欧米を中心に普及し始めています。その背景には、人々の環境問題への関心やコスト意識の高まりがあるとみられています。

三井物産ではこのカーシェアリングを、「所有」から「利用」へと変化する車社会のトレンドに対応する、次世代のモビリティサービスと位置付けています。2010年にはシンガポールのCar Club Private Limitedへの出資により、海外でのカーシェアリング事業に参画。同国での事業ノウハウや知見を融合することで、車社会が成熟期へ移行しつつあるアジア・大洋州地域への進出を目指しています。

カーシェアリングによるサービスは、毎回の自動車利用にかかるコストが明確になるため、移動の目的や状況によっては、自動車ではなく公共交通機関や自転車・徒歩など、最も費用効率の良い手段が選ばれることになります。同サービスを通じ、移動における選択肢の一つとしての新たなカーライフを各国・地域の人々に提案することが可能となり、それが、環境への配慮にも繋がっていくと考えます。

三井物産はこの事業を通じて、グローバル社会に低コスト・低環境負荷の移動の選択肢を提供するとともに、渋滞緩和や車両走行距離削減による地球環境保全に貢献していきます。

地球環境の保全

2021年における、世界のカーシェアリング市場規模の予測 | カーシェアリング加入世帯の、年間CO2排出量削減率(平均値)

2016年度活動実績

事業分野

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    金属
  •  
    機械・インフラ
  •  
    化学品
  •  
    エネルギー
  •  
    生活産業
  •  
    次世代・機能推進
  •  
    コーポレート・その他

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

取り組みテーマ 事業分野 主な活動
環境マネジメント体制強化
 
コーポレート・その他
  • 本店ビル内産業廃棄物処理状況の把握を目的とした、電子マニフェストを導入
  • 本店および自社ビル(名古屋、大阪)の環境マネジメントで、ISO14001外部審査Good Point評価を獲得
  • 旧本店ビルの排出量取引クレジット(17,575t-CO2)を関係会社に売却、同社の法令遵守を支援
  • ISO14001:2015年版を踏まえた、環境マネジメントシステムの運営を実施
  • 環境事故発生時の適切な初動対応を支援するため、環境事故対応ツールを整備
  • 国際NPO・NGOと新たなネットワークを構築し、環境・社会課題対応型案件を推進
  • 当社・関係会社役職員を対象に、環境法規研修(2回、約100名参加)、産業廃棄物に関する環境セミナー(2回、約110名参加)、「三井物産環境月間」講演会(約220名参加)を実施
環境価値創造に向けた事業の推進
 
金属
  • Gestamp Automoción, S.A.(米州事業会社群・スペイン本社)への出資・参画を通じ、全世界で高い環境性能を持つ自動車部品を供給
  • GRI Renewable Industries, S.L.(スペイン)への出資・参画を通じ、風力発電関連資材を供給
  • 日本の技術を導入したリビルト自動車部品製造合弁事業を推進
  • Vale(ブラジル)への出資・参画を通じ、尾鉱(低品位鉱物)用のダムや鉱石輸送トラックを不要とすることで環境負荷を軽減する鉄鉱石プロジェクトを開始
  • 複雑鉱(有価金属および不純物を含んだ鉱物)とクリーン鉱とを品位調整する銅精鉱ブレンド事業を通じ、銅資源の有効活用を推進
 
機械・インフラ
  • 再生可能エネルギー発電事業(国内外で約2GW)として、年間600百万トンのCO2削減に寄与する流れ込み式水力発電事業を完工(ブラジル)、ウィンドファーム浜田、浜松ソーラーパークの操業を開始
  • 省エネ・スマートシティ事業(マレーシア)を推進
  • 分散型太陽光発電開発、次世代エネルギーマネジメントサービス事業を推進(米国内外)
  • 鉄道車両リースを通じ、モーダルシフトを促進
 
化学品
  • パーム油などを原料とする油脂化学品事業(マレーシア、中国)、とうもろこし由来のグルコースを原料とするバイオ化学品事業(カナダ)などを通じ、グリーンケミカル事業を推進
 
エネルギー
  • 木質バイオマス発電事業所へ出資・参画(日本)
  • 三井石油開発を通じ、地熱発電事業推進に向けた地質調査・掘削の推進・開発を開始(日本)
  • 微生物発酵技術を活用した燃料・化学品開発事業へ出資・参画(米国)
  • LNGプロジェクトへの出資・参画を通じ、燃焼ガス再利用プラントの建設・操業を開始(カタール)
  • 次世代クリーンエネルギー有力候補として、水素製造・輸送バリューチェーンの構築に着手
  • 工場排熱を利用した隣接集合住宅の冷房用電気使用量の削減調査を実施(アラブ首長国連邦)
 
生活産業
  • 三井物産フォーサイトでは、太陽光発電所、バイオマス発電所の運転保守サービスを提供
  • 三井物産アイ・ファッションを通じ、アウトドア用生地にBluesign®、Global Recycle Standard(GRS)の認証登録を進め、同環境基準への適合性を維持。環境にやさしく機能性の高い繊維関連製品の開発・販売を推進(欧米など)
  • 製造工程すべてでカーボン・ニュートラル認証を取得し、総投資額の約30%をサステナビリティに関連する設備などに投資しているAlcantaraへ出資、自動車メーカー各社への同社製品販売を推進
 
次世代・機能推進
  • スマートフォン向けフリーマーケットアプリ事業を通じ、シェアリングエコノミーを推進(日本、米国、英国)
  • 電気自動車などの新エネルギー車用リチウムイオン二次電池の供給を推進(中国)
  • ビル・工場など設備データの可視化によりエネルギー効率向上を実現(米国)、業務空調の遠隔管理では、概ね20%(物件により異なる)の電力消費量削減に貢献(日本)
  • 太陽光発電監視サービス、クラウド型省エネルギーマネジメントサービスなどを通じ、エネルギーの安定供給を実現(日本)
  • 農地の施肥量最適化でN2Oの発生を抑制、地球温暖化対策に貢献(カナダ、米国、ブラジルなど)
  • 三井物産オルタナティブインベストメンツを通じ、太陽光ファンドを組成・販売
  • Emerging Markets Infrastructure Fund による再生可能エネルギー案件へ投資
  • 近隣港の活用で物流サービス(MGL)の輸送ルートを短縮(日本)
地球温暖化防止などの環境負荷軽減
 
生活産業
  • プライフーズで鶏糞を肥料および炭化による融雪剤として製品化、また、三井農林で茶葉残渣を堆肥原料として利用することで、廃棄物の有効利用を推進
  • 食品製造副産物などを原料として製造したリサイクル飼料を、配合飼料メーカーへ販売することで、循環型社会、飼料自給率向上に繋がる未使用資源の有効利用を推進
  • 三井物産フォーサイトが代表企業を務める生田緑地運営共同事業体が、第36回「緑の都市賞」で、国土交通大臣賞を受賞
  • 日本マイクロバイオファーマでは、工場ユーティリティー設備をリニューアルすることで、省エネ推進と環境負荷を低減。エネルギー使用量(原油換算)より算出した原単位で前年度比84.7%を実現
  • Acibadem Altunizade Hospitalが、サステナブルな病院施設としてLEED認証を取得(トルコ)
 
コーポレート・その他
  • CO2排出量管理、水使用量調査
    • 国内グループベース:CO2排出量の経年変化および削減余地を把握。エネルギー使用量年平均1%以上低減を目標に設定し、GHG排出量の削減を推進(事業用施設含む)
    • グローバル・グループベース:関係会社のCO2排出量に応じて管理レベルに濃淡を付け排出量低減を推進。CO2の多量排出先は濃管理対象会社とし、排出量の経年変化を把握(海外関係会社)
    • 昨年に引き続き、主要国内外の子会社で水使用量の調査を実施
  • 「三井物産の森」の適切な管理・整備によるCO2吸収(吸収量試算約16万トン/年)
生物多様性の保全
 
生活産業
  • 東邦物産で、生物多様性を育む農法による米の生産・販売を支援(日本)
社会貢献を通じた環境課題の解決
 
コーポレート・その他
  • 三井物産環境基金を通じて、環境課題の解決に寄与する大学の研究やNPO・NGOの活動を助成(21 件、助成額1 億7,100 万円)、助成先の活動に社員が参加(13 件・約200 名参加)
  • 「三井物産の森」を活用し、出前授業(小・中・高校生を対象 、13回、約800名参加)や森林体験プログラム(小学生親子・社員家族などを対象、10回、参加者約300名)を実施
  • 慶應義塾大学で寄附講座を継続し、林業・木材産業の人材育成に貢献(約300名履修)
  • 東京農業大学と協働し、特別公開講座「企業が所有する森林の意義」を開催(約100名参加)
  • 伊勢志摩サミット向け木工製品を造作する用途として、三重県所在の「三井物産の森」からFSC®森林認証材の丸太を供給

環境担当役員メッセージ

代表取締役副社長執行役員 環境担当役員 田中 聡

多様な価値観が共存する国際社会において、気候変動、資源循環、生物多様性、地域社会との共生などの環境・社会課題の解決において、キープレイヤーとして企業の役割期待はますます高まっており、社会的な共感を呼ばない事業活動は長続きしないとされる時代に向き合っています。

国連ブルントラント委員会が「持続可能な開発」をキーワードにした報告書“Our Common Future”を発表した1987年以来、「持続可能性(Sustainability)」という言葉は地球環境問題を象徴するスローガンとして掲げられてきました。今や、それは国連「持続可能な開発目標(SDGs)」や地球温暖化を巡るパリ協定などの国際的な動きの根底にしっかりと据えられ、社会におけるESG(環境・社会・ガバナンス)視点が高まる中、時代や世代を超えた大きなうねりになりつつあります。

このような状況下、多岐にわたる私たち三井物産の活動においても、グローバル・グループでの環境・社会課題への積極的な対応と機会の創出が求められています。私たちは、サステナビリティ委員会や、環境関連案件を審議する特定事業管理制度、外部有識者の助言機関である環境・社会諮問委員会、地球環境問題に関わる活動や研究を助成する三井物産環境基金、数々の社会貢献活動やステークホルダーエンゲージメントなどを通じて、環境・社会的配慮を実装した事業活動を推進し、持続可能な成長に向けて取り組んでいきます。

代表取締役副社長執行役員

環境担当役員

田中 聡

環境方針

基本理念

  1. 三井物産は、大切な地球と、そこに住む人びとの夢溢れる未来作りに貢献するため、グローバル・グループで環境問題への積極的な対応を経営上の最重要課題の一つとして位置づける。
  2. 三井物産は、グローバル・グループで経済と環境の調和を目指す「持続可能な発展」の実現に向けて最大限努力する。

そのために三井物産は、グローバル・グループで、以下の行動指針に沿って、地球規模で取り組んでいる多岐にわたる活動において、地球温暖化問題への対応、生物多様性に配慮した自然環境の保全および汚染の予防を含む適切なリスク管理体制を構築し、 定期的に評価し、継続的な改善を行うとともに、環境に優しい技術の開発と普及に努め、環境に対する一層の責任を担う。

行動指針

1. 環境関連法規の遵守

事業活動の推進にあたっては、環境関連法規、及びその他当社が合意した協定等を遵守する。

2. 資源・エネルギーの効率的活用

事務所内を始め事業活動の中で、資源・エネルギーの効率的活用、廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルの徹底と適正処理を行い、環境への負荷を低減する。

3. 商品・サービスの提供、既存・新規事業についての環境への配慮

関係取引先の理解と協力を得て適切な影響力を行使し、汚染の予防のみならず、地球温暖化や生物多様性保全等環境への影響を評価し、技術的・経済的に可能な範囲で、最大限の環境への配慮を行う。

4. 環境問題の産業的解決による貢献

個人の能力と組織の総合力を活かし、また世界のパートナーと協力して、合理的で永続的な産業的解決を目指した事業活動を展開し、「持続可能な発展」の実現に貢献する。


サステナビリティレポート2017

P.21–38 「地球環境の保全」(PDF 2.12MB)

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