Main

モザンビークにおける炭鉱及び鉄道・港湾インフラ事業への出資参画について

2014年12月9日


Main Contents

三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:飯島彰己、以下「三井物産」)は、総合資源会社であるVale S.A.(以下「Vale社」)がモザンビーク共和国で開発中のモアティーズ炭鉱(以下「本炭鉱」)、及びナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業(以下「本インフラ事業」)に出資参画することで同社と合意し、関連契約を締結しました。

三井物産は、本炭鉱の95%権益を保有するVale社子会社の15%持分、及び本インフラ事業を推進するVale社子会社の50%持分を取得します。三井物産の初期投融資額は本炭鉱が450百万米ドル(540億円)、本インフラ事業が313百万米ドル(376億円)です。尚、本炭鉱への投融資金額は、今後の操業実績に応じて調整されるため、最終的な投融資金額は契約条件に基づき増減する可能性があります。また、三井物産の両事業の持分取得は、現地政府を含む関連許可の取得等の条件充足をもって実行を予定しています。

モアティーズ炭鉱

本炭鉱は、原料炭及び一般炭の合計で6.9億トンの大規模な埋蔵量を有すると共に、炭層が浅部に賦存しており、露天掘りによる大量生産が可能なコスト競争力の高い世界有数の炭鉱です。Vale社は2011年8月に本炭鉱の生産を開始し、本炭鉱から約600キロ南のベイラ港から出荷、2013年の生産量は3.8百万トンとなりました。現在本炭鉱の生産能力を22百万トンまで拡張中で、2016年の拡張完了を目指しています。拡張費用は、既にValeが拠出済みの分も含め約21億米ドル(約2,520億円)であり、出資持分に応じて三井物産が今後負担する拡張費用は1.9億米ドル(228億円)となる見込みです。また、生産能力の拡張に伴い輸送能力が不足することから、新たに同炭鉱から912キロメートル東に位置するナカラ港から出荷すべく、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業において関連インフラを整備する計画です。

三井物産は1963年に豪州のモウラ炭鉱(現ドーソン炭鉱)の開発に参画し、本邦を中心とする需要家への安定供給に取り組んできました。本炭鉱への出資参画は、2004年以来の大規模石炭権益の取得であり、供給ソースの分散、並びに長期的視野に立った優良な資産獲得により石炭事業の収益基盤の強化を図るものです。また、炭鉱開発から石炭の出荷に必要不可欠な輸送・港湾インフラの開発を一体的に行う、複合型プロジェクトです。

ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業

本インフラ事業は、モザンビーク・マラウィ両国に跨る682キロメートルの既存鉄道路線の整備と230キロメートルの路線新設、ナカラ港における石炭ターミナルの新設及び一般貨物ターミナルの整備が含まれ、これらを効率的に運営し、段階的に鉄道輸送能力を年間22百万トン、石炭の輸送・出荷能力を年間18百万トン、一般貨物の年間取扱能力を年間4百万トンまで向上させる計画です。総建設費は約44億米ドル(約5,280億円)を見込んでおり、資金の一部は海外の公的金融機関や本邦の金融機関からプロジェクトファイナンスにより調達することを予定しています。

本インフラ事業は長期契約に基づき能力拡張後の本炭鉱の石炭輸送の太宗を担うため、安定的な収益が見込まれます。また、鉄道輸送能力の一部を本炭鉱以外で生産される鉱物資源や農産物などの一般貨物輸送や旅客輸送に活用するほか、需要の増加に合わせて鉄道輸送及び港湾積出能力を拡張する余地があります。

本炭鉱及びインフラ事業への出資参画は、本年5月に公表した新中期経営計画における新規事業への投資配分方針に基づき、「資源・素材」及び「インフラ」の攻め筋において成長投資を実行するものです。また、戦略的提携協定を締結しているVale社はブラジルにおいて鉄鉱石の大規模鉱山と鉄道・港湾インフラを一体的に運営する知見・実績を有しているほか、三井物産とVale社はVLI S.A.を通じて一般貨物輸送事業を共同推進しており、これらの知見も活用し優良パートナーである同社と共に本炭鉱及びインフラ事業の価値最大化を目指します。

三井物産は、アフリカで有数の資源国として成長が見込まれるモザンビークを重点国として位置づけ、国創りに資する事業推進と同国の経済成長の取り込みを図る方針を掲げており、既に同国において大規模ガス田開発を推進中です。本炭鉱より生産される石炭は、モザンビーク共和国の主たる輸出産品となり、モザンビーク・マラウィ両国の輸送インフラを整備する本インフラ事業と合わせ、両国の経済発展に大きく寄与することが期待されています。また、当該地域において基盤となるこれらの事業を基点につながる関連事業を展開し、引き続きモザンビークのみならずアフリカ地域の発展・成長に貢献していきます。

モアティーズ炭鉱概要

権益保有比率 三井物産・Vale社持株会社: 95%
(内訳 Vale社子会社: 85%、三井物産子会社: 15%)
モザンビーク鉱物資源公社: 5%
所在地 モザンビーク共和国テテ州
年間生産量 22百万トン

ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業概要

目的 石炭・一般貨物・旅客の輸送及び積出
設備概要
鉄道

石炭ターミナル
一般貨物ターミナル
総距離: 912km
輸送能力: 22百万トン/年
積出能力: 18百万トン/年
取扱能力: 4百万トン/年
権益保有比率 三井物産・Vale社持株会社: 約70%
(内訳 Vale社子会社: 50%、三井物産子会社: 50%)
モザンビーク企業、鉄道港湾公社: 約30%

投資ストラクチャー

投資ストラクチャー

地図

地図

ご注意:
本発表資料には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。かかるリスク、不確実性及びその他の要素によって、当社の実際の業績、財政状況またはキャッシュ・フローが、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。こうしたリスク、不確実性その他の要素には、当社の最新の有価証券報告書、四半期報告書等の記載も含まれ、当社は、将来に関する記述のアップデートや修正を公表する義務を一切負うものではありません。また、本発表資料は、上記事実の発表を目的として作成されたものであり、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。

Information