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三井物産 社長 飯島彰己による全役職員向け「2012年 年頭の辞」を下記の通りお知らせします。

皆さん

新年にあたり、謹んで一言ご挨拶をさせていただきます。

事業環境認識

昨年を振り返ると、日本においては、東日本大震災による地震と津波の被害、そして福島第一原子力発電所の事故が、わが国の経済、社会に対して計り知れない影響を与えました。被災された方々の辛苦は今なお続いており、復興へ向けた粘り強い対応が引き続き求められています。また、被災地ボランティアや義捐金などの支援活動に参加いただいた内外役職員、関係者の方々には、ここにあらためて深く感謝の意を表します。私たちは、未曾有の国難をもたらしたこの震災を決して忘れずに、復興、そして再生へ向かう日本をこれからもしっかりと支えていきたいと思います。

一方、世界に目を向けると、ユーロ圏全域に及ぶ財政・金融不安の深刻化や、米国の財政赤字増加に伴う政府支出の抑制と国債の格下げ、インフレ圧力の顕在化に起因する新興国経済の成長鈍化など、世界景気の減速を体感した一年となりました。そして、世界各国・各地域の経済動向が相互に、即座に影響を与え合う、まさにグローバル化、ボーダレス化の潮流の加速をまざまざと実感した年でもありました。先進国の財政問題は直ちに解決できない課題であり、引き続き注意が必要ですが、商品価格の下落に伴うインフレ圧力の低下などを受け、先進国経済は、不安定さを伴いながらも緩やかな回復基調を取り戻すものと考えています。新興国の経済は、昨年、成長のペースを落としましたが、その成長余力はまだまだ大きく、世界経済における欧米の牽引力が低下する中で、中国をはじめとする新興国が世界経済をリードする構図は、本年も変わらないと考えます。

EPAやTPPなどの通商政策をめぐる議論でも明らかなように、国と国、地域と地域の連携や協調、とりわけ新興国の成長を取り込むためのさまざまな枠組みづくりが進んでいます。加速する世界経済のグローバル化、ボーダレス化の流れの中で、日本が一層の存在感を発揮しながら、世界経済の発展のためにどのような役割を果たしていくのか、そして、その中でグローバルに事業展開している当社がどのように貢献していくべきかを私たちはしっかりと考え、そして行動に移していかねばなりません。日本を元気にし、世界経済を一層発展させるために、当社が、本業を通じてできることの一つひとつを地道に積み上げていきたいと思います。

絶え間ない進化

世界の経済はこの数年で大きく構造転換しました。経済の牽引役が先進国から新興国へシフトするなかで、再生可能エネルギーやスマートグリッドなどの環境分野やメディカルヘルスケアといった新たな産業が経済をリードする構造変化が、世界全体で起こっています。

この構造変化に対応していくためには、当社自身も『絶え間ない進化』を続ける必要があります。常に業態を変化させ、新たなビジネスモデルをつくり出していかねばならないということです。

私は、「現状維持は破滅である」、ということを以前申し上げました。従来のやり方の延長に進化・発展はありません。私たちは、既成概念にとらわれることなく、創造的に現状を否定し、そしてアンテナを高くして、変化の予兆を鋭敏に感じ、それを先取りしていかなければなりません。時代の変化とともに、新たなニーズ、未充足のニーズが私たちの現場にはまだまだあるはずです。グローバルな現場において、顧客や社会のニーズの変化を見定め、自らの機能を進化させながら、新たな価値を創造するビジネスに果敢に取り組んでいきたいと思います。

そして、その時に常に考えるべきは、それが「良い仕事」かどうか、ということです。仕事の質、そしてその結果としてもたらされる利益の質を高めることにとことんこだわってください。私たちの存在価値は、実業に根差した、社会のためになる「付加価値」をつくり出す仕事を続けること以外にありません。その仕事が、世の中の役に立つものか、顧客やパートナーに感謝されるものか、そして自身のやりがい、納得感につながっているのか、常に高い倫理観をもって問い続けていきたいと思います。

挑戦と創造

日本は戦後の復興期、そして高度成長期を通して、多くの人々の不屈の闘志と勤勉さ、そして弛まぬ努力によって築き上げられてきた国です。当社はその長い歴史の中で、「挑戦と創造」の理念を掲げ、当社の強みと世界中の企業の強みを重ね合せ、さまざまなビジネスに果敢に「挑戦」し、それぞれの時代において社会が抱える課題を解決して、実業に根差した新たな価値を「創造」することによって、日本そして世界の発展のために貢献してきました。その役割は昔も今も、そして今後も変わるものではありません。

グローバルなビジネスの現場にいる私たち一人ひとりが、時代の変化を感じ取り、時代を常に先取りして、ダイナミックに「挑戦と創造」を具現化し続けることが大切です。今一度、「挑戦と創造」の志を思い起こし、時代のニーズの産業的解決者として、新たなビジネスの創出に果敢に挑戦することにより、グローバルに勝ち抜いていく力を付けていきたいと思います。

当社の歴史は、「挑戦と創造」という創業以来の変わらぬ理念に基づいて、変化と進化をし続けてきた歴史であり、それゆえに当社の業態は今や非常に多岐にわたっています。
皆さんは、それぞれの業界や担当事業領域において、顧客のニーズに応え、社会から尊敬され、評価されるリーディングカンパニーとなることを目指してください。各事業領域の強みを融合させた「総合力」を発揮することを通じて、時代の変化に力強く、そして正々堂々と立ち向かい、本業を通じて日本を元気にし、世界の発展のために力を尽くしていきたいと思います。

結び

昨年の震災を通じて、私たちは、国境を越えて、人と人が互いに支え合うことの大切さ、そして素晴らしさを、あらためて学びました。今年も、皆さんや社外のステークホルダーの方々と積極的なコミュニケーションを図り、企業としての社会的責任を果たしながら、皆さんと一緒に「より強い三井物産」「輝いて魅力ある三井物産」の実現に向け努力していきます。そして、全社一丸となって、高い志をもって新たな時代を切り拓き、力強く前に進み、三井物産をより一層良い会社にしていきたいと思っています。

最後に、本年が、皆さんと皆さんのご家族にとって、希望に満ちた、良い年となりますよう祈念して、私の年頭の挨拶としたいと思います。