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当社 社長 飯島彰己による新入社員向け挨拶を下記の通りお知らせします。

皆さん、入社おめでとうございます。社長の飯島です。

本日の入社式に先立ち、先月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で犠牲となられた方々へ、心からの哀悼の意を表するとともに、被災された多くの方々にお見舞いを申し上げたいと思います。また、災害現場での救援活動や原発事故対応など様々な問題解決の為に、懸命な努力をされている関係者の皆様には、敬意と感謝の念を表したいと思います。

今回の地震と津波による被害は、戦後、我が国が経験をしたことのない深刻なものとなりました。この災害は、多くの方々の日々の生活のみならず、日本経済全体に対して、長期間に亘り、大きな影響を及ぼすこととなるでしょう。地震から3週間が経過しましたが、電力を始めとして、人々の生活に不可欠な物資・食料・水の供給が、多くの地域で未だ不安定な状態にあります。三井物産としては、義捐金の拠出のみならず、必要な物資の提供や人的な支援を通じて、被災地の一日も早い復興に協力をしています。また、会社としてだけでなく、当社の社員個々人が、何が出来るか、又、何をすべきか、を真剣に考え、様々な形での被災者への支援の輪も広がってきております。

今回の災害は、経済のグローバル化・ボーダレス化の潮流の中で、困難な状況を乗り越えるために、様々な国と地域が互いに協力し、支え合うことの大切さを私たちに教えてくれています。そして、当社としても、復興への道を歩むわが国日本と、それを様々な形で支援いただいている世界の発展に貢献する責任をあらためて強く感じています。

未曾有の大災害による惨状は、今も東日本を中心に多くの地域でみられます。このような状況だからこそ、私は今日、皆さんにどのような心構えをもって、社会人としての第一歩を踏み出してもらいたいか、ということについて一言お話しを申し上げたいと思います。

昨年は、中国などのアジア諸国を中心とした新興国の躍進の陰で、日本という国の存在感が、世界の中で急速に薄まってしまったように感じられた年でした。日本は、国としての「元気」を失いつつある中で、今回の震災で、更に大きな痛手を負ってしまったと言えます。

日本は、戦後の復興期、そして高度成長期を通して、多くの人々の不屈の闘志と、勤勉さ、そして、弛まぬ努力によって、築き上げられてきた国です。
一方、戦後65年が経過し、経済発展が進み、個人の生活水準が格段に向上した結果、今の日本は、ともすると、安定志向や内向き志向が強まり、競争意識といったものが薄れてきているように思えます。
しかし、私達は、今、立ち止まっている場合ではありません。未曾有の国難ともいえるこの状況下、私達は、戦後の日本に奇跡の復活をもたらした先達の魂と、復興へ向けての信念といったものを、今一度思い起こす時を迎えているのではないでしょうか。グローバル化が一層進行する中で、日本は、どのような存在感ある国として、これから発展をしていくべきなのか、そしてグローバルに事業展開を行っている当社が、その中で果たすべき役割は何か。今こそ、健全な危機意識を持って、真剣に考え、行動をしていく重大な岐路に立っているのだと思います。

その為に、皆さんの心に刻んでもらいたいことがあります。それは、今日、この時から、皆さんには『自分を磨く』ことに、弛まぬ努力を続けていただきたい、ということです。そして、如何なるときでも、『高い志』をもって仕事に取り組んでいただきたい、ということです。

皆さんは、今日から三井物産の一員として、実社会への第一歩を踏み出していく訳ですが、学生時代とは大きく異なり、皆さんには社会人としての「責任」が伴います。この「責任」とは、言い替えれば、皆さん一人ひとりには、これから、より良い社会の実現へ向け、力を尽くしていく「使命」がある、ということです。その為には、不断の努力で『自分を磨き』、より良い社会を作り上げていくために、自ら心血を注ぐのだという、『高い志』をもっていただかねばなりません。

人は、日々の仕事を通じて、様々なスキルや知識を習得します。そして、失敗や挫折を経験して、人の痛みや謙虚さを学びます。人から信頼され、仕事を任されることで社会人としての責任感が強まり、そこから「志」、というものが芽生えてきます。豊かな教養は、人間の幅を広げてくれます。様々な国や地域の人達と交わることで、異なる文化や価値観を、敬意をもって受け入れる幅広い視野や度量が生まれてきます。このように、あらゆる経験を前向きに捉えてください。そして、知識や経験に基づく「技(わざ)」の習得にかたよることなく、倫理観や謙虚さ、そして、『高い志』といった「心(こころ)」の充実も図り、心・技を、バランスよく『磨いて』行くことが何よりも大切だ、ということです。

三井物産という会社は、その長い歴史を通じて、世の中に「有為の人材」を輩出する使命を担ってきました。「有為の人材」とは、ただ優秀で、仕事が出来るだけではなく、人として魅力があり、社会において全人格的な評価を受け、なによりも、社会のために貢献をしようという『高い志』をもった人のことです。それは、旧三井物産の創業者である益田孝の「眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれることを望む」という言葉に託された精神と通じるものでもあると考えています。

当社には『人の三井』、『挑戦と創造』、『自由闊達』という創立時から脈々と受け継がれている素晴らしい理念があります。『自分を磨き』、これら三つの理念を三位一体として、『良い仕事』を、しっかりと積み上げていくことを通して、三井物産をより強く、そして輝いて魅力ある会社にしていってください。そして、日本を、世界の中で一層存在感ある国とすべく、先達の意思を継ぎ、『高い志』をもって、国の復興と世界の発展の為に全力を注いでください。三井物産は、それが実現出来る会社なのです。

もう一度申し上げます。皆さんには、これからの三井物産での生活の中で、『自分を磨く』ことに日々、弛まぬ努力を続けてください。会社は皆さんに自己研鑽と自己実現の場を提供します。三井物産という会社で働く喜びを噛み締め、日本の、更には世界の発展の為に自分は力を尽くすのだ、という『高い志』をもって、大いなる舞台で大きく羽ばたいていってください。

最後に、皆さんが心身共に健康でこれからの三井物産での生活が充実したものとなりますよう祈念して、私の挨拶とします。本日は本当におめでとうございます。

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