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2010年「入社式挨拶」

2010年4月1日


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当社 社長 飯島彰己による新入社員向け挨拶を下記の通りお知らせします。

皆さん、入社おめでとうございます。社長の飯島です。

今日、社会人としての第一歩を踏み出す皆さんへ、人生の大半の時間をこの会社で過ごして来た先輩の一人として、お祝いの言葉を述べさせて頂きたいと思います。

皆さんが社会に出て働き始めようとしている現代という時代は、正しく「変化の時代」です。
ご存知の通り、一昨年のリーマン・ショックを契機として、グローバル経済の状況は「世界同時好況」から一変し、過去に例の無い信用収縮、需要後退、企業収益悪化のトリプルスパイラルに陥りました。その後、幸いなことに、各国政府による景気刺激策の効果が徐々に現れ、現時点では全体として緩やかな回復基調へ移行しつつあるようです。しかし今回の回復は、従来のように景気が戻れば元に戻るという「循環型の回復」ではなく、新たな産業・地域・企業が成長を主導する、「構造転換型の回復」となるでしょう。

そのような「変化の時代」に、当社へ入社される皆さんが目指すべき事とは何でしょうか?
皆さん緊張されている入社式で多くを伝えても中々記憶に残らないものです。そこで今日は皆さんに二点に絞ってお話しします。

一つは、「自分の頭で考える事のできる人」になって欲しい、ということです。
最近の若い人たちと話をしていると、直ぐに正解を求めたがる人が多いのではないかと感じる時があります。皆さんが学生の時は、解らないことがあればインターネットで検索するか、先生や先輩、周囲の人達に聞いて、正解を直ぐに求めるのが当り前だったのではないかと思います。
しかし、実社会・ビジネスの世界には、絶対的な「正解」などはありません。上司や先輩は「良い手本」ではあっても、「正解」を常に与えてくれるとは限りません。同じように経営幹部も、会社が進むべき大きな方向や将来の在り姿を示すことはしますが、現場での戦略や、個々の判断は現場の最前線にいる人たちが考え、決めていくものです。
これから「変化の時代」に漕ぎ出す皆さんにとって、当社の「過去の成功体験」は必ずしも頼りになるとは限りません。逆に、その経験が将来全く通用しなくなることすらあります。先例を参考にはしても、決して盲信することなく、冷静に環境の変化・情報を分析して下さい。教科書の練習問題とは違って、全ての判断要素が揃わない中で、何をすべきか、どうしたらより良くなるか、常に自分の頭で深く、徹底的に考え、その時々でベストの「解」を導き、それを持って行動できるような人に育って欲しいと思います。

二つ目は、「心技双方のバランスの取れた人」になってもらいたいということです。
仕事を進めて行く上では、専門分野の知識や業界の知見といった「技(わざ)」の面だけではなく、倫理観や向上心といった「心(こころ)」の面が極めて大切な要素となります。会社の仕事は個人プレーではなくチームプレーです。「変化の時代」にあって、三井物産が与えてくれる、グローバルに大きく広がる舞台の上で、思う存分に腕を奮うためには、社内外の様々な人達の考え方を相互に理解し、心を通じ合い、信頼を得て、一つの目的に向かって力を結集させていくことが求められます。これは言い換えれば、人を惹き付ける、魅力ある人間になると言うことであり、それには我々一人ひとりが常に誠実に、謙虚に自らを振り返り、感謝する気持ちを忘れずに、自己研鑽の努力を積み重ねていく必要があります。

今年の年頭の辞の中で私は、より「強い三井物産」、「輝いて魅力ある三井物産」を共に目指して行こう、と社員全員に呼びかけました。
「強い」「輝いて魅力ある」とは、お客様の要望や時代のニーズに応えて自らを絶え間なく進化させ、社会の役に立つ、三井物産らしい価値を創造することによって、しっかりと収益をあげて行く、という意味です。

2008年のダボス会議でビル・ゲイツは「クリエイティヴ・キャピタリズム(創造的資本主義)」という考え方を提唱しましたが、企業活動の目的は、「利潤の追求」だけでなく、「社会的価値創造」にあるとするゲイツの考え方は、まさしく、いま私が申し上げた「強い」「輝いて魅力ある」と通じる考え方でしょう。それは同時に、旧三井物産 創業以来134年に亘り、脈々と受け継がれているDNAである「眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれることを望む」という創業者益田孝の精神に通じるものでもあると考えています。

その「強い三井物産」「輝いて魅力ある三井物産」の実現のために、自分の頭でしっかり考えて、心技両面でバランスの取れた人になって下さい。そうすることで、一人一人が強く、輝いて、魅力的な存在になっていくのだと思います。
今日、その担い手として、若い皆さんが我々の仲間に加わってくれる事を、私はとても嬉しく思っています。

最後にもう一言。

今、社会人としての第一歩を踏み出すにあたり、皆さんの心の中は熱い夢と高い志に満ち満ちていると思います。これから社会人として生きていく中で、皆さんが初心を何時までも忘れることなく、志と夢の実現に向けて、感謝の気持ちと謙虚さを忘れずに、弛まず努力を続けてもらいたいと思います。
そして仕事を大いに楽しんで下さい。

会社は、自己研鑽と自己実現の場を用意しています。皆さんには三井物産の理念である「挑戦と創造」を体現すべく、世界を舞台に縦横無尽に動きまわり、そして大いに活躍してもらいたいと思います。

皆さんが心身共に健康で、良い社会人生活を送られることをお祈りして私の挨拶とします。
本日は本当におめでとうございます。

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