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在日ブラジル人児童生徒向け奨学金制度のこと

2009年8月14日


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三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:飯島彰己、以下三井物産)は、社会的課題のひとつとなっている在日ブラジル人教育問題の解決の一助となるべく、2005年度から在日ブラジル人児童への教育支援プログラムを行っていますが、8月から新たに「在日ブラジル人児童生徒に対する奨学金制度」を開始します。これは、昨年まで実施していた在日ブラジル人学校への教育関連品(学校の施設、教材、教具)の支援から支援内容を変更するもので、在日ブラジル人児童生徒の教育を受ける機会の創出に繋がると期待し取り組むものです。

在日ブラジル人のうち、義務教育年齢(5歳~14歳)の児童生徒は約3万人とされ、そのうち約1/3が在日ブラジル人学校に通っていると言われていましたが、2008年9月以降の経済情勢の悪化から、在日ブラジル人雇用状況が厳しくなり、保護者の失職のため、学費の高い在日ブラジル人学校を退校せざるを得ない児童生徒が増え、結果として生徒数の激減から閉校になる学校も出てきています。これら児童生徒の中にはブラジルに帰国する者もいますが、日本の公立学校に編入する児童生徒もいます。しかし、編入した児童生徒は、日本語能力の問題等から日本の公立校になじめず不就学になっているケースも多くなっています。これらの状況に鑑み、これまでの当社の教育関連品(モノ)の支援・充実ではなく、児童生徒(ヒト)への月謝支援という直接的支援に切り替え、ブラジル人学校に従来通り継続して通学できる支援を行うことが、より現場のニーズに適すると判断し、支援内容を変更することとしたものです。

奨学金は、毎月計100名分の在日ブラジル児童生徒向けに、生徒一人当たり2万円/月を支給します。奨学金は、在日ブラジル人学校に寄付し、これを当該児童生徒の月謝とします。本奨学金の実行にあたっては、これまでの当社の在日ブラジル人子弟教育支援活動等で協力実績のある、社団法人日本貿易会を母体とするNPO法人「国際社会貢献センター(ABIC)」に委託し、ABICは対象となる児童生徒の調査(出席、成績)等を行います。対象となる学校には、児童生徒の状況把握のためのレポート提出などの協力をお願いすることになります。尚、奨学金の対象となる在日ブラジル人学校の選定は、駐日ブラジル人大使館、ブラジル商業会議所等各界の在日ブラジル人有識者にて構成されているアドバイザリー・コミッティーの推奨を受けてコレジオ・ピタゴラス・ブラジル、エスコーラ・アレグリア・デ・サベール他を決定しました。

当社は、広範囲な分野でブラジルとのビジネスに長期に亘って携わっていますが、日本とブラジル両国のパートナーシップをより発展させていくためには、身近な社会問題の解決に向けた取組みも重要と考えています。在日ブラジル人児童の教育問題の解決は、決して企業一社でなしえるものではありませんが、当社の活動が、わずかなりとも問題解決の一助となり、更にこうした取組みの輪が社会全体に広がり、本奨学金に他社も参画することを期待しています。

参考資料

1. これまでの当社の在日ブラジル人子弟教育支援活動

  1. 在日ブラジル人学校への支援:
    在日ブラジル人学校の環境を改善するために教育関連品を2005年度から2008年度まで、在日ブラジル人有識者にて構成されている選定委員会の推奨をベースに選抜した学校30校に寄贈してきました。
  2. 在日ブラジル人支援NPOの活動への支援:
    電話相談やカウンセリングなどを通じて、不就学児童を含めた在日ブラジル人への支援活動を中心に進めている在東京のNPO、保見団地のNPO等への援助をしています。
  3. 在日ブラジル人児童向け補助教材制作。東京外国語大学と産学共同事業:
    日本の公立学校に通う在日ブラジル人児童の日本語習得、教科学習に効果的な補助教材の開発事業です。2007年4月から東京外国語大学のWEB上に公開しています。

2. 新しい取り組み

上記に加え、以下の事業も進めています。

  1. 在日ブラジル人学校教員養成のための通信教育への協賛:
    ブラジル人の子どもたちの教育環境の改善を図るため、群馬県や愛知県、静岡県など、各地のブラジル人学校に勤務する教員及び地方自治体などで補助教員として勤務するポルトガル語対応教員300名を対象として、ブラジル連邦共和国の教員資格取得を目的とする通信教育を今後4年間にわたって無償で実施するものです。
    本プロジェクトはブラジル側からブラジル政府(教育省)・マトグロッソ大学・ブラジル銀行、日本側は文部科学省・東海大学・当社が参加しているもので、本年7月から4年間掛けてブラジル人学校で働くポルトガル語対応教員300名を中心に、無償で実施する4年間の通信教育によってブラジル連邦共和国の初等教育教員免許(幼稚園から小学4年)を取得させるものです。これにより、ブラジル人学校のレベルアップが期待されています。当社は「日本語・日本社会」に関する講義を準備・実施する費用を支援しています。
  2. 当社所有の社有林での短期雇用:
    三重県三戸社有林にて森林整備のための在日ブラジル人臨時雇用を本年3月より三井物産フォレストにて行っており、本年度は延べ120名~130名の短期雇用を予定しています。
  3. ブラジル人児童の正しい知識への普及活動支援:
    NPO法人に協力し(ポルトガル語翻訳料を当社が負担)在日ブラジル人に正しい性知識普及のための携帯小説ポルトガル語版作成支援を行いました。これは虎ノ門病院産婦人科医師著作の携帯小説を翻訳し、NPOホームページ等に掲載することでブラジル児童へ正しい知識の普及へと繋がると考えています。
  4. ブラジル本国での取組み:
    2008年2月に創設された創設されたブラジル三井物産基金の助成案件として以下2件を推進しています。
    (1)カエルプロジェクト:
    日本からブラジルに帰国した児童生徒が現地の学校や社会にスムーズに順応するための活動を支援しています。ブラジルのNPOである「ISEC(教育文化連帯協会)」とサンパウロ州政府教育局が共同で運営し、心理面(読書、カウンセリング等)、学習面(補習、強化講習等)、環境面(父母、学校指導部・教員へのオリエンテーション等)のケアを行っています。
    (2)サンパウロ大学冠講座:
    サンパウロ大学法学部国際法・国際関係研究会との協働で、同大学内に設置されました。主に同大学の学生を対象に、日本社会・文化等への理解を深め、両国の更なる友好関係と交流拡大に貢献できる人材の育成を図ることを目的として年に1~2回の講座を開催しています。

ご注意:
本発表資料には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。

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