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三井物産の森における生物多様性の評価結果

2009年8月12日


三井物産株式会社
財団法人 日本生態系協会


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三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:飯島彰己、以下:三井物産)は、財団法人日本生態系協会(本部:東京都豊島区、会長:池谷奉文、以下:生態系協会)と協働し、三井物産の森(以下:社有林)における生物多様性に配慮した新たな森林施業(管理)の検討を目的に、生物多様性の質を定量的に把握する調査を行いました。

今回の調査は、生物多様性を定量評価するための手法「HEP(Habitat Evaluation Procedures)」を森林施業(管理)の方針や計画の検討に導入した国内初の事例で、全国73か所に分布する社有林のうち、モデルとなる5か所の山林(以下:モデル山林)において行いました。

本調査により、モデル山林ごとの生物多様性の定量評価と、その結果から山林ごとに天然生林(*)への誘導を優先的に行うと良い人工林など、生物多様性に貢献する森林施業の方針や計画を検討する際の重要な基礎情報を入手することが出来ました。

2010年10月には、名古屋市にて生物多様性条約締約国会議(COP10)の開催が予定されています。全国各地で開発などにより生物の生息環境が急速に失われつつある現在、私たちの生存の基盤である生物多様性の保全に向けた迅速かつ大規模な取り組みが、企業にも求められています。三井物産は、今回の調査で確認できた希少種の保全をはじめ、社有林における生物多様性の保全・向上に取り組み、企業としてわが国の生物多様性の保全に貢献していきます。

(*)天然生林:災害や伐採などにより消失した後、人工林ほどには人為の影響を受けずに 再生した森林のこと。通常、天然更新した二次遷移の途中段階にある森林(二次林)や、天然更新補助作業を行った森林なども天然生林に含まれる。三井物産では、針葉樹人工林の間伐を繰り返しながら、天然性広葉樹を誘導することなどを、「天然生林誘導」としている。主として天然(自然)の力によって成立した「天然林」とは区別される。

人と自然が共存する美しいくにづくり・まちづくりを提案するシンクタンクです。日本国内において、HEPに関する研究や普及を中心的に行っており、HEPを用いた生物多様性の定量評価の調査では国内で最も実績のある専門機関です。

三井物産は、全国73か所に約4万4千ヘクタール(日本国土の約0.1%)の社有林を保有しており、100年以上大切に守り続けています。本社有林は、環境面において高い公益的価値を有する資産であると捉えており、長期的視点で整備・管理し、森林の大切な機能(生物多様性の保全、二酸化炭素の吸収、大気の浄化、雨水の貯蔵、水質浄化、洪水緩和など)や価値を守ることは重要な社会的責任であると考えています。

調査の概要

調査目的 HEP(※1)による、モデル山林ごとの生物多様性の定量評価を通じた森林施業と生物多様性との関わりの現況把握と森林施業の方向性の検討
モデル山林 似湾山林(北海道)、田代山林(福島県)、亀山山林(千葉県)、三戸山林(三重県)、清滝山林(京都府)
調査内容 (1)モデル山林ごとに、指標種の選定(※2)
→ 生物多様性を評価するものさしとなるもの。本調査では、動物のみを対象とし、植物は対象としていない。
(2)モデル山林ごとに、生物多様性への取り組みの現況把握(※3)
→ 三井物産が山林を取得した年、あるいは今から約30年前の生物多様性の状況と現在、そして50年後を予測し、三井物産における生物多様性の保全の取り組みの現況を科学的に分析した。
(3)モデル山林ごとに、生物多様性の保全の方向性の検討
→ 天然生林への誘導など、モデル山林ごとに生物多様性を効率的・効果的に高めるためのゾーニング(※4)を検討した。これにより、今後生物多様性の保全を進める際の科学的な根拠を獲得することができた。

※1 HEP(Habitat Evaluation Procedures:ハビタット評価手続き)
HEPは、米国を中心に活用される、生物多様性を定量評価する手法。対象となる区域の面積や環境条件、立地条件、希少性などから、指標とする野生動物を数種類選定し、これら指標種の「住みやすさ」を数値で示したHSI(ハビタット適性指数)をもって、対象となる区域の生物多様性の現況を数値化する。

※2 指標種の選定

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

指標種 山林名
似湾山林 田代山林 亀山山林 三戸山林 清滝山林
ヒグマ        
ツキノワグマ    
クマタカ  
テン  
アナグマ  

※3 現状把握(定量評価の方法)
基準年(土地を取得した年が基本、あるいは約30年前)を設定し、基準年の30年前から、基準年の50年後までの期間における、動物の観点からみた生物多様性の価値(質×面積)の変化を推定・予測した後、基準年以前の生物多様性の価値に基づいて設定する評価基準値と、基準年以降の50年間にわたって累積する価値を比較。

(モデル山林ごとの基準年と評価年数)

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

山林名 基準年-30年 基準年 基準年+50年
似湾山林 1948年 1978年 2028年
田代山林 1953年 1983年 2033年
亀山山林 1948年 1978年 2028年
三戸山林 1948年 1978年 2028年
清滝山林 1949年 1979年 2029年

※4 ゾーニング
山林ごとに、生物多様性を効果的・効率的に高める土地利用の方向性をゾーンとして示す。

ゾーニング ※(1)(2)(3)(4)の順に天然生林誘導の優先度が高いゾーンとなる。
※濃い赤ほど天然生林誘導の優先度が高い樹林地となる。

ご注意:
本発表資料には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。

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