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「弊社九州支社における不適切な取引」の調査報告及び再発防止策について

2008年9月3日


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本年7月25日付「当社九州支社における不適切な取引について」で開示しました通り、弊社九州支社 化学品第二本部九州合樹・無機化学品部(以下「担当部」)において、地元の取引先向け農業資材などについて、2000年9月以降、一部架空取引を含む不適切な循環取引の疑義のある取引(以下「本取引」)に関与していた事実が社内調査の過程で発覚致しました。その後更に調査を進めた結果、事実関係等が確認できましたので、下記の通り再発防止策と共にご報告致します。尚、本取引による弊社の業績への影響額は軽微であり、弊社の今期業績見通しには変更ありません。 株主、投資家、取引先その他の関係者の皆様にはご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げます。

1.本取引の概要

(1)本調査の経緯とその内容
本年6月27日(金)に担当部に対し取引先の一社から、当該取引先の販売先からの入金が無いとの理由で資金繰りに関し相談があり、同日から週末にかけて担当部で取引先及び社内外関係者に事情聴取を重ねたところ、同部の業務委託先であった会社の代表者(以下「本件担当者」)が、受託業務の一環として関与してきた取引に、不適切な循環取引の疑いがあることが発覚しました。
担当部からの報告を受けて、弊社は、6月30日(月)に弊社関係部署と社外の弁護士及び公認会計士による調査チームを組成致しました。調査チームは、本件担当者、担当部所属員その他の弊社従業員、並びに本取引に係る仕入先、取引先及びその販売先等からの事情聴取のほか、本取引に係る帳簿・証憑類の検証作業を行うなど調査を進めて参りました。かかる調査の結果、下記「(2)本取引の内容」にある事実が判明致しました。

(2)本取引の内容
1)事実関係
本取引は、本件担当者が本取引に係る仕入先、取引先の販売先を含む複数の関係者と通謀の上行っていたもので、2000年9月に開始されて以降、本年2月に弊社が弊社内の傾注分野見直しの結果を受けて本取引から撤退するまでの間 (*1)、弊社名を用いて続けられておりました。尚、本取引に係る弊社取引先である一部の問屋などにつきましては、弊社同様に本取引が不適切な循環取引であるとの認識はなかったものと思われます。
本件担当者は、1995年4月より2002年10月迄の間、弊社子会社からの出向受入嘱託社員として、その後2002年11月から2006年4月迄の間は同社との業務委託契約に基づく業務担当者として(*2)、更に2006年5月に本件担当者が自己の会社を設立して以降は同社との業務委託契約に基づく業務担当者として、弊社九州支社の担当部に所在し、本取引の弊社担当者として本年2月まで本取引及びその関連業務に関与しておりました。なお、本担当者は弊社の本取引からの撤退以降も、弊社が本取引に介在しない形式に商流を改めた上で仕入先及び取引先とを仲介し、本取引と同様の農業資材などの不適切な循環取引に引続き関与していたことが確認されております。
本取引の対象商品は、農地用の防犯器具、土壌改良剤、葉面散布剤等の農業に使用される資材等です。本取引は、概ね「仕入先→弊社→複数の問屋(取引先)→販売先→転売先→仕入先」という商流で各商品が循環する仕組みとなっておりました(下記図表(1))。
本件担当者が本取引を実施した動機は未だ定かではありませんが、本取引開始から相当期間経過後、本件担当者と通謀の上で本取引に関与していた関係者とコンサルタント契約を締結し、コンサルティング料の名目で金銭を受領していたこと及び弊社とは一切関係のない当該関係者の取引に介在し、当該関係者から一定額の口銭を受領していたことも判明しております。
なお、担当部所属員その他の弊社従業員の本取引が不適切な循環取引であることの認識及び便宜を受けていた事実の有無についても調査致しましたが、現在のところそのような事実は確認されませんでした。

2)本取引の弊社決算に与える影響
弊社の本取引に関わる2000年9月から本年4月迄の期間の売上及び売買差益(仕入高と売上高の差額)の累計額は、それぞれ8,292百万円及び219百万円と判明しております(下記図表(2))。対応する各事業年度の担当部の売上高については、下記図表(3)をご参照下さい。
本取引による影響額は、弊社の過去の各事業年度の業績に比して僅少であり、過年度決算について遡及的に修正は行わず、本事業年度において上記売買差益の累計額を含めた損失額を計上する予定です。なお、当該損失額の弊社の業績に与える影響は軽微であり、弊社の今期業績見通しには影響はございません。

図表(1):循環取引の概要図

循環取引の概要図

図表(2):本取引に係る弊社の売上、仕入及び売買差益、並びに弊社全体の決算数値

本取引に係る弊社の売上、仕入及び売買差益、並びに弊社全体の決算数値 (注) 上記「本取引に係る数値」は、対応する事業年度の弊社の売上高、売上原価及び売上総利益に反映されております。

図表(3):担当部の売上推移

担当部の売上推移 (注)2004年3月期までは担当部は九州化学品部の一部であり、2005年4月に担当部が同部から分離、独立致しました。
2004年3月期以前の数字は、担当部に相当する売上を記載しています。

2.問題点と再発防止策

(1)不適切な取引の発見遅延とその主たる原因
弊社は長年本取引に関与しながらも、本年6月に本取引の取引先から資金繰りの問題に関する通報を受けるまで、循環取引の存在を発見することが出来ませんでした。
本件担当者は、九州において農業資材関係の仕事に長年従事してきており、同地域における業界に精通していました。その知見を活用し弊社の同地域における農業資材商内を拡大するべく、弊社は、1995年から7年半に亙り弊社子会社からの出向嘱託社員として本件担当者を受け入れておりました。その後も、同社又は本件担当者が設立した会社との間の業務委託へとその形態は変更しつつも、本件担当者は弊社九州支社の担当部に所在し、本取引及びこれに関連する業務を行っておりました。
本取引は、2000年9月の開始当初の3年程度は、取扱高も小額で件数も少なかったことが判明しておりますが、その後取扱高が大きくなる過程においても、本件担当者の農業資材分野での知見を信頼し、本件担当者に対して属人的に本取引に係る業務を長期間に亙って任せきりにしていた結果、本件担当者に対する業務の依存度が極めて高くなり、上長からの管理・監督が及び難い環境が醸成されてしまいました。
このような状況下、本件担当者は本取引の仕入先及び取引先の販売先などと共謀の上、注文書や貨物受領書を偽造するなどの行為を通じて、架空取引を含む不適切な循環取引を更に増加させていく結果となりましたが、本取引においては本件担当者に対する長期且つ過度の依存状態が継続していたことから、弊社内での管理・監督機能が十分に働きませんでした。又、証憑類は形式上問題なく作成されていたこと、本取引に係る決済(入金・出金)は本年6月まで問題なくなされていたことなどから、本年6月に取引先から相談があるまで本取引の問題を把握できませんでした。

(2)今回の問題を受けての緊急点検
この度発覚した不適切な循環取引と上述の問題点並びに再発防止策の検討を踏まえて、化学品第二本部のみならず、弊社の他営業本部においても緊急点検を実施しておりますが、これまでのところ今回同様の不適切な取引は発見されておりません。

(3)再発防止策
再発防止の為、引き続きあらゆる機会を捉えて、嘱託社員・派遣社員も含めた全従業員に対するコンプライアンス意識の浸透を図る一方、上記問題点を踏まえ、営業現場における管理の再確認・再徹底と取引・業務形態の見直しを中心に以下の諸施策を実施致します。

[営業現場における管理の再確認・再徹底]
1)営業現場における業務プロセス管理の再徹底
・社内ルールに則った業務プロセスの再確認を実施すると共に、売上計上並びに支払手続時における証憑書類等の上長による確認を再度徹底します。
2)仕入先管理の強化
・従来から行っていた仕入先の与信管理を強化し、仕入先の業態及び信用並びに取引内容の精査及び確認を徹底します。
3)営業現場における管理・監督の強化
・上長による取引先の往訪などを通じて、取引先の業態や取引内容の精査・確認を徹底すると共に、往訪により得られた情報をコーポレートスタッフ部門と共有することで与信管理の実効性をより高めるように努めます。
・売上高や売上単価の急速な増加や決済条件が異常に長期に渡るなど、取引上の異常値の把握を徹底すると共に、これらの管理・監督の強化を支えるようなルール・基準の策定及びシステム対応を検討します。

[取引・業務形態の見直し]
4)機能を重視した営業戦略の徹底
・弊社機能が発揮できる分野・取引に経営資源を集中し、当該機能を発揮することができない取引の見直し・撤収を進めます。
5)長期滞留人事の排除と適正なる人材配置
・特定業務の個人への過度な依存を回避する為に、長期滞留人事の排除と人材流動化を更に推進します。また、各組織においては、それぞれの役割期待に応じて社内外の人材を適正に配置し、チェック機能が健全に働く業務推進体制を整えます。
6)業務委託契約の管理徹底
・業務委託契約は、その契約内容に基づき適切な業務委託が行われているか、運用実態を定期的にモニタリングし、不適切な契約の見直しを含め、管理を徹底します。

(4)本件担当者、本件担当者の会社及びその他関係者に対する対応
本件担当者の会社との業務委託契約は本年7月末に解除しており、現在弊社並びに弊社グループ各社と同社との間には一切取引関係はございません。本件担当者に関しては、刑事告訴を前提に警察との相談を開始しております。又、本件担当者並びに本件担当者と通謀の上本取引に関与していたと思われる関係者に対しては、今後損害賠償請求など然るべき対応を行う予定です。
尚、本件の管理・監督責任者など社内関係者の処分については、社内ルールに照らして厳正に対処致します。

*1 尚、弊社は本年2月に本取引から撤退しておりますが、弊社仕入先と弊社との間に別の取引先が介在した為、撤退対象の取引であるとの認識なく実行した取引が1件あったことから、本事業年度以降も循環取引に係る売上66百万円が含まれる結果となっております。
*2 本年7月25日の当社プレスリリースでは、2006年4月迄当社出向受入嘱託社員であった旨記載しておりますが、その後の調査により2002年11月からは弊社子会社との業務委託契約であることが判明致しましたので訂正致します。

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