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環境

三井物産の森

林業への取り組み

林業と経済

林業という仕事と、環境を守ること。この2つを両立させていきます。

日本の林業の置かれている状況

日本の林業は、林野庁の調査によれば、2013年度の木材の総需要量が年間約7,400万m3、その中で自給率がおよそ29%と決して活況とはいえません。
こうした背景の下、日本政府は日本の林業再生のため、2010年に「公共建築物等の木材利用促進法」を制定したり、バイオマス利用促進のための施策など、川上の効率化とあわせ、川下での需要喚起にも注目して改革に着手しました。それに合わせて、林業就業者が全国で7万人ほどに減少し、高齢化も問題になる中、未来の林業従事者を増加させる政策も進行しています。日本の森林再生のためには、なんとしても林業再生が必要であり、そのためには官民一体となってさまざまな対策を実行に移すことが急務です。

環境保全と林業の両立

三井物産の森では、人工林において「植える―育てる―伐る―使う」という適切な循環施業を実施する過程で、生物多様性にも配慮し、また表土保全や二酸化炭素吸収量の拡大にも役立つ整備を同時に実行しています。現在、「環境保全と林業の両立」を目指し、施業で得た収益を人工林の循環施業に利用するだけでなく、天然林および天然生林の整備にも資金を還流できる、経済性のある仕組みづくりに取り組んでいます。
当社は、人工林における循環施業で効率的な林業を追求することはもちろん、木材の用途開発を推進して国産材の利用を広げていくことが重要だと考えており、新たな取り組みを始めています。

木質バイオマスの利用促進とJ-VER制度の活用

林地残材を木材チップに

林業・木材産業分野において、木材を余すことなく、さまざまな用途に使用していくことは喫緊の課題です。建物の柱や家具などの構造材、製紙用チップ材以外の用途開発の一環で、当社は、林地に残された枝や、幹の先端、根元など、丸太として使えない部分をチップやペレット化してボイラーやストーブの燃料として無駄なく使うなど、化石燃料の代替としての木質バイオマスエネルギーの利用促進にも着手しています。
当社が2014年10月に出資参画した北海道の苫小牧バイオマス発電事業(2016年12月稼働予定)に対する社有林からの木質燃料の安定供給も行います。
また、環境省の「J-VER」制度へ、「三井物産の森 北海道間伐促進吸収プロジェクト」および「三井物産の森 三重県間伐促進吸収プロジェクト」を登録し、三井物産の森での適切な森林管理によって固定される二酸化炭素の吸収量について認証を受けています。「北海道間伐促進吸収プロジェクト」で2011年5月に約6,600CO2トン、2014年1月に約6,000CO2トン、「三重県間伐促進吸収プロジェクト」で2012年1月に約1,330CO2トンのオフセットクレジットが発行され、その販売も行っています。このように、環境価値を林業の収益として資金循環に取り入れていくことにも積極的に取り組んでいます。三井物産はこれからも環境問題を考えるうえで重要な課題である日本の林業の再生を目指し、現場における施業・整備を委託する三井物産フォレスト(株)と一体となって、社有林経営にあたっていきます。


社有林(「三井物産の森」)におけるカーボンオフセットクレジット制度(J-VER)活用について

林業の作業の流れ

林業ではどんなことをするのか? 実際に三井物産の森で行っている作業を紹介します。

三井物産の森のうち、苗木を植えて、50~60年という期間、大切に世話をしながら育て、収穫し、そしてまた新しい苗木を植えるといった林業を行っている「循環林」での作業を紹介します。

  1. 地ごしらえ (じごしらえ) 1年目

    苗木を植えるための環境づくりです。植え付けする際の支障になる枝や低木などを取り除きます。北海道では主に重機を使いますが、本州は急峻な地形が多いため手作業が中心となります。

  2. 新植 (しんしょく) 1年目

    苗木を手で植え付ける作業です。東北地方を除く本州では主に3月下旬~4月上旬、北海道・東北地方では雪解け後の5月に行い、北海道では秋に作業を行うこともあります。1ha当たり本州ではスギ・ヒノキを約4000本、北海道ではカラマツなどを約2000本植え付けます。

  3. 下刈り (したがり) 1年目~7年目

    苗木の成長を妨げる雑草やツルなどを、6~8月ごろにかけて、草刈り機や草刈り鎌を使って刈り払う作業です。

  4. 除伐 (じょばつ) 8年目~15年目

    植え付けた木の成長を妨げる、周辺の樹木やツル類を刈り払う作業です。ただし、三井物産の森では、有用な天然生樹木は残します。

  5. すそ枝払い (すそえだばらい) 8年目~15年目

    裾枝払いは、地面から約1~1.5mの高さまでの下枝を伐る作業です。木の成長を促進し、その後の林業作業もしやすくなります。

  6. 枝打ち (えだうち) 15年目~25年目

    枝打ちは、節のない良質の木材を生産するために地面から1.5メートル以上の下枝を伐る作業です。樹木の生長が止まる秋から冬にかけて行います。

  7. 間伐 (かんばつ) 15年目~

    植え付けた木が成長し森林内が過密になると、日光が届きにくくなり成長が遅れます。そのため、曲ったり、腐れなどのある木を間引きます。

  8. 主伐 (しゅばつ) 50~60年目

    一定の林齢に成長した木を販売などのために伐採することをいいます。

  9. 搬出・集材・玉切り

    間伐や主伐によって伐った木を森林内から運び、土場※1や作業道などまで集め高性能林業機械であるハーベスタやプロセッサなどで丸太にする作業。北海道では路網※2の整備が進んでいるため、ブルドーザーや高性能林業機械であるフォワーダを利用します。本州は急峻な地形が多く路網の整備が難しいことから、架線を使うのが主流となっています。

  10. 運搬

    トラックやトレーラーで製材工場などに運ぶ作業です。

※1土場:木材の一時的な集積場。
※2路網:山道や林道、作業道など、林業の作業に使う道。山林内に網の目のように引かれることからいわれる。