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環境

三井物産の森

生物多様性への取り組み

生物多様性を守る森づくり

生物多様性とは? 生物と生物が生きる環境を守る三井物産の森づくりを説明します。

生物多様性とは

生物多様性とは、遺伝子、生物種、そして生態系、それぞれのレベルの多様さ、バラエティーの豊かさのこと。それぞれの土地に、もともといるべきいろいろな動物、植物、昆虫、微生物などがいて、生きていける土台があること。それが「生物多様性が高い」ということです。
しかし、今、世界中から多くの動物や植物が次々と減少あるいは絶滅しています。多様な生物の生息環境が急速に失われつつある現在、私たちの生存の基盤である生物多様性の保全に向けた取り組みが企業にも求められています。
当社は、三井物産の森を適切に管理することを通じて生物多様性を育み、その豊かな森を次の世代へと引き継ぐことで社会に貢献します。

生命を守る森づくり

三井物産の森は、人工林約40%、天然林および天然生林約60%で構成されています。この森を「循環林」「天然生誘導林」「生物多様性保護林」「有用天然生林」「一般天然生林」「その他天然生林」に区分し、管理方針を設定しています。特に生物多様性の観点から重要性が高いエリア「生物多様性保護林」は、2009年から新たに区分したもので、三井物産の森全体の約10%です。
さらに「生物多様性保護林」を「特別保護林」「環境的保護林」「水土保護林」「文化的保護林」の4つに区分し、それぞれの特徴に応じた管理を行うことで、生物多様性の保全により踏み込んだ森づくりを目指しています。

森林管理区分

全国74か所、44,417ヘクタールの三井物産の森を以下に区分して管理しています。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

(2015年5月末現在)

区分 定義 面積(ha)
人工林 循環林 伐採・植樹・保育を繰り返し、木材資源の生産と供給を行う森林 6,839
天然生誘導林 針葉樹と広葉樹によって構成される天然生林へ誘導する森林 10,631
人工林、天然林および天然生林 生物多様性保護林 特別保護林 生物多様性の価値が地域レベル、国レベルにおいてかけがえのないものと評価され、厳重に保護するべき森林 324
環境的保護林 希少な生物が数多く生息していることが確認されており、それら希少生物の生息環境を保護するべき森林 875
水土保護林 水をよく蓄え、水源となり、災害を抑えるなど、公益的機能が高い森林であり、水系の保護と生態系の保全を図る森林 3,164
文化的保護林 生物多様性がもたらす「生態系サービス」のうち、伝統や文化を育む「文化的サービス」の面で価値が高く、保護するべき森林 117
天然生林 有用天然生林 木材利用上の有用樹種があり、保育を通じて木材資源として収穫を目指す森林 1,814
一般天然生林 有用樹種ではないが、保育をしながら、森林の公益的価値を高めていく森林 19,149
その他天然生林 上記以外の天然生林 1,504

生物多様性保護林

三井物産の森の中で特別な役割を持つ森について紹介します。

4つの生物多様性保護林

三井物産の森の中で、生物多様性の観点から重要性が高いエリアを「生物多様性保護林(全体の約10%)」とし、さらに森林の性質によって「特別保護林」「環境的保護林」「水土保護林」「文化的保護林」の4つに区分しています。
保護の目的を明確にすることで、生物多様性の保全により踏み込んだ森林管理を実現していきます。

特別保護林
山林の一部が尾瀬国立公園に指定(田代山林)

生物多様性の価値が地域レベル・国レベルにおいてかけがえのないものと評価されており、厳重に保護していきます。


[福島県]田代山林
南会津町にある田代山の一角です。山の頂上には学術的にも貴重な高層湿原が広がり、その湿原を含む山林の一部が尾瀬国立公園に指定されています。
環境的保護林
最も北にある三井物産の森(宗谷山林)

希少な生物が数多く生息していることが確認されており、それら希少生物の生息環境を保護していきます。


[北海道]宗谷山林
最も北にある三井物産の森です。北海道の代表的な針葉樹・クロエゾマツの森が広がり、日本最大の淡水魚・イトウも生息しています。
水土保護林
水を蓄えるブナの森(南葉山林)

水をよく蓄え、水源となり、災害を抑えるなど、公益的機能が高い森林であり、水系の保護と生態系の保全を図ります。21世紀は水の世紀といわれるように世界の水資源問題に注目が集まる中、豊かな水資源を提供してくれる森を育てるべく、3,164ヘクタールを「水土保護林」に指定し、水系の保護に注力した森づくりを行っています。


[新潟県]南葉山林
妙高連峰の前座、南葉山は上越市にあります。水を蓄えるブナの森が広がり、水源として地域に水を供給しています。
文化的保護林
アイヌ文化発祥伝説が残る北海道・平取町(沙流山林)
伝統行事「大文字五山送り火」(清滝山林)

生物多様性がもたらす「生態系サービス」のうち、伝統や文化を育む「文化的サービス」の面で価値が高く、継続的な利用も含めて保護していきます。


[北海道]沙流山林
アイヌ文化発祥伝説が残る北海道・平取町にあります。社団法人平取アイヌ協会と「アイヌ文化の保全および振興」に関する協定、平取町と「イオル(アイヌの伝統的生活空間)再生事業」に関する協定を結び、アイヌ文化の保全と振興に協力しています。

[京都府]清滝山林
京都市北部の嵯峨にあります。(社)京都モデルフォレスト協会による、京都の森を守り育てる活動のため、山林の一部を2008年から10年間にわたって無償提供する協定を同会および京都府と締結、伝統行事「大文字五山送り火」「鞍馬の火祭」に必要な松明などに使う材を提供しています。

科学的に評価する

三井物産の森の生物多様性を科学的な視点で調べました。

生物多様性条約締約国会議では、生物の多様性の保全に向けて、科学的な知見や根拠をもち、達成状況について定量評価をもって把握することの重要性が示されています。三井物産では、モデル山林における生物多様性の定量評価を実施しています。

生物多様性定量評価(HEP評価)

2009年、三井物産の森の中から、5か所のモデル山林で、財団法人日本生態系協会による、動物を指標とする生物多様性の定量評価=HEP(Habitat Evaluation Procedures/ハビタット評価手続き)を行いました。
HEPとは、米国を中心に活用される、生物多様性を定量評価する手法です。対象となる区域の面積や環境条件、立地条件、希少性などから、指標とする野生動物を数種類選定し、これら指標種の「住みやすさ」を数値で示したHSI(ハビタット適性指数)をもって、対象となる区域の生物多様性の過去や未来も含めて生物多様性の質を数値化するものです。
今回の調査では、ヒグマやツキノワグマ、クマタカ、テン、アナグマを指標種とし、過去から未来の生物多様性の質の変化を予測し、数値化しました。
評価結果から、モデル山林ごとに生物多様性の質の状況を把握するとともに、天然生林への誘導を優先的に行うと良い人工林のエリアなど、生物多様性に貢献する森林施業の基礎情報を入手することができました。
ゾーニングの例:(1)(2)(3)(4)の順に天然生林誘導の優先度が高いゾーン。濃い赤ほど天然生林誘導の優先度が高い樹林地。


三井物産の森における生物多様性の評価結果

似湾山林
三戸山林
清滝山林

JHEP認証「AA+」の取得

JHEP認証とは、財団法人日本生態系協会が2008年12月に創設した認証制度です。この認証制度では、動植物の観点から、生物多様性の質を定量評価し、AAA~Dの10段階でランク付けします。評価では、基準年(土地取得年あるいは申請年の30年前)から過去30年間と、基準年から50年間の生物多様性の状況を定量評価し、比較します。こうすることで、事業者などにおける生物多様性の保全や改善への貢献を科学的に証明するものです。

2010年9月、京都府にある清滝山林において、ツキノワグマなどの動物(評価種)に加え、植物の植生に関する評価を実施し、上位から2番目の高ランクである(AA+)の評価を受けました。これは、日本の森林で同認証を取得した初の事例であり、清滝山林を所有して以来、約30年にわたって、地域の特性に配慮しながら生物多様性の質を向上させていることが科学的に証明されたことになります。今後もこれまでの管理方針通り、残存する地域本来の植生を保全しつつ、スギやヒノキなどの人工林の部分を天然生林へ徐々に誘導していきます。

COP10(生物多様性条約締約国会議)では、2020年までに生物多様性の損失を止めるために、効果的かつ緊急的な行動をとることが求められています。そして、科学的な知見や根拠をもち、生物多様性の質を定量的に評価・モニタリングしていくことの重要性が強調されました。こうしたことから、この認証取得が、今後のわが国における新たな森林管理のモデルになると考えます。


「三井物産の森」において日本の森林で初のJHEP認証を高ランク(AA+)で取得

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森に住む生き物たち

三井物産の森に住む生き物たちをご紹介します。

  • フクロウのヒナ。ぬいぐるみみたいです(沼田山林)。

    フクロウのヒナ。ぬいぐるみみたいです(沼田山林)。

  • 北海道にはエゾタヌキが生息しています。子ダヌキの頃はホンドタヌキとの区別がつきにくいです(似湾山林)。

    北海道にはエゾタヌキが生息しています。子ダヌキの頃はホンドタヌキとの区別がつきにくいです(似湾山林)。

  • 木の上で微動だにせずこちらを見つめるエゾフクロウの姿は、とても神秘的です(沼田山林)。

    木の上で微動だにせずこちらを見つめるエゾフクロウの姿は、とても神秘的です(沼田山林)。

  • 切り株の上で休憩中のオオジシギ。北海道版レッドリストでは希少種に指定されています(北海道)。

    切り株の上で休憩中のオオジシギ。北海道版レッドリストでは希少種に指定されています(北海道)。

  • カマキリ(亀山山林)

    カマキリ(亀山山林)

  • ニホンヒキガエル スギ林(湿った林内)ではカエルをよく見ます(高原山林)。

    ニホンヒキガエル スギ林(湿った林内)ではカエルをよく見ます(高原山林)。

  • エゾシカ ドトマツの木下は歩きやすい(似湾山林)。

    エゾシカ ドトマツの木下は歩きやすい(似湾山林)。

  • 日本原産!ルリボシカミキリ!を見つけました(似湾山林)。

    日本原産!ルリボシカミキリ!を見つけました(似湾山林)。

  • コエゾゼミとニラメッコ(十弗山林)。

    コエゾゼミとニラメッコ(十弗山林)。

  • 冬眠明けのシマリス。近くまで行っても動かないのはまだ寝ぼけているのかな(沼田山林)。

    冬眠明けのシマリス。近くまで行っても動かないのはまだ寝ぼけているのかな(沼田山林)。

  • アマガエル(本州山林)

    アマガエル(本州山林)

  • ヤマアマガエル(本州山林)

    ヤマアマガエル(本州山林)

  • 三井物産の森のCM撮影の時に遭遇したエゾリス。太いしっぽが印象的です。

    三井物産の森のCM撮影の時に遭遇したエゾリス。太いしっぽが印象的です。

  • キタキツネは北海道では最もポピュラーな動物です。じっとこちらを見つめています。

    キタキツネは北海道では最もポピュラーな動物です。じっとこちらを見つめています。

  • 似湾山林では毎年子ギツネが誕生する場所があります。

    似湾山林では毎年子ギツネが誕生する場所があります。

  • 森の主のような、体格もよく立派な角のある雄のエゾシカ。エゾシカは北海道全域に生息しています。

    森の主のような、体格もよく立派な角のある雄のエゾシカ。エゾシカは北海道全域に生息しています。

  • HEP評価の調査の際に遭遇したヒメシジミです。環境省版レッドリストでは準絶滅危惧種となっています。

    HEP評価の調査の際に遭遇したヒメシジミです。環境省版レッドリストでは準絶滅危惧種となっています。

  • フクロウのヒナ。ぬいぐるみみたいです(沼田山林)。
  • 北海道にはエゾタヌキが生息しています。子ダヌキの頃はホンドタヌキとの区別がつきにくいです(似湾山林)。
  • 木の上で微動だにせずこちらを見つめるエゾフクロウの姿は、とても神秘的です(沼田山林)。
  • 切り株の上で休憩中のオオジシギ。北海道版レッドリストでは希少種に指定されています(北海道)。
  • カマキリ(亀山山林)
  • ニホンヒキガエル スギ林(湿った林内)ではカエルをよく見ます(高原山林)。
  • エゾシカ ドトマツの木下は歩きやすい(似湾山林)。
  • 日本原産!ルリボシカミキリ!を見つけました(似湾山林)。
  • コエゾゼミとニラメッコ(十弗山林)。
  • 冬眠明けのシマリス。近くまで行っても動かないのはまだ寝ぼけているのかな(沼田山林)。
  • アマガエル(本州山林)
  • ヤマアマガエル(本州山林)
  • 三井物産の森のCM撮影の時に遭遇したエゾリス。太いしっぽが印象的です。
  • キタキツネは北海道では最もポピュラーな動物です。じっとこちらを見つめています。
  • 似湾山林では毎年子ギツネが誕生する場所があります。
  • 森の主のような、体格もよく立派な角のある雄のエゾシカ。エゾシカは北海道全域に生息しています。
  • HEP評価の調査の際に遭遇したヒメシジミです。環境省版レッドリストでは準絶滅危惧種となっています。