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コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスと内部統制

三井物産は、社会から信頼される企業であり続けるため、コーポレート・ガバナンス体制の充実とグローバル連結ベースでの内部統制の整備・向上に取り組んでいます。
特に内部統制に関しては、コンプライアンスの徹底を重要な課題と認識しています。

コーポレート・ガバナンスと内部統制の体制および実施状況

コーポレート・ガバナンス体制

当社は、監査役会設置会社の形態を採用しています。株主をはじめとするステークホルダーにとって有効なコーポレート・ガバナンスを実現するため、以下の体制を構築しています。

  1. 取締役会は、経営執行および監督の最高機関であり、その機能の確保のために、当社は取締役の人数を実質的な討議を可能とする最大数にとどめるものとしていると同時に、取締役会の実効性について、分析・評価を実施し、その結果の概要を開示することを「三井物産コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則」に記載しています。また、社外取締役・社外監査役が委員として参加する諮問委員会としてガバナンス委員会、指名委員会、報酬委員会を取締役会の下に設置しています。
  2. 監査役は、株主の負託を受けた独立の機関として取締役の職務執行を監査します。この目的のため、監査役は社内の重要会議への出席、各種報告の検証、会社業務の調査など多面的かつ有効な監査活動を展開し、必要な措置を適時講じます。

コーポレート・ガバナンスの要件の一つである「透明性と説明責任」の確保のために、当社は、社外取締役ならびに社外監査役の視点を入れての経営監督および監視機能の強化を図るとともに、情報開示に関わる内部統制体制を整備し、公正開示の原則の下、役職員が説明責任の遂行にあたることとしています。また、「経営執行と監督機能の分離」のために当社は執行役員に業務執行の権限を大幅に委譲した上で、取締役会が執行役員の業務執行を監督します。国内の16営業本部および海外の3地域本部のそれぞれを統括する営業本部長および地域本部長は、同時に執行役員でもあり、三井物産連結グループの機動性ある業務執行に当たります。

取締役は、2017年6月の株主総会終了時で14名です。そのうち、社外取締役は5名を選任しています。

監査役は5名で、常勤監査役2名と社外監査役3名から構成され、さらに監査役の職務遂行を補助する組織として監査役室を設置しています。監査役は、取締役会をはじめとする社内重要会議に出席し、議事運営や決議内容などを監査するほか、国内外支社店や重要関係会社への往訪監査などを行っています。

業務執行・内部統制体制

2011年度から、当社における内部統制の評価基準が本邦金融商品取引法に設けられているいわゆるJ-SOX法に変更されました。「新たなグローバルスタンダードに対応した当社らしいより良い内部統制」の観点から、高い内部統制体制を維持するとともに、引き続きコンプライアンスに関しては、関係会社を含む社員各人に「コンプライアンス無くして、仕事無し、会社無し」という原理原則の遵守を徹底していきます。

「内部統制委員会」(委員長:社長)は当社の内部統制体制の中核であり、内部統制基本方針の策定や内部統制の全社的な評価・向上に取り組んでいます。この下部組織として、「コンプライアンス委員会」「開示委員会」「J-SOX委員会」が活動を行っています。

また、多様化するリスクに対応するため、全社ポートフォリオのモニタリングや戦略の提案、重要案件の個別審査などを行う「ポートフォリオ管理委員会」、臨時の社長直轄組織として危機対応時に迅速・的確な意思決定を行う「危機対策本部」、当社サステナビリティ経営の推進に向けた企画・立案・提言を行う「サステナビリティ委員会」、次世代イノベーションへの取り組みを推進する「イノベーション推進委員会」、さらには、全社情報戦略・IT戦略の策定、経営基盤構築や情報戦略推進に関する重要方針の策定とモニタリングを行う「情報戦略委員会」や多様な人材の総戦力化に向けた課題解決に向けた対応方針を検討する「ダイバーシティ推進委員会」などを設置しています。

内部監査の体制と状況

社長直轄の内部監査部(スタッフ約60名)が国内外の子会社を含めて定例内部監査を行い、経営・業務の有効性、コンプライアンス、財務報告の信頼性などについて、独立・客観的な評価を実施しています。これらの監査結果は社長に報告され、改善すべき点があれば、被監査部署に対して改善状況の報告を求めています。

また、各営業本部内に設置されている業務監査室は、各部署を自主的に監査する自部店監査を実施しており、内部監査部による監査と併せて、内部統制のさらなる向上に資する役割を果たしています。

コーポレート・ガバナンスに関わる最近1年間における実施状況

2016年度は、米国証券取引委員会への登録を廃止し、当社内部統制の評価基準をJ-SOXに変更後6年目となり、米国基準と同等の透明性の高い情報開示および、内部統制に関わる規律の保持を目指し、同基準への移行を鋭意進めてきました。また、2015年6月のコーポレート・ガバナンスコード適用に対応し、当社コーポレート・ガバナンス体制やその在り方について株主などに直接説明する取り組みを継続して実施しています。

コーポレートガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則

当社のコーポレート・ガバナンス及び内部統制に係る基本原則であり、併せて本邦会社法における内部統制システムの観点から当社の体制を記述するものです。

2006年4月1日施行(2015年11月6日改正)

リスク管理

当社の事業運営に伴うリスクの管理は、各営業本部長および地域本部長などが委譲された権限の範囲内で行いますが、委譲された権限を越えるリスクを負担する場合は、「稟議制度」により、経営会議の決定、または、関係代表取締役もしくは関係役付執行役員の決裁を得ることが必要とされています。環境関連事業や公共性の高い事業など、リスクが高いと考えられる事業領域については、「特定事業管理制度」の下、特に慎重な審査を行っています。

全社レベルでのリスク管理体制の設計・整備や重要なリスクへの対処には、ポートフォリオ管理委員会、内部統制委員会、サステナビリティ委員会、危機対策本部などの組織があたり、コーポレートスタッフ部門各部は、担当する分野のリスクについて、全社ポジションの監視、所定の権限の範囲内でのコントロール、ならびに担当代表取締役および執行役員の補佐にあたります。

サステナビリティガバナンス体制強化

サステナビリティ推進体制の構築

当社は、2004年度に経営会議の下部組織として「CSR推進委員会(現・サステナビリティ委員会)」を設置し、サステナビリティに関する社内体制の構築や、社員への意識啓発に取り組んできました。企業の社会的側面における姿勢や活動に対する社会からの期待や要請に応えるべく、横断的に連携してサステナビリティ関連活動を推進しています。
また、各部署におけるサステナビリティ経営の実践支援や意識浸透など、現場と一体となった活動の企画・推進を図るため、コーポレートスタッフ部門、各営業本部、海外地域本部および国内支社・支店に「CSR推進担当者(現・サステナビリティ推進担当者)」を配置し、社内ネットワークを構築しています。
2016年度も「CSR推進担当者会議(現・サステナビリティ推進担当者会議)」を四半期に一度開催し、CSR推進委員会で議論し策定したサステナビリティ関連の新規取組方針や重要事項の伝達、サプライチェーンマネジメントに関わる各種調査結果や施策に関する報告を行いました。また、当社事業を題材に三井物産のマテリアリティの視点で社会からのニーズや期待、社会への責任について考察するグループワークなども実施しました。
そのほか、各営業本部やコーポレートスタッフ部門各部でも、CSR推進担当者が中心となって、社内サステナビリティ関連セミナーや、取引先や社外有識者を招いての講演、担当業務を通じたサステナビリティをテーマとするワークショップなどを開催。社員一人ひとりが日々の業務からサステナビリティを考え、意識浸透を図る場を設けました。

サステナビリティ委員会

国連「持続可能な開発目標(SDGs)」やESG投資への関心が高まる中、事業活動を通じて社会への新しい価値を創造し、社会と会社相互の持続可能性を追求していくというこれまでの三井物産の変わらぬ姿勢をより明確にしていくために、2017年5月1日、サステナビリティ委員会を発足しました。
サステナビリティ委員会では、これまでのCSR推進委員会の役割を強化拡大し、サステナビリティに関わる経営方針および事業活動に関する経営会議への提言(事業におけるリスクと機会の把握)、環境に関する全社方針の提案、ステークホルダーへの効果的な情報開示の審議、サステナビリティ経営の社内浸透、また「特定事業」に対する答申などを担っていきます。
本委員会は、コーポレートスタッフ部門担当役員(経営企画部担当)を委員長、コーポレートスタッフ部門担当役員(人事総務部、法務部担当)を副委員長とし、経営企画部(事務局)、IR部、広報部、人事総務部、法務部、事業統括部、環境・社会貢献部といったコーポレートスタッフ部門各部長により構成され、以下に掲げる事項を役割として活動しています。

  1. 当社サステナビリティ経営の基本方針およびサステナビリティ・CSR推進活動の基本計画の立案
  2. 当社経営方針、営業やコーポレートの方針・戦略に対するサステナビリティ視点での検証・提言
  3. 環境に関する全社方針の提案
  4. サステナビリティを重視した事業活動への提言(事業におけるリスクと機会の把握)
  5. ステークホルダーへの効果的な情報開示、発信内容・方法・手段の審議
  6. 経営に必要な進捗レビュー、モニタリングに関する検討と提案
  7. 当社サステナビリティ経営の社内推進体制の構築および整備
  8. 当社サステナビリティ・CSR推進活動の年次重点課題の策定と推進
  9. サステナビリティ・CSRに関わる社内外対応
  10. 特定事業に該当する個々の案件の推進可否、または推進する場合の留意事項などに関する答申
  11. 三井物産環境基金に関わる重要事項(基本方針・事業計画など)に関する承認
  12. 三井物産環境基金が社内募集する助成案件の選定
  13. 三井物産環境基金が一般公募する助成案件の選定
  14. 社有林管理規程に該当しない例外的な山林の取得もしくは社有林の処分の推進可否に関する答申

また、サステナビリティに関わる諸課題への対応を目的に、サステナビリティ委員会の諮問機関として環境・社会諮問委員会を設置し、委員は、気候変動、環境修復、水・エネルギーなどの環境施策、技術動向、人権に関する幅広い知見を有する社外有識者や弁護士らを中心に選定しています。

2016年度CSR推進委員会(現・サステナビリティ委員会)の内容

第1回(2016年5月13日)
「CSRレポート2016」におけるGRI G4対応について報告・審議を行いました。
第2回(2016年8月26日)
「英国現代奴隷法 UK Modern Slavery Act(MSA)54条」に関する対応についての審議およびESG調査会社アンケートへの対応についての報告を行いました。
第3回(2016年12月22日)
CSR推進体制の見直し、ESG調査会社アンケート対応状況について報告を行いました。
第4回(2017年3月3日)
CSR推進委員会の見直し/新委員会案、サステナビリティ推進活動および三井物産環境基金の2016年度実績および2017年度取組方針についてそれぞれ審議を行ったほか、環境・社会貢献活動についての2016年度実績および2017年度取組方針について報告を行いました。

ESG関連リスクマネジメント

経済のグローバル化、情報化、および企業の社会的責任に対する意識の高まりなどにより、企業のビジネスチャンスとリスクはますます多様化し増大しています。この状況を踏まえ、当社では、社会情勢やビジネスモデルの変化に的確に対応し、定量および定性の双方から総合的にリスクを管理するため、環境・社会・ガバナンスなどに関連する定性リスクの高い事業領域を「特定事業」と定め、「特定事業管理制度」にのっとり慎重な事業推進を図っています。具体的には、新規に開始する案件につき社内審査を行い、必要に応じて「サステナビリティ委員会」や「環境・社会諮問委員会」より、案件の推進可否と良質化に関する答申を受け、最終的に代表取締役による稟議決裁をもって推進可否を決定しています。「環境・社会諮問委員会」の委員は、気候変動、環境修復、水・エネルギーなどの環境施策、技術動向、人権に関する幅広い知見を有する社外有識者や弁護士らを中心に選定しています。

2016年度は、「特定事業」に該当すると判定された26件の案件について、同制度にのっとり個別に社内の審査を行いました。内訳は、「環境関連事業」が7案件、「メディカル・ヘルスケア・バイオ倫理関連事業」が3件、「補助金受給案件」が14案件、「その他異例なレピュテーションリスクを内包する事業」が2件でした。2017年度についても、案件組成の早期段階からフォローアップまで、ESGの視点を持ちながら、包括的かつメリハリのあるリスク管理を目指していきます。

なお、公共性が高く、プロセスの透明性が求められるODA商内については、「ODA商内管理制度」に基づき、必要に応じて「ODA案件審議会」で審議の上、適切なリスク管理を行います。

特定事業管理制度対象の事業領域

事業領域 審査のポイント
   
事業共通
  • 事業そのものの意義、社会的価値
  • 当社がその事業を行うことの意義
1
環境関連事業
環境への影響が大きい事業全般
【例】石炭火力発電事業、浅海・深海油田事業など
  • 当該事業による環境および社会への貢献
  • 付帯する環境負荷(気候変動、生物多様性、水リスクなど)への対応策、安全の確保
  • 開発事業の場合、地域住民をはじめとする関係者への人権などの配慮と理解の取り付け
  • 環境法令・指針との整合性など
2
メディカル・ヘルスケア・バイオ倫理関連事業
メディカル領域およびヘルスケア領域に関連する事業、ならびにヒトゲノム・遺伝子解析・遺伝子組み換えなどに関わる技術開発、またはこれらの技術を利用した商品に関わる事業
【例】メディカル・ヘルスケア分野で公共性の高い事業(人工透析事業、医薬品製造事業)、遺伝子解析技術を応用した新薬開発など
  • 三省指針(ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針;文部科学省、厚生労働省、経済産業省)に基づく倫理審査
  • 研究現場の倫理委員会での承認、インフォームドコンセントの取得など、プロセスの確認など
3
補助金受給案件
内外官公庁などから直接あるいは間接的に補助金を受ける全案件
  • 当社経営理念に照らした評価
  • 社会への影響と説明責任、プロセスの透明性の確保
  • ステークホルダーの利害の把握、それに対する配慮、対応
  • 中長期にわたる公益性の高い事業の、事象者としての責任と対応能力
4
そのほか異例なレピュテーションリスクを内包する事業
公序良俗・当社経営理念などに抵触する恐れのある案件および公共性の高い事業
【例】 機微な個人情報を取り扱う事業、社会インフラ事業など
  • 当社経営理念に照らした評価
  • 社会への影響と説明責任、プロセスの透明性の確保
  • ステークホルダーの利害の把握、それに対する配慮、対応
  • 中長期にわたる公益性の高い事業の、事象者としての責任と対応能力